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【今日コレ受けvol.071】師の炎に手を当てて

朝7時に更新、24時間で消えてしまうショートエッセイ「CORECOLOR編集長 さとゆみの今日もコレカラ」。これを読んで、「朝ドラ受け」のようにそれぞれが自由に書くマガジン【今日コレ受け】に参加しています。


先日、ライター道場で講師の大越裕さんに勧めていただいた、遠藤周作さんのエッセイを読んでいる。これがめちゃくちゃ面白い。

ユーモアのなかに、人生指南があふれている。今読んでいる『周作塾』は1998年に発刊されたものだが、その教えは20年以上経った今も全く古びていない気がする。
現代を生きていくうえでの学びがいっぱいだ。

エッセイだけではない。
考えてみれば、十数年前に読んだ『海と毒薬』も、昨年読んだ『深い河』も、そこに宿っていたメッセージや問いは、今も自分の一部として生きている。

優れた作家は人生の師なのだ、と改めて。偉大な作家が「先生」と呼ばれる理由はこれかと合点がいった。



でも、「師」とはなんだろう。
これまでさまざまな講座で学んで来て、ありがたいことに「師」と感じる先生にたくさん出会った。その先生方の共通点はなんなのか。

もちろんテクニックは超一流だ。けれど、それだけじゃない。
自分自身が謙虚に学び、書き続け、「どう生きていくべきか」の背中を見せてくれる人だと思う。そして、自分のためだけでなく、どこかに「誰かのために」「社会を良くするために」という観点がある人だ。

それから、ここが重要だと思うのだけれど、強いエネルギーを感じる人であること。共通して、燃えさかる炎のような熱を感じる。

その炎に手を当てると力が湧いて、たとえ立ち止まっても、「また書いていける」と思うのだ。
そんな「師」がたくさんいることが、とてもありがたい。

師の背中を見ながら、書いていく。今日も明日も。どうかずっとずっと前を走っていてください、と祈りながら。

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