見出し画像

DXとマーケティングその39:DXとマーケティング5.0

分析屋の下滝です。

DX(デジタルトランスフォーメーション)とマーケティングとの関係を考えてくシリーズの39回目です。

4月20日に、『コトラーのマーケティング5.0 デジタル・テクノロジー時代の革新戦略』が発売されました。コトラーの『Marketing 5.0』の翻訳書となります。

今回からは、マーケティング5.0の勉強の意味をこめて、マーケティング5.0とDXとの関係を見ていきたいと思います。前回までの『DXナビゲーター』の連載は少しお休みです。

進め方としては、DXという言葉が使われているかどうかを確認しながら、DX側とどのような関係があるのかを見ていきます。DX側の範囲を決めるものとしては、これまでに見てきた『DX実行戦略』『デザインド・フォー・デジタル』『DXナビゲーター』の書籍となります。それぞれでDXの定義や手法が異なりますので、それぞれで関係を分析していきます。

これまでの記事

これまでの連載記事に関しては以下の記事から確認できます。

マーケティング5.0とDX

マーケティングの5.0とは何かを見ていく前に、同書において、そもそもマーケティング5.0とDXとの間の関係は言及されているのでしょうか? もしされているのであれば、その箇所を確認し、DX書籍である『DX実行戦略』『デザインド・フォー・デジタル』『DXナビゲーター』といった書籍でのDX定義や手法との関係を見ていくだけで良いかもしれません。

ぱっと読んだ限り、「デジタルトランスフォーメーション」という言葉はありませんでしたが「デジタル変革」は何箇所がみられました。二つとも、少なくとも目次や索引にはありませんでした。ここでは「デジタル変革」はDXのことだとして議論を進めます。

同書において「デジタル変革」の定義はなく、どのような意味合いで使われているのかは、文章から読み取る必要があります。

したがって、「デジタル変革」という言葉から、DXとマーケティング5.0の関係の深堀りは難しいかもしれません。ただし、本文中に出てくる他の概念との間で関係性を見いだせるかもしれません。たとえば、ビジネスモデルやデジタル技術、価値提案(バリュープロポジション)、カスタマーインサイトといった概念(用語)です。これら概念は、これまでの連載で見てきたように、DX書籍内でも使われる概念です。

これらの概念に、マーケティング5.0が関係しているのであれば、そこからDXとの関係も分析していけそうです。

以上を踏まえて、まずは、「デジタル変革」の意味合いの確認からしていきます。

デジタル変革の位置付け

ここからは、デジタル変革という言葉が出てきている箇所を順に見ていきます。その前に、同書のどこで出てきてるのかを触れておくほうがわかりやすいかもしれません。以下の図は、同書の目次を表しています。4部構成です。
・序論
・課題
・戦略
・戦術
という流れです。

第1部では、マーケティング5.0の背景や概要が述べられています。

第2部では、デジタル世界でマーケティング5.0を実行するときにマーケターが直面する課題が議論されています。課題は、世代間ギャップ、富の二極化、デジタル・デバイドの3つです。

第3部では、戦略に関わる内容であり、マーケターが技術の戦術的利用(4部)を検討する前に適切な基盤を得るのに役立つとされることが議論されています。以下の三つの章で構成されます。
・デジタル化への準備度が高い組織:企業が高度なデジタルツールを利用するための自社の準備度を評価する助けになる。
・ネクスト・テクノロジー:ネクスト・テクノロジーに関する初歩的な内容を含んでおり、マーケターがネクスト・テクノロジーを理解する助けになる。
・新しい顧客体験:新しい顧客体験の創出で実績のある様々な事例について検討がされる。

ここで「デジタル変革」という言葉は、「デジタル化への準備度が高い組織」の章で使われています。この章では、デジタル変革という言葉は、「デジタル化」や「組織」と関係のある文脈で使われます。なお、デジタル化や組織といった概念は、DX書籍でも主要な対象として議論されますので、おかしなことでは無さそうです。

デジタル化への準備度が高い組織

では、デジタル変革という言葉が使われている箇所を順に引用していきます。

同様にデジタル変革についても、先頭に立つのは若い世代である。Y世代とA世代を合わせると史上最大の消費市場になる。(中略)したがって、彼らはデジタル技術の主流になることに対して途方もなく大きな影響を与える。だがデジタル・ライフスタイルが新しい規範になるためには、その変化が世代や社会経済的地位の違いを超えて大規模かつ均等に広がらなければならない。

コトラーら、『コトラーのマーケティング5.0』, p.128

ここでは、「デジタル変革」とは何かについての定義はありません。デジタル技術を使ったデジタル・ライフスタイルを採用する顧客が大規模になると、「デジタル変革」が起こったと捉える感じでしょうか。

次の引用に進みます。

デジタル化のプロセスは世界中でかなり急速に進展している。一方では、誰もがデジタル・ライフスタイルを採用しており、それなしで生活するなど想像できないように見える。それでも、慣性はまだ残っており、多くの顧客が依然として従来の製品・サービスの買い方、受け方に慣れている。同様に企業も、デジタル変革──マーケティング5.0の必要条件──に関しては、ぐずぐず先延ばしにしてきた。ところが、COVID-19のパンデミックがそれをすっかり変えて、デジタル化の必要性を人々に受け入れさせた。

コトラーら、『コトラーのマーケティング5.0』, pp.128-129

ここでは、顧客ではなく、「企業」と「デジタル変革」の間の関係について述べられていると解釈しました。また、デジタル変革は、マーケティング5.0の必要条件であると述べられています。

次の引用に進みます。

デジタル変革の成功を決定づけるもっとも重要な要因は、おそらく組織だろう。従業員は、遠隔で働いたりバーチャル空間で他者と協働したりするためのデジタルツールを装備されなければならない。変革を進めている途中の従来型企業では、これらの新しいデジタルツールを既存のITシステムと統合する必要がある。

コトラーら、『コトラーのマーケティング5.0』, p.148

ここでは、組織の従業員が、デジタルツールを使うことが、「デジタル変革」に関係すると解釈しました。

次の引用に進みます。

(前略)また、文化にも力を入れるとよいだろう。文化はデジタル変革を阻む障害であることが多いからだ。(後略)

コトラーら、『コトラーのマーケティング5.0』, p.148

ここでは、「組織の文化」と「デジタル変革の成功」との間の関係が述べられています。

次の引用に進みます。

だが、デジタル化に関しては、「一つの戦略がすべての企業に合う」というものではない。個々の産業部門によって、また個々の業界プレイヤーによって、デジタル成熟度は異なっている。最初のステップでは、自社が競争してる市場の顧客基盤について、デジタル化への準備度を評価する。次のステップでは、自社のデジタル能力を評価する。準備度評価の結果によって、企業はそれぞれ異なる戦略を作成、実行する必要があるだろう。そうした戦略には、顧客を移行させる戦略やデジタル変革を実行する戦略が含まれる可能性がある。

コトラーら、『コトラーのマーケティング5.0』, p.153

ここは、この章の内容を知らないと分かりにくいかもしれません。戦略には、二つあると書かれています。一つは、「顧客を移行させる戦略」です。もう一つは「デジタル変革を実行する戦略」です。後者に「デジタル変革」という言葉が出てきています。

この章では、以下の図のように、顧客のデジタル化への準備度と、企業(自社)のデジタル化への準備度を二つの軸として、4象限の状態が議論されています。図のタイトルに「デジタル化戦略」と名前が付けられていることに注意してください。

コトラーら、『コトラーのマーケティング5.0』図5.5 デジタル化戦略

準備度の評価には以下の基準が使われます(図5.4より)。

<企業のデジタル化への準備度>
・デジタルな顧客体験
 1.企業はカスタマー・ジャーニーの全行程で、おおむねデジタルな手法で顧客と関わり合うことができる。
 2.すべてのデジタル・タッチポイントがシームレスで摩擦のない顧客体験に統合できる
 3.企業はデジタル・ビジネスモデルによって価値を生み出し、収益を得ることができる
・デジタル・インフラ
 1.大量の顧客データをリアルタイムで捕捉、保存、管理、分析するテクノロジーが利用できる
 2.ビジネスプロセスは、新しいデジタル・ビジネスモデルに適合するようにデジタル化され、リエンジニアリングされている
 3.建物、車両、IoT接続機器などの物理的資産のデジタル化が実施されている
・デジタルな組織
 1.ほとんどの従業員がリモートワークを行なったり、仮想空間で他者と協働したりするために、デジタルツールでエンパワーされている。
 2.データ科学者、UX<ユーザー体験>デザイナー、ITアーキテクトなどのデジタル人材を強化することが、重要な優先課題とされている。
 3.強力なデジタル文化があり、そのおかげで営業管理者とデジタル人材がスムーズに連携できる
<顧客のデジタル化への準備度>
・デジタル顧客基盤
 1.顧客基盤の大多数がデジタルに精通しているY世代とZ世代である
 2.ほとんどの顧客がすでにデジタル・プラットフォームを通じて会社と関わり、取り引きしている
 3.製品・サービスを消費または使用するとき、顧客はデジタル・インタフェースで接する必要がある
・デジタル・カスタマー・ジャーニー
 1.カスタマー・ジャーニーは、すでに全部または一部がオンラインで行われている(ウェブルーミングやショールーミング)
 2.顧客がイライラする物理的タッチポイントは、デジタル・テクノロジーによって置き換えられ、強化できる
 3.顧客が独力で十分な情報に基づいた決定を下せるよう、大量の情報がインターネットで入手できる
・顧客のデジタル化傾向
 1.顧客は会社との物理的インタラクションで不必要、無意味、無価値をみなしている
 2.製品・サービスがあまり複雑ではないとみなされており、したがってリスクや信頼の問題が少ない
 3.ほとんどの顧客にとって、選択肢の増加、価値の低下、品質の低下、利便性の工場など、デジタル化を促す誘因のほうが多い

コトラーら、『コトラーのマーケティング5.0』, p.142

戦略の話に戻ります。前述の「顧客を移行させる戦略」と「デジタル変革を実行する戦略」は、それぞれ、図の「顧客をデジタル・チャネルに移行させる戦略(下から上)」と「デジタル能力を構築する戦略(左から右)」に対応します。

コトラーら、『コトラーのマーケティング5.0』図5.5 デジタル化戦略

なお、図では、「デジタル能力を構築する」は「オリジン(左下)」から「オンワード(左上)」からの矢印だけですが、「オーガニック(右下)」から「オムニ(右上)」への意味も含みます。

以上を踏まえると、「デジタル変革を実行する」とは「自社のデジタル能力を構築すること」あるいは「自社をデジタル化すること」というような意味合いであると言えそうです。また、構築できたかどうかは、準備度で評価するようです。「企業のデジタル化への準備度」の評価基準の大枠は以下でした。
・デジタルな顧客体験
・デジタル・インフラ
・デジタルな組織
したがって、これらを実現できていることが、同書でのデジタル変革を意味すると解釈できそうです。

マーケティング5.0との関係

ここまでで、「デジタル化への準備度が高い組織」の章におけるデジタル変革の位置づけを確認してきました。この節では、次に、位置づけをもう少し広く捉えて、デジタル変革とマーケティング5.0との関係を確認しておきます。

すでに引用した箇所を再度確認しながら、マーケティング5.0との関係を確認しておきます。

デジタル化のプロセスは世界中でかなり急速に進展している。一方では、誰もがデジタル・ライフスタイルを採用しており、それなしで生活するなど想像できないように見える。それでも、慣性はまだ残っており、多くの顧客が依然として従来の製品・サービスの買い方、受け方に慣れている。同様に企業も、デジタル変革──マーケティング5.0の必要条件──に関しては、ぐずぐず先延ばしにしてきた。ところが、COVID-19のパンデミックがそれをすっかり変えて、デジタル化の必要性を人々に受け入れさせた。

コトラーら、『コトラーのマーケティング5.0』, pp.128-129

この文章での「同様に企業も、デジタル変革──マーケティング5.0の必要条件──に関しては、ぐずぐず先延ばしにしてきた。」は、「自社のデジタル能力を構築することは、マーケティング5.0の必要条件である」と解釈できそうです。

以下では、さらっと、マーケティング5.0の定義を確認しておきます。

マーケティング5.0とは、人間を模倣した技術を使って、カスタマー・ジャーニーの全行程で価値を生み出し、伝え、提供し、高めることだ。マーケティング5.0の重要なテーマの一つが、マーケターの能力を模倣することをめざす一群のテクノロジー、いわゆるネクスト・テクノロジーである。こうしたネクスト・テクノロジーには、AI、NLP、センサー、ロボティクス、拡張現実(AR)、仮想現実(VR)、IoT、ブロックチェーンなどがある。これらの技術の組み合わせが、マーケティング5.0のイネーブラー<実現を可能にする要因>となる。

コトラーら、『コトラーのマーケティング5.0』, p.23

要素を抜き出しました。
・マーケティング5.0とは、
 ・人間を模倣した技術を使う。
 ・カスタマージャーニーの全行程で価値を生み出し、伝え、提供し、高める。
・マーケティング5.0の重要なテーマの一つが、マーケターの能力を模倣することをめざす一群のテクノロジー、いわゆるネクスト・テクノロジーである。
 ・AI(人工知能)
 ・NLP(自然言語処理)
 ・センサー
 ・ロボティクス
 ・拡張現実(AR)
 ・仮想現実(VR)
 ・IoT(Internet of Things, モノのインターネット)
 ・ブロックチェーン
・これらの技術の組み合わせが、マーケティング5.0のイネーブラー<実現を可能にする要因>となる。

以下の図で整理しました。

「模倣」と「技術」の関係については、次の文章を参考するとより明確になりそうです。

われわれはこれらの先進技術──AI、NLP、センサー技術、ロボティクス、MR、IoT、ブロックチェーン──をネクストテクノロジーと呼ぶ。これらの技術は、人間の能力を再現することで次世代のマーケティングに力を与えるだろう【図6-2】。

コトラーら、『コトラーのマーケティング5.0』, p.165

「人間の能力を再現する」とあります。図6-2にあるように、「人間を模倣する」と同じ意味合いで使われています。

『コトラーのマーケティング5.0』図6-2 生体工学:テクノロジーが人間を模倣する六つのやり方

次の引用です。

テクノロジーに関する詳細な論述にもかかわらず、依然として人間がマーケティング5.0の中心であるべきだと指摘しておくことは重要だ。ネクスト・テクノロジーは、マーケターがカスタマー・ジャーニーの全行程にわたって価値を生み出し、伝え、提供し、高める手助けをするために使われる。摩擦のない魅力的な新しい顧客体験(CX)を生み出すことが目的である【図1-1】。それを実現するにあたり、企業は人間の知能とコンピューターの知能とのバランスのとれた共生を活用しなければならない。

コトラーら、『コトラーのマーケティング5.0』, p.27
『コトラーのマーケティング5.0』図1-1 新しい顧客体験(CX)のために活用されるネクスト・テクノロジー

認知、訴求、調査、行動、推奨がカスタマー・ジャーニーに対応します。これは5Aと呼ばれるカスタマー・ジャーニーです。

上記の引用において、ネクスト・テクノロジーの役割は、マーケターがカスタマー・ジャーニーの全行程にわたって価値を生み出し、伝え、提供し、高める手助けをするためにあるとされます。これにより、摩擦のない魅力的な新しい顧客体験(CX)が生み出されるとされます。

整理の図に、「マーケター」と「摩擦のない魅力的な新しい顧客体験(CX)」の要素を追記しました。

次の引用です。

基本的には、マーケティングはテクノロジーを活用することで、データドリブン<データに基づいた>、プレディクティブ<予測に基づいた>、コンテクスチュアル<文脈に合った>、オーグメンティッド<人間の能力を拡張する>、そしてアジャイル<俊敏な>になれる。われわれは先進技術がマーケティングにどのような形で価値を加えるかに基づいて、マーケティング5.0の五つの基本的な構成要素を定義する。マーケティング5.0は、相互に関連した三つのアプリケーション、すなわち予測マーケティング、コンテクスチュアル・マーケティング、拡張マーケティングを軸にしている。だが、これらの使い方は組織の二つの規律、すなわりデータドリブン・マーケティングとアジャイル・マーケティングをベースにしている【図1-3】。第4部は
マーケティング5.0のこれら五つの要素の検討に充てられる。

コトラーら、『コトラーのマーケティング5.0』, p.33
コトラーら、『コトラーのマーケティング5.0』図1-3

ここでは、以下の5つの要素が、マーケティング5.0の構成要素であるとされます。
・予測マーケティング
・コンテクスチュアル・マーケティング
・拡張マーケティング
・データドリブン・マーケティング
・アジャイル・マーケティング

整理の図に、これらの構成要素を追記しました。

デジタル変革とマーケティング5.0の関係の話しに戻ります。

デジタル変革は、マーケティング5.0の必要条件であるとされていました。したがって、マーケティング5.0の構成要素であるこれら5つのマーケティングを行うためには、デジタル変革がまず行われている必要があると解釈できそうです。

また、上記の引用において「第4部はマーケティング5.0のこれら五つの要素の検討に充てられる。」とあります。これは、目次で言うところの、「戦術」の箇所に対応します。

「戦術」の前提となる「戦略」を議論したのが、第3部の「デジタル化への準備度が高い組織」の章でした。これは、前節で議論しました。残りの章である「ネクスト・テクノロジー」と「新しい顧客体験」は、4象限の「オムニ」にいる企業が行う「デジタル・リーダーシップを強化する」という戦略の中で議論されています。

コトラーら、『コトラーのマーケティング5.0』図5.5 デジタル化戦略

デジタルリーダーシップを強化するための戦略

顧客の期待の高まりを前にして、「オムニ」象限の企業は現状に留まっていてはならない。他社が追い上げてくる中で、これらの企業は基準を引き上げなければならないという圧力にさらされている。デジタル顧客──Y世代とZ世代──はもう基本的なテクノロジーだけでは満足しなくなっている。企業は新しい顧客体験(新しいCX)に先進技術(ネクスト・テクノロジー)を導入しなければならないのだ。

コトラーら、『コトラーのマーケティング5.0』, pp.148-149

「オムニ」象限の企業は、「新しい顧客体験(新しいCX)に先進技術(ネクスト・テクノロジー)を導入」とあります。逆に言えば、「オムニ」象限にいない企業は、準備が整っていないというように解釈できます。

まとめると、マーケティング5.0を行うためには、デジタル変革がなされている必要があります。デジタル変革がなされ、さらに顧客のデジタル化の準備が整うことで、企業は、マーケティング5.0の準備が整ったことになりそうです。企業は、ネクスト・テクノロジーを用いて、新しい顧客体験を実現します。

まとめ

4月20日に、『コトラーのマーケティング5.0 デジタル・テクノロジー時代の革新戦略』が発売されました。コトラーの『Marketing 5.0』の翻訳書となります。

今回は、同書をもとに、マーケティング5.0とDXがどのように関わるのかを分析するために、まずは、DX(デジタルトランスフォーメーション、デジタル変革)という言葉が使われているのかどうかを調べました。

結果としては、デジタル変革という言葉が使われていました。デジタル変革の意味合いとしては、自社のデジタル能力を構築すること、あるいは、自社をデジタル化すること、といった使われ方であると解釈しました。

また、デジタル変革は、マーケティング5.0を実行するために完了が必要な戦略的なステップのようでした。

次回は、「自社のデジタル能力を構築する」とは、具体的にどのようなことを指すのかをさらに詳しく見ていきながら、『DX実行戦略』『デザインド・フォー・デジタル』『DXナビゲーター』といったDX書籍の中でのDX(の定義と方法論)とどのような関係になるのかを見ていきます。

これまでの記事

これまでの連載記事に関しては以下の記事から確認できます。

株式会社分析屋について

ホームページはこちら。

noteでの会社紹介記事はこちら。

【データ分析で日本を豊かに】
分析屋はシステム分野・ライフサイエンス分野・マーケティング分野の知見を生かし、多種多様な分野の企業様のデータ分析のご支援をさせていただいております。 「あなたの問題解決をする」をモットーに、お客様の抱える課題にあわせた解析・分析手法を用いて、問題解決へのお手伝いをいたします!
【マーケティング】
マーケティング戦略上の目的に向けて、各種のデータ統合及び加工ならびにPDCAサイクル運用全般を支援や高度なデータ分析技術により複雑な課題解決に向けての分析サービスを提供いたします。
【システム】
アプリケーション開発やデータベース構築、WEBサイト構築、運用保守業務などお客様の問題やご要望に沿ってご支援いたします。
【ライフサイエンス】
機械学習や各種アルゴリズムなどの解析アルゴリズム開発サービスを提供いたします。過去には医療系のバイタルデータを扱った解析が主でしたが、今後はそれらで培った経験・技術を工業など他の分野の企業様の問題解決にも役立てていく方針です。
【SES】
SESサービスも行っております。