DX Q&A: DXでのビジネスモデルの参考例を教えて下さい。

DXの取り組みの成功事例で、ビジネスモデルの定義にもとづき、どのようにビジネスモデルが変わったのかが解説されることは多くないように思えます。

参考として『対デジタル・ディスラプター戦略』(と同書の続きの『DX実行戦略』)では、デジタルディスラプターがよく使うデジタルビジネスモデルとして以下の15種類が特定されています。各ビジネスモデルは、顧客に提供する価値の違いの視点で、コストバリュー、エクスペリエンスバリュー、プラットフォームバリューという3つに分類されています。また、デジタルディスラプターは、複数のビジネスモデルを組み合わせて、既存市場に対して競争をしかけてくることが多いとされます。

同書でのビジネスモデルの定義は「組織が価値を作り出し、もたらし、とらえる理論を説明したもの」とあり、『ビジネスモデル・ジェネレーション』の定義をもとにしています。

<コストバリュー>
価格を下げたり、その他の経済的利益を提供することで競争力を高める。
・無料/超低価格:対価を求めず、製品やサービスを無料提供。キャッシュバックやリワード。利益はわずか、もしくはゼロ。フリーミアム。
・購入者集約:人や時間に対して、コストを分散させる。
・価格透明性:価格を比較することで有利な条件で取引できる。
・リバースオークション:逆オークション形式の販売。競争入札。投げ銭方式。
・従量課金制:使用または消費した分だけ対価を支払う。

<エクスペリエンスバリュー>
顧客に優れた体験を提供することで競争力を高める。
・カスタマーエンパワメント:セルフサービスを可能にする、中間業者の排除、DIY。
・カスタマイズ:製品やサービス、体験をパーソナライズする。
・即時的な満足感:製品やサービス、付加価値体験をリアルタイムで、もしくはモバイル機器など新しいデバイスを通じて届ける、非物質化。
・摩擦軽減:さらなる単純化、効率の向上、情報の集約。
・自動化:解析や低コストの労働力を使ったプロセスの自動化

<プラットフォームバリュー>
顧客にポジティブなネットワーク効果を提供することで競争力を高める。
・エコシステム:標準化された道具や基盤、環境、サンドボックスを提供して、他社が独自に価値を創出できるようにする。
・クラウドソーシング:参画者たちのエコシステムから何らかの提供を受ける。
・コミュニティ:受信者のネットワークやコミュニティを通じた情報の流布。クチコミのコンテンツ。
・デジタル・マーケットプレイス:個人と集団を結びつける。マーケットプレイス機能の創出。共有型経済とP2Pの力学。
・データオーケストレーター:センサーや機械のデータを組み合わせて、新しい洞察を引き出すために解析する。