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【DXと業務効率化~RPAとBPR~】#2 業務の可視化とは?

(🔄2021.04.23.更新)
分析屋の高橋です。

「DXと業務効率化~RPAとBPR~」というテーマでの連載2回目となる今回のnoteではBPRの一つである「業務の可視化」について、概要と実践方法を交えながらご紹介していこうと思う。

<業務の可視化って何なの?>

そもそも「可視化」とは、人間が直接「見る」ことのできない現象・事象・関係性を「見る」ことのできるもの(画像・グラフ・図・表など)にすることをいう。
これを「業務」で考え、置き換えると「目に見えない業務プロセス」をはっきりと見えるようにするために業務フロー図などを作成し、「目に見える状態にすること」である。
例えば、今、自分がしている業務が属人化していて、すぐに引継ぎができない状態だとしたら、それは「業務の可視化ができていない」という事になるかもしれない。

RPAという自動化ツールが出てきて、それをきっかけにこれまでの業務を振り返り、
・「この業務は本当に必要だったのか?」
・「この業務をなぜ行う必要があるのか?」
・「この業務の手順(フロー)は今のままでいいのか?」
などという感じにこれまでの業務について振り返ってみるのはどうだろうか?

そういった振り返りの中で
・「前任がやっていたから」
・「やる決まりになっているから」
など曖昧な理由で行われていた業務なら見直していく必要があるのではないだろうか?こういった「気づき」を得るきっかけになるのもRPAなのかもしれない。

<では、誰が業務の可視化をしていくか?>

業務の可視化は現場の実担当者が行うのが一番良い。なぜなら、その業務を一番把握している人物だからである。
その為、「業務改善を目的とした可視化」は、改善を実際に行うご自身が可視化をやらなければならない。
業務の可視化により業務内容プロセスの流れや作業手順、作業内容を明確にすることで属人化を防ぎ、引継ぎの時間を削減し、「自動化できるものは自動化する」ことが今後、人手が少なくなっていく中で効率良く業務を行っていく最適な方法であると考える。

業務可視化のメリットとしては、
・現状把握
・業務マニュアルの作成
・業務の属人化の解消
・ITツール(RPA等)の導入検討材料
などが挙げられる。

<業務の可視化をどう行っていけばいいのか?>

では、実際にどうやって「業務の可視化」をしていくのか?
まずは「業務内容調査票」というような名目で今の業務を書き出していく事からスタートする。

①業務名(大分類/中分類)
②業務を行っている環境(インターネット接続環境可否など)
③業務の手順
④使っているシステム
⑤使っている帳票と種類
→帳票ごとに紙なのかデータなのか含め記載する
⑥業務手順の中でイレギュラー対応の有無と内容(ケース)
⑦業務発生頻度
→どのくらいの頻度で業務を行っているか
⑧1回あたりの業務時間
 →1件あたりの時間数×件数なのか、固定でおおよその作業時間が決まっているのか
⑨AI-OCR導入の検討
→紙を使っている場合のデータ化(効率化)の検討として以下も考慮したい
・帳票から取得したい項目がいくつあるのか
  ・チェックボックスの取得数
  ・この帳票の1月あたりの枚数
⑩備考(特記事項)

これらを1業務ごとに作成して、可視化していく。
作成した業務内容調査票の中で、
・どの業務が「自動化できるのか?」
・どの業務が「自動化の効果が大きいのか?」
・どの業務が「自動化しやすいのか?」
・自動化する場合に「業務プロセスや作業手順を見直す必要はないか?」
などのように様々な視点から考えていく事がポイントとなる。
特に最後の「業務プロセスや作業手順の見直し」は「これまで人間が行っていたやり方」、「人間がやっていたからこのやり方でやっていた」という事例も多く、必ずしも「今まで通りのやり方」が最善の方法ではなかったんだと気づくことができる機会になる。
これらを考える事で自動化を行っていく業務の優先順位が見えてくる。

<業務内容調査票を作成した後は?>

さて、業務内容調査票を作成した後は何をすればいいのか?
まずは業務マニュアルができていない場合はこのタイミングで業務マニュアルを作成することがベストである。
せっかくこの機会に業務内容調査票を作成し、ある程度の可視化ができたこのタイミングを逃す理由はない。誰がこの業務を担当しても仕事が回るようにする為の業務マニュアル。実はRPAを開発する時にも大いに役立つ。
この業務内容調査票のフォーマットはRPA導入やAI-OCR(手書き帳票のデータ化)の導入検討からRPA開発にも活用できるような設計となっている。(実際にご支援の際にご提供等させていただければ幸いです)

<さいごに>

次回は、業務マニュアルの作成について書いていこうと思います。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございます。
RPAの広まりはこのような意味でも存在する価値があるのではないかと思っています。