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弁護士はやめとけ?需要・将来性をデータとイラストで可視化してみた【市場分析】

どもー。
分析太郎です。

今回は弁護士の
市場分析レポート
です。

仕事の将来性を把握する上で、
市場分析は必要不可欠です。

起業するにせよ転職するにせよ、
将来性を把握しておかないと
キャリア選択で誤った道を
選びかねません。

なので分析太郎が、
データとイラストを駆使して、
将来性を分析しました。

それでは、見ていきましょう。




【前編】弁護士の将来性


まずは市場規模を理解する

第一章では、弁護士業界の市場規模から
確認していきましょう。
その前に、市場規模について説明します。

市場規模とは、
その市場で取引されるお金の量を表します。

取引される金額が大きいほど、
市場規模は大きくなります。

そして市場の中に、
需要(お客さん)供給(事業者)
存在します。

これらを釣りで例えるなら、
市場規模=釣り堀の大きさ
供給=釣り人
需要=狙っている魚
と言えます。



そして、需要と供給にはバランスがあります。
イラストにするとこんな感じです。



本レポートでは、
弁護士市場が4つのうち
どこに分類されるかを、
行政機関や業界団体のデータを
フル活用して考察していきます。

それでは、本題に話を移しましょう。


弁護士業界の市場規模は?

それでは最初に、
弁護士業界の市場規模を確認しましょう。
サービス産業動向調査(総務省)によれば、
2018年の弁護士市場規模は
1兆1,951億円でした。
グラフと表を作成しました。


弁護士市場規模の推移(2012~2017・5年間)
出典①:H24 サービス産業動向調査(総務省)
出典②:H25 サービス産業動向調査(総務省)
出典③:H26 サービス産業動向調査(総務省)
出典④:H27 サービス産業動向調査(総務省)
出典⑤:H29 サービス産業動向調査(総務省)
出典⑥:H30 サービス産業動向調査(総務省)


市場はほぼ横ばいで推移しているようです。

つまり、取引されるお金の量に
大きな増減はないということですね。

ちなみに、以前お調べした税理士市場
社労士市場と比較するとこんな感じです。
グラフを作成しました。


弁護士・税理士・社労士市場規模比較(2017)
※税理士データは公認会計士含む
出典:H30 サービス産業動向調査(総務省)


同じ士業ですが、弁護士市場は
社労士より大きく、税理士よりも小さいです。

従業者一人あたりの年間売上高も
税理士・弁護士・社労士の順でした。
グラフを作成しました。


従業者一人あたりの年間売上高(2017)
出典:H30 サービス産業動向調査(総務省)


話を市場規模に戻しますね。
弁護士市場と同規模の市場には
下記市場が挙げられます。

  • 市販カー用品(1兆1,173億円)

  • 鞄・袋物(1兆2,029億円)

  • 出版(1兆2,360億円)

国内市場の立ち位置としてはこのあたりです。


国内市場における税理士市場の立ち位置
出典:市場規模マップ


結構な大きさという印象です。
この市場で、需給バランスは
どうなっているのでしょうか。



確認していきましょう。


弁護士市場の供給は増えてるの?

それでは弁護士市場の
需給バランスを確認しましょう。
まずは供給から確認します。

日本弁護士連合会が
まとめたデータによれば、
2022年の弁護士の数は44,101人
推移としては増加傾向にありました。
グラフを作成しました。


弁護士数の推移(1950~2022・72年間)
出典:弁護士の実勢(日本弁護士連合会)


ご覧になっておわかりのように、
2006年以降、弁護士数が急増しています。

理由は2000年代前半の司法制度改革です。

2004年にはロースクールが開講し、
2006年には新司法試験制度が
導入されました。
その影響で、弁護士数が激増したと
考えられます。

では、弁護士事務所数は
どう推移しているのでしょうか。
グラフを作成しました。


弁護士事務所数の推移(2016~2021・5年間)
※事業所数も含む
※この期間以前のデータは特許事務所数と合算だったため16~21年分のみ纏めました

出典①:平成28年 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)
出典②:令和3年 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)


弁護士事務所は、
2016年から増加傾向にありました。
弁護士の数が増えているので、
納得できますね。

まとめると、
・弁護士の数は増加傾向
・弁護士事務所の数も増加傾向

つまり供給者が
増加しているということなので、
需給バランスは供給のウエイトが
重くなっている
のではないでしょうか。




では、需要はどう
推移しているでしょうか。
確認していきましょう。


弁護士の需要は増えてるの?

それでは、
弁護士市場の需要を確認しましょう。

当然の話ですが、
弁護士の需要は様々な「事件」から生じます。
事件当事者の弁護をすることが、
弁護士の仕事だからです。

従って、下記のことが言えます。

  • 事件数が増えている=弁護士需要増

  • 事件数が減少している=弁護士需要減

では、推移はどうなっているのでしょうか。
グラフを作成しました。



全裁判所の新受事件数の推移(1989~2021・32年間)
出典:2022年版 裁判所データブック(最高裁判所)


あ~…。
(弁護士業にとっては)残念ながら、
新受事件数は2003年以降
減少傾向にありました。
事件の内訳は下記です。


事件種別・全裁判所の新受件事件数の推移(1989~2021・32年間)
出典:2022年版 裁判所データブック(最高裁判所)


家事事件のみ増加傾向ですが、
それ以外の事件数が減少傾向でした。
特に、最もボリュームの大きい
民事・行政事件の減少率が激しいです。
グラフを作成しました。


民事・行政事件の前年比増減率の推移(1989~2021・32年間)
出典:2022年版 裁判所データブック(最高裁判所)


皮肉にも、
2000年代前半の司法改革により
弁護士の数が急増したのと同時期から、
事件数が減少しているんです。

弁護士数と事件数の推移を重ねてみれば
その傾向は明らかです。
グラフを作成しました。


弁護士数と新受事件数の推移(1989~2021・32年間)
出典①:弁護士の実勢(日本弁護士連合会)
出典②:2022年 裁判所データブック(最高裁判所)


この差が拡大するほど、
弁護士業は需要の奪い合いが拡大します。
かつては稼げる業種として
定番の位置にいた弁護士ですが、
現代ではそううまくいかなそうですね…。


まとめ

まとめると、
弁護士市場の需給バランスはこうです。

  • 供給:弁護士数も弁護士事務所数も増加傾向↗

  • 需要:新受事件数は2000年代以降減少傾向↘

結論を出します。

冒頭の需給バランス4分類で言えば、
ここに当てはまりつつあるのでは
ないでしょうか。




弁護士市場の需給バランス


釣り堀(=弁護士市場)の中で、
釣り人(=弁護士)は一方的に増えているのに、
魚(=事件数)が減少しているため、
このような結果になりました。

いかがでしたでしょうか。
とはいえこれは日本全体の需給バランスであり、
当然ですが地域によって偏りが生まれます。

全然食べていけない地域もあれば、
儲かってウハウハですという地域だって
あるかもしれません。

そこで第二章からは、
都道府県別に弁護士市場のレッドあるいは
ブルーオーシャンの都道府県はどこなのか

特定していきます。

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