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理容師はやめとけ?需要・将来性をデータとイラストで可視化してみた【市場分析】

どもー。
分析太郎です。

今回は理容師の
市場分析レポート
です。

仕事の将来性を把握する上で、
市場分析は必要不可欠です。

起業するにせよ転職するにせよ、
将来性を把握しておかないと
キャリア選択で誤った道を
選びかねません。

なので分析太郎が、
データとイラストを駆使して、
将来性を分析しました。

それでは、見ていきましょう。





【第一章】理容師業界の需給バランス


そもそも需給バランスとは?

第一章では、理容師業界の市場規模から
確認していきましょう。
その前に、需給バランスについて説明します。

世の中には様々な市場があり、
お金の取引が行われています。

そして市場の中には、
供給(事業者)需要(お客様)
存在します。

これらを釣りで例えるなら、
市場=釣り堀
供給=釣り人
需要=狙っている魚
と言えます。



そして、需要と供給にはバランスがあります。
イラストにするとこんな感じです。



本レポートでは、
理容師市場が4つのうち
どこに分類されるかを、
行政機関や業界団体のデータを
フル活用して考察していきます。

それでは、本題に話を移しましょう。


理容師業界の市場規模は?

それでは最初に、
理容師業界の市場規模を確認しましょう。

サービス産業動向調査(総務省)のによれば、
2017年の理容師市場規模は5,011億円でした。
そこまで大きくはないかなぁという印象です。

推移のグラフを作成しました。


理容師業界の市場規模推移(2012~2017・5年間)
出典①:2013年 サービス産業動向調査(総務省)
出典②:2014年 サービス産業動向調査(総務省)
出典③:2015年 サービス産業動向調査(総務省)
出典④:2016年 サービス産業動向調査(総務省)
出典⑤:2017年 サービス産業動向調査(総務省)
出典⑥:2018年 サービス産業動向調査(総務省)


2012~2017年の間は、
増減を繰り返しながら
現状維持をしている状態でした
(最新データ見つけ次第更新します)。

従業者一人
あたりの売上高も
同じような形で推移していました。
グラフを作成しました。


理容師業界の従業員一人あたりの売上高(2012~2017・5年間)
出典①:2013年 サービス産業動向調査(総務省)
出典②:2014年 サービス産業動向調査(総務省)
出典③:2015年 サービス産業動向調査(総務省)
出典④:2016年 サービス産業動向調査(総務省)
出典⑤:2017年 サービス産業動向調査(総務省)
出典⑥:2018年 サービス産業動向調査(総務省)


若干ですが増加傾向にあるようです。

ただ、一人あたり売上高が
他のサービス業と比較して
かなり少額
だと言えます。

理容師と同じサービス業の中に
士業が含まれますので、士業と
比較してみましょう。
グラフを作成しました。


従業員一人あたりの売上高(2018)
出典:2018年サービス産業動向調査(総務省)


かなり少額ですね…。
僕の知り合いに理容師がいますが、
理容師で食べていけるのは
ほんの一握りの人物だけと言っていました。
その理由がわかる気がします。


ちなみに、理容師の
市場規模は、行政書士・
社労士・司法書士のそれよりも大きい
んです。
表を作成しました。


市場規模比較(2018)
出典:2018年サービス産業動向調査(総務省)


それなのに、一人あたり売上は最少。
なぜでしょうか。

サービス単価など原因は
様々だと思いますが、最も
大きな原因は事業者の数
です。


業種別・事業者数
出典①:衛生行政報告例(厚生労働省)
出典②:行政書士の都道府県別登録者数(令和4年4月1日現在)(総務省)
出典③:2022年版 社会保険労務士白書(全国社会保険労務士連合会)
出典④:全国司法書士会一覧(日本司法書士会連合会)
出典⑤:弁護士の実勢(日本弁護士連合会)
出典⑥:税理士制度(国税庁)


同じサービスを提供している人が
多すぎる故に、市場規模に比較して
一人あたりの売上高が小さくなるんです。

話を市場規模に戻しますね。
理容師市場と同規模の市場には
下記市場が挙げられます。

  • 文具・事務用品(4,576億円)

  • 文具(5,000億円)

  • 炭酸飲料(5,519億円)

国内市場の立ち位置としてはこのあたりです。


国内市場における司法書士市場の立ち位置
出典:市場規模マップ


この市場で、需給バランスは
どうなっているのでしょうか。



確認していきましょう。


理容師市場の供給は増えてるの?

それでは理容師市場の
需給バランスを確認しましょう。
まずは供給から確認します。

令和3年 衛生行政報告例(厚生労働省)の
データによれば、2021年の理容師数は
206,747人、推移は減少傾向
でした。
グラフを作成しました。


理容師数の推移(1965~2021・56年間)
出典:衛生行政報告例(厚生労働省)


2000年代に入ってからの
減少傾向が著しいです。
食べていけないが故に、
やむを得ず廃業しているのでしょうか…。

では、理容所数の推移はどうでしょうか。
グラフを作成しました。


理容所数の推移(1965~2021・56年間)
出典:衛生行政報告例(厚生労働省)


理容室の数も減少していました。
理容師が減っているので、
納得できますね。

まとめると、
・理容師の数は減少傾向
・理容所数も減少傾向

つまり供給者が
減少しているということなので、
需給バランスは需要のウエイトが
重くなっている
のではないでしょうか。



では、需要はどう
推移しているでしょうか。
確認していきましょう。


理容師の需要は増えてるの?

それでは、
理容師市場の需要を確認しましょう。

需要については、
支出金額の増減を確認するのが
一番手っ取り早いです。

従って、一世帯当たり理容室代に年間
どれくらい支出されているか確認しましょう。

家計調査(総務省)のデータによれば、
2022年の一世帯当たりの
理髪・カット・パーマ代は12,513円で、
推移は減少傾向にありました。
グラフを作成しました。


総世帯の年間理髪・カット・パーマ代の推移(2007~2022・15年間)
出典:家計調査(総務省)


15年間で27.7%減少しています…。
これは、かなり悲惨な状況ですね。

理容代が減少しているので、
理容師の数も減少しているのでしょうか。

2007年を基準年とし、
指数を100として推移を確認します。
グラフを作成しました。


理髪・カット・パーマ代と理容師数を指数化した値の推移(2007~2021・14年間)
出典①:令和3年 衛生行政報告例(厚生労働省)
出典②:家計調査(総務省)


理容師一本では食べていけないと
言っていた知り合いの言葉の通り、
理髪代への支出が減るほど理容師の数も
減少していますね。

これは厳しい戦いになりそうですね…。



分析太郎の結論

まとめると、
理容師市場の需給バランスはこうです。

  • 供給:理容師も理容室も減少傾向

  • 需要:理髪代に対する家計支出は減少傾向

結論を出しますね。
冒頭の需給バランス4分類で言えば、
ここに当てはまりつつあるのでは
ないでしょうか。


理容師業界の需給バランス


釣り堀(=理容師市場)の中で、
釣り人(=理容師)が減り、
魚(=家計費出)も減少しているため、
このような結果になりました。

もし自分の息子が理容師になりたいと
言い出したら、無論応援はするが
マーケティングもしっかりやれと言います。

いかがでしたでしょうか。
とはいえこれは日本全体の需給バランスであり、
当然ですが地域によって偏りが生まれます。

全然食べていけない地域もあれば、
儲かってウハウハですという地域だって
あるかもしれません。

そこで第二章からは、
都道府県別に理容師市場のレッドあるいは
ブルーオーシャンの都道府県はどこなのか

特定していきます。


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