見出し画像

郷土の歴史が守る橋

1988年、長井橋の開通を記念して橋のそばに制作設置された二体のブロンズ像のうちの一つです。

かつての舟運文化を彷彿とさせる商人がモチーフになっています

長井橋「昔」 1988年 ブロンズ

旅の衣装に身を包み、船玉大明神に手をかけ彼方を見つめる姿は、舟旅の安全を祈願し、明日に希望を持つ力強い姿を描いています。商人が立つ球体には、京都までの航路と小鵜飼舟が刻まれています。

かつて、長井市は最上川の舟運文化で栄えていました。しかし、交通の形が舟から、鉄道、車と移り変わっていくにつれて、その姿はすっかり消え去ってしまいました。

新しく掛けられた橋は、そんな移り変わりを象徴するものであり、そこにかつての盛栄を思わせる商人の像をつくったことが長沼孝三先生の伝えたいメッセージだと思います。

たとえ時代が変わり、交通の形が変わろうとも、舟運時代の人々の活気を忘れないでいて欲しいという願いが込められています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?