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亡き友を思って馳せる思いを形に

山形県米沢出身の南雲 忠一(なぐも ちゅういち)。猛将の提督と呼ばれ、真珠湾、インド洋、ミッドウェーの海戦で戦果をあげています。

 そんな彼と長沼孝三先生はは友人でした。もともと、兄が知り合いであったことや、東京のアトリエ近くに南雲が一時期住んでいたということもあり、交流が盛んにあリました。

「サイパン玉砕の碑」 1945年 石膏

今作は、1944年7月、南雲がサイパンで玉砕したという知らせを受けた長沼孝三先生が、無我夢中で即興的に作ったものです。厳しい表情の南雲。その後ろには、戦渦に巻き込まれた現地の人々が描かれ、友人の無念さ、島民の無益な死、戦争の虚しさを表現しています。

 尚、今作は作品展に出品するために制作されたものではなく、長年、長沼孝三先生のアトリエに眠っていました。

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