【映画】「高速道路家族」感想・レビュー・解説

うーん、ちょっとピリッとしない映画だったかなぁ。

テーマ的には、なんとなく『万引き家族』とか『パラサイト』感があるし、「家族」とか「貧困・格差」みたいなテーマは割と普遍的だから、面白くなかったわけでもない。

ただ、うーん、ピリッとしないんだよなぁ。

分からないけど、ちょっと理由を考えてみると、「登場人物たちの背景がほとんど描かれなかった」ことにあるかもしれないなぁ、と思う。

なんとなく示唆されることは多い。「恐らくこういうことが起こったんだろう」という描写はある。ただ、それらが物語にあまり深く関わってこない。もう少し、「何故そういう生活になったのか」「何故手を差し伸べたのか」みたいな話が、有機的に物語と結びついていたら良かったのかなぁ、とか思う。

うーん、でも、それがあったとてどうかなぁ。わからん。

4人家族は、パーキングエリアに住み着いているホームレス。色んな事情で居心地が悪くなると、別のパーキングエリアまで歩いて移動している。パーキングエリア内では、人が良さそうな人を探し、「財布を無くして、ガソリンが無くなったから、2万ウォン貸してくれ」と声を掛けては、どうにかその日の食事にありついている。
しかし、やはりそんな生活も長続きはしない。ある日、かつてお金を借りた(実際には騙して奪った)女性とまた遭遇してしまい、警察に通報されてしまうのだ。
父親は逮捕され、母親と子ども2人は行き場もなく警察署の前でただ座っていたのだが……。

いつも書いていることだけど、僕は「『家族』という形をナチュラルに壊していくような関係性」は結構好きなので、そういう意味で、行き場を失った親子が辿る展開はなかなか好きです。ただ全体としてはなぁ、なんともピリッとしなかった。

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