【映画】「地下室のヘンな穴」【映画】感想・レビュー・解説

さて、この映画は一体なんだったんだろうなぁ、と思う。

「地下室の穴に入ると、外界の時間は12時間進むが、自分は3日若返る」というワンアイデアの設定は別にいい。ワンアイデアだけで成り立たせる物語はいくらでもあるし、その発想をどう活かすかが腕の見せ所だと思うからだ。

ただ、この作品は、「地下室の穴に入ると、外界の時間は12時間進むが、自分は3日若返る」という描写をして終わってしまった。んんん???という感じだ。もっと何かないと物語として成立しなくないか?と思う。別に「その穴がどんな理由で生まれたのか?」みたいな説明がほしいわけじゃない。そうじゃなくて、「この設定を使うと、なるほどそんな展開が考えられるか!」と感じるような何かがほしかった。

それこそそれが、主人公アランが働く会社の社長の「とある秘密」が何か絡んでくるんだと思っていた。この設定は実にアホらしいのだが、なかなか面白い。そして、「謎の穴」の話と「社長の秘密」がどこかで絡んで、ビックリするような展開になる、と思っていたのだ。

でも、全然そんなことはなかった。穴の話は穴の話で終わり、社長の秘密も社長の秘密の話で終わった。

なんだそりゃ???

「12時間時間が進む」という設定は、「妻が若返りを繰り返している間、家にほとんどおらず、夫が寂しさを抱く」という描写に必要なわけだが、しかし本当に、そのためにしか存在しない設定だと言える。あと、猫はなんだったんだ?あれだけ意味深に描いてたら、もうちょい物語に絡んでくるって普通は思うだろう。

というわけで、僕として「えええ???」って感じの映画でした。むしろ、「社長の秘密」の描写の方が面白いので、そっちの話を膨らませてなんか作品作ったらいいんじゃないか。ちなみに、「日本人」という設定の人物が出てくるんだけど、喋り方的に絶対日本人じゃなくて笑った。日本語が喋れるアジア人を出演させたんだろう。日本で公開するなら、せめてそこだけでも「日本語吹き替え」にしたらいいのに(「日本語が拙くて面白い」ってのは、日本人以外には伝わらない面白さなんだから、作品にとって不要だろう)。

なんか色んな意味でモヤモヤさせられる映画だった。

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