【映画】「名探偵コナン ゼロの執行人」感想・レビュー・解説

コナンの劇場版、久々に観たけど、面白かった!
しかし、明らかに大人向けだな。絶対子供には理解できない(笑)

内容に入ろうと思います。
数日後に日本でサミットが開催されるというタイミングで、エッジオブオーシャンという商業施設がテレビで紹介されている。ここの国際会議場でサミットが開かれる予定だ。また敷地内にはカジノなども併設され、外国人観光客も見込んだ一大施設としてオープンする予定だ。
しかし、まさにサミットを数日後に控えたある日、サミット会場予定である国際会議場が謎の大爆発により崩壊した。テロなのか、事故なのか。調べを進めると、国際会議場の地下にあった調理場が爆心地であるようで、ここでガスが充満し爆破に至ったと判明した。テロであるならばサミット開催と同時に行わなければ意味がない―その判断も加わって、捜査会議は事故の方向に着地しそうだった。
しかしそこへ、公安警察の風見がやってきて、現場から黒焦げになった指紋が発見されたという。エッジオブオーシャンはまだオープン前だったため、工事関係者と、サミットの警備のために出入りしていた警察関係者しか指紋が残りようがない。そこで、その指紋を、工事関係者、そして前警察関係者のものと照合したところ、一致する人物がいた。
それがなんと、毛利小五郎だったのだ。
毛利探偵事務所はすぐに捜索が行われ、毛利小五郎のパソコンから、国際会議場内部の地図などの資料が発見され、毛利小五郎は逮捕されてしまった。
憔悴する毛利蘭。コナンは、状況を打開すべく、毛利探偵事務所の隣の喫茶店・ポアロで働く安室透の元を訪れた。彼は、毛利探偵事務所の見習いとして働いているが、その実態は、公安警察警備局の秘密組織・ZEROの捜査員だ。コナンはおっちゃんの逮捕に、公安警察の横暴を見て取るが、しかし状況を打開できるほど情報も物証もない。コナンは、おっちゃんを救うべく、謎めいた国際会議場爆破事件に挑むが…、
という話です。

先に観ていた人から、「ハリウッド映画みたい」と聞いていましたけど、まさにその通りだなと思いました。冒頭からハイスピードで事件が展開され、しかもそこに公安警察の影が見え隠れする。誰が味方で、誰が敵なのかも分からないまま事件を追うコナン。そして明らかになる事件の背景。意外な繋がり。そして、危機的状況を打開するとんでもない計画…。エンタメ的要素をこれでもか!と詰め込みましたっていう展開は、大人が見ても充分以上に耐えうる作品だし、っていうか正直、子供にはわけが分からないと思います。

この映画では、公安警察が暗躍しているんだけど、この公安警察っていうのがメチャクチャやっかいです。僕は警察小説なんかを読んで、それなりにイメージはあるのだけど、公安警察というものに何のイメージもないままこの映画を見たら、ウソでしょって思って、ここに描かれている公安警察は架空の組織なんだと思うかもしれません。まあ、実際公安警察が何をしているのか、僕も知っているわけではないんですけど、僕が本なんかを読んで理解している範囲だと、この映画で描かれている程度のことであれば、やっていても全然おかしくはないですね。


違法捜査のオンパレード、というのが公安警察のイメージなんだけど、この映画でもまさにそうで、治外法権の連発。特にラスト付近では、挙げたらキリがないくらい法律を破りまくっています(まあ、劇場版のコナンでは、そういうハチャメチャなシーンは元から多いですけどね)。特に、安室透の運転については、いやいやいやいやって感じで、死人が出ないのが不思議なくらいです。ってかまあ、そのあとコナンがしたことも、バカかお前は、って感じですけど(笑)

この映画で描かれるテロの手法は、正直充分にあり得ることで、もちろん色んな対策が取られているんでしょうけど、現実にこの映画で描かれているようなハチャメチャな状況がやってくる可能性はあるでしょう。便利になるってことは、リスクも同じくらい高まるってことだよなぁ、と改めて感じました。

最初に「はくちょう」が登場した時点で、なんとなく最後にどんな展開になるのかわかりましたけど、にしても、よくもこれだけのストーリーを展開させたな、という感じがします。僕はコナンのコミックも読んでますけど、たぶん原作を読んでない人も充分楽しめるんじゃないかな(原作を読んでないと面白くないネタはそんなになかったと思う)。

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