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言葉が呼吸する夜 - 朗読イベント「ポエ泡」/詩人Payao

詩は紙の上でしか生きられないのだろうか。

こんにちは、詩人のPayaoです。先月「ポエ泡」という朗読会に参加させていただきました。六本木にある本屋「文喫」で開催されたこのイベントは、私を含む詩人4名、Payao、谷郁夫、つのだもか、姜アンリが登壇し、多くの参加者が集まりました。

「まるで言葉が呼吸する瞬間でした。」


「ポエ泡」当日に使用した詩のMENU

用意されていたのは、まるでカクテルのような詩のメニュー。各詩は伏せられていて、「風味」や「読み方」から参加者は朗読したい詩を全8種から直感で選ぶ。全員のまえで選んだ詩を朗読し、その感想や作者の意図について全員で語り合う。

オフラインでの朗読会が初めての私にとって、目で追う文字と声に出す言葉は、全く異なる体験でした。



当日の朗読の様子

朗読は「感じられる詩」なのだな、と思います。朗読することで、言葉が本来持っている感覚的なもの―味覚や嗅覚にも似た―を、頭ではなく体で感じられる。さらに、大勢の前で読み上げることで、周りの方の反応や声の響きによって、自分の感じ方も変化していく。まるで言葉が呼吸している、そんな特別な時間でした。

「詩には、もっと、可能性があるんだと思う」

「ポエ泡」を通じて、詩の新たな可能性を垣間見た気がします。普段、私たちは文字をどうしても頭で理解しようとしてしまいますが、「ポエ泡」では、そんなルールや制限をすべて取り払い、ただ自由に言葉を発してみる。感じてみる。

それは新しい自分との出会いであったり、一種の瞑想のようでもあったり、言葉がなかった時代、「意味」がまだなかった時代に戻ったような不思議な感覚。詩は紙の上だけでなく、空気の中でも、肌の上でも生きている。たくさんの言葉が、私たちの人生を創っている、そう改めて感じることができました。

11月に開催される次の「ポエ泡」。私はまた参加させていただく予定です。
そこでもまた、新しい言葉との出会いがきっと待っているはずです。

皆さんも、そんな「ポエ泡」に参加してみませんか?


詩人Payao


この記事のライター
Payao
Xを中心に詩人としての活動。憂いのある深 遠な表現と、日常の繊細な描写が多くの共感を引き寄せ、 フォ ロ ワ ー 数 は 2 万 人 を 超 える 。2023年「詩集:僕らは、抱き合いならすれ違う」をポエムピースより全国出版。Amazonで詩集カテゴリーでベストセラー獲得。ま た 「 言 葉 」を 軸 に 、シ ン ガ ー ソ ン グ ラ イ タ ー と し て も 活 動 。
X:https://twitter.com/junkysugar