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お寺に水素発電機 災害時に備え

※文化時報2021年8月9日号の掲載記事です。

 広島・宮島にある真言宗御室派大本山大聖院(吉田正裕座主、広島県廿日市市)は、災害時の長時間停電に備えてポータブル水素発電機を導入した。最低限の明かりとスマートフォンの充電場所を提供するのが目的。観光客や島民の安全を守る防災活動を通じて、地域貢献を進めたい考えだ。

 ポータブル水素発電機はフランス製。アルミニウムやシリコンなどが入った粉末パックと水を入れて水素を発生させ、電気に変える。1時間半でスマホを同時に6台分充電できる。火災の心配がなく、二酸化炭素を排出しないため環境にもやさしいという。

 弘法大師空海が修行していた当時から燃え続けているとされる「消えずの霊火」を護持する弥山(みせん)本堂と、本坊に1台ずつ設置。急な害で下山困難な場合でも対応できるようにした。

 仏プラグマ・インダストリー社の日本法人、株式会社プラグマ・インダストリー・ジャパン(酒井啓行CEO、東京都大田区)と災害協定を結び、緊急時には不足分の発電機を提供してもらうという。

宮島・防災訓練たて

導入したポータブル水素発電機

 宮島と仏モンサンミッシェルは、それぞれ海に浮かぶ世界遺産を有するという共通点があり、廿日市市とモンサンミッシェル市は観光友好都市関係にある。大聖院もフランスと交流を深めてきたことが導入のきっかけとなった。

 7月21日には弥山本堂でポータブル水素発電機を用いた防災訓練を実施。消防署員や「宮島弥山を守る会」の市民ボランティアらが参加し、誰でもすぐに使える便利さを実感した。

 宮島は2005(平成17)年の台風14号による土石流災害で大聖院や民家などが甚大な被害を受け、土砂災害特別警戒区域に指定されている所もある。消防団員でもある吉田大裕副住職は「ポータブル水素発電機は屋内でも使え、持ち運びもできる。万一に備え、地域の人々や観光客のお役に立ちたい」と話している。

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