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土蔵を体験型キッチンに

※文化時報2021年12月9日号の掲載記事です。

 真言宗御室派総本山仁和寺(瀬川大秀門跡、京都市右京区)は、境内にある江戸時代の土蔵を文化体験型のキッチンに改装した。1泊100万円という価格設定で反響を呼んだ宿坊・松林庵の宿泊者らを対象に、文化体験の幅を広げる狙いがある。

 キッチンは「食堂(じきどう)」で、内装のデザインは小野意匠計画が手掛けた。宸殿奥に朱色の漆和紙貼り引き戸を設け、その奥に端正な空間配置を意識したおもてなしの場を設けた。自然の素材のほか、長さ3.6メートル、幅1.26メートルのテーブルの天板には、蔵に保管されていたヒノキの古材を用いた。

 これにより、松林庵の宿泊者が、御殿でくつろぎながら温かい食事をとることができるようになった。特注の立礼卓(りゅうれいたく)のある部屋では、職人の和菓子作りを見学しながら好みのお茶を楽しめる。希望があれば和菓子作り体験も行うなど、食を通じた文化体験を企画する方針だ。

 仁和寺は、2018(平成30)年から日本財団主催の「いろはにほんプロジェクト」に参加している。同プロジェクトは、非公開寺院などの歴史的建造物に滞在しながら、他では経験できない文化プログラムを提供。日本文化の価値を再発見・再認識してもらうのが目的で、利用料の一部は文化財の修復などに充てられる。

 瀬川門跡は「素晴らしい空間になった。宿泊者の方々はゆっくり食事をとりながら、仁和寺悠久の歴史や文化を感じていただけるのではないか」と話している。

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