見出し画像

檀家第一で活性化 秘訣は「執着せず付き合う」

大徳寺派禅華院・隅田住職

※文化時報2023年8月11日号の掲載記事です。

 修学院離宮(京都市左京区)のすぐそばにある臨済宗大徳寺派の古刹(こさつ)、禅華院(ぜんげいん)。二条城二の丸庭園などを手掛けた小堀遠州(1579~1647)作といわれる庭を見学しようとファンが訪れるほか、法要や写仏会などのイベントでにぎわう。以前は25年間誰も住んでいない空き寺だったが、約10年前に隅田惠信さん(38)が住職となり、檀家との良好な関係を築き上げた。その秘訣(ひけつ)は「執着のなさ」だという。(松井里歩)

就任まで2年下積み

 隅田さんは大学卒業後、大徳寺僧堂で5年間修行。住職を志望しつつもなかなかお寺が見つからなかったところ、2012(平成24)年6月、禅華院の管理をしていた和尚が亡くなったことで、就任を打診された。総代と面接を重ね、最初は留守番として寺について学び、2年後にようやく住職になれたという。

小堀遠州の作といわれる庭が見える本堂。写仏を行うことも

 寺院運営をする上で、最初は全て僧堂で教わった通りにしようと考えていた。それだと、檀家にとっては「今まではこうだったのに」という不満の種になる。このため従来のやり方を踏襲していたが、「檀家がいい気持ちになる方になら変えられる」と思い、総代らの反対を押し切って改革したこともあった。

ここから先は

1,459字 / 1画像

¥ 300

サポートをいただければ、より充実した新聞記事をお届けできます。よろしくお願いいたします<m(__)m>