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祈りの形を新しく 京仏具小堀が「ホゥリーズ」立ち上げ

※文化時報2020年9月26日号の掲載記事です。

 京仏具の株式会社小堀(京都市下京区)が関連会社の株式会社ホゥリーズを立ち上げ、仏壇の枠組みを越えて自由に祈ることのできる新たな厨子の制作・販売を始めた。宗教に関心を持ちながらも従来の仏壇や仏具にとらわれない人々を取り込むのが狙い。小堀の本店2階に展示場を設け、約30 点を常時、陳列している。

自然美と職人技の融合

 社名とブランド名に使われているホゥリーズは、英語のholy(神聖な)が語源。自由な祈りを実現できるよう、自然といにしえをよりどころにしている。

 コナラの空洞を霊場に見立て、内側からLED照明を当てる「瞑想」や、枝付きのホオの木を彫り込んで内壁に漆塗りを施した厨子など、自然美を生かした職人技の光る作品がそろう。

小堀2瞑想

コナラの空洞を霊場に見立てた作品「瞑想」

小堀3ホオ

ホオの木を彫りこんだ厨子

 東大寺正倉院の校倉(あぜくら)造りや法隆寺金堂の天蓋を模したものなど、奈良時代以前の古来の様式にのっとった厨子もある。

 収納するのは仏像や位牌だけでなく、十字架など他宗教のものや、自分が大切にしている人形や形見などを想定。仏壇のように子や孫に信仰を伝えていくのではなく、個人的に手を合わせられる場を作ることを目的としている。

 展示場は7月にオープン。女性を中心に反響を呼んでおり、仏間がなくても寝室やリビングに安置できると好評だという。

 株式会社ホゥリーズの梅本卓爾社長は「金箔や漆の職人たちも意欲的に挑戦している。神聖なものに手を合わせるという祈りの原点に戻り、ホゥリーズといえばこういうアイテムだと思ってもらえるようにしたい」と抱負を語った。

 株式会社小堀の小堀賢一会長は「これまでの仏壇仏具とは対極にあるからこそ、互いに尊重し合える。信仰そのものや儀式、教義も大事だし、つらいときや悩んだときに手を合わせられる場も必要だ」と話している。

小堀4梅本卓爾社長

株式会社ホゥリーズの梅本卓爾社長
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