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道鏡像の開眼法要 大阪・八尾市民ら奉納

※文化時報2020年11月21日号の掲載記事です。

 真言律宗総本山西大寺(松村隆誉管長、奈良市)に道鏡像が奉納され、8日、松村管長の導師で開眼法要を営んだ。道鏡の出身地に当たる大阪府八尾市の市民グループが勧募して建立。籔内佐斗司東京藝術大学大学院教授が制作に当たった。

 道鏡は約1300年前、河内国若江郡で生まれた。弓削氏の出自とされ、岡寺義淵僧正に師事。葛城山で厳しい修行を積んだ。聖武天皇の娘、孝謙上皇の病気平癒に尽力して重用されて765年に太政大臣禅師となり、翌年には法王に上り詰めた。

 西大寺は、称徳天皇として再び天皇に即位した孝謙上皇が建立。今年は称徳天皇1250年御遠忌の年に当たり、10月4日に御遠忌法要を営んだ。

 松村管長は開眼法要の表白文で、道鏡に関して「仏法の理念による施政を展開し、西大寺創建にも協力浅からざるものがあったのではないか」と業績を顕彰。「政治への関与については、後世種々の評価があるが、奈良仏教界の巨匠として、まさしく日本仏教の礎を築いた大恩人の一人である」とたたえた。

 建立に尽力した八尾市の「道鏡を知る会」の幾島一恵会長が目録を奉呈。大松桂右八尾市長の祝辞の後、松村管長が感謝状を渡し、謝辞を述べた。

 同会は「道鏡は伝承の中で悪者のようにいわれることがあるが、これを契機に、功績を知ってもらえれば」としている。

 籔内教授は、「元となる絵も像もないところからの制作だった。どのようなお姿にするかが難しかった」と振り返った。

西大寺 弓削道鏡法要

松村管長の導師で営まれた開眼法要
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