【能登半島地震】国宝まつりで募金を 27~29日、高幡不動
※文化時報2024年4月5日号の掲載記事です。
真言宗智山派別格本山高幡不動尊金剛寺(杉田純一貫主、東京都日野市)は27~29日、恒例の「春季大祭国宝まつり」を開催する。とりわけ28日は稚児練供養や奉納演芸が行われるほか、普段は非公開の五重塔内部を拝観できるとあって、境内は終日にぎわう見通し。能登半島地震の募金を受け付け、復興と防災に思いを寄せるよう呼び掛ける。
高幡不動は国内外で災害が起こるたびに対応し、境内に募金箱を設置したり、僧侶が募金を呼び掛けたりしている。黒川高徳執事によると、先々代の秋山祐雅貫主による「浄財を浄所に」との遺訓を継承してきたという。
参拝者らの浄財は、過去28年間で行った計124回の募金で総額1億円以上が寄せられており、国連児童基金(ユニセフ)や日本赤十字社などの機関を通じて被災地に届けてきた。東日本大震災の被災地支援は18回(3200万円)に上っており、能登半島地震は1回目として300万円をすでに届けたという。
杉田貫主は3月1日発行の山報『高幡不動尊』の巻頭で、能登半島地震の犠牲者の冥福を祈るとともに「一日も早く、穏やかな日常が取り戻せるよう願わずにいられない」と記し、不動堂前の募金箱への寄付に対して謝辞を述べた。
また杉田貫主は、1995(平成7)年の阪神・淡路大震災や2016年の熊本地震を振り返り「〝天災は必ずやってくる〟と、心にとどめておくべきだ」とつづり、有事の冷静な判断や素早い行動の必要性に言及した。
春季大祭のその他の日程は、27日が大写経会と記念法話「般若心経―読み書く楽しみ」など、29日が千体地蔵尊総回向法要と記念講演「江戸時代の高幡山金剛寺と門前百姓」など。29日は地元愛好会による奉納神輿(みこし)練りやがらくた市も開かれる。
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