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コロナを越えて②都市と田舎 寺社がハブに

本願寺派僧侶・フェアトレードプロモーション代表取締役 木村共宏氏

※文化時報2020年5月23日号の掲載記事です。

 浄土真宗本願寺派の僧侶で株式会社フェアトレードプロモーション代表取締役の木村共宏氏は、新型コロナウイルスと共に生きる「ウィズ・パンデミック」を提唱する。これまでも繰り返されてきた疫病の歴史を捉えながら、都市に偏る現代社会の脆弱性を指摘。福井県鯖江市などの地域おこしを手掛けた実績から、田舎を持つ暮らしを勧め、「僧侶である前に、人としてどう行動するか」と、寺院や僧侶のあり方を問い直す。(編集委員 泉英明)

 木村共宏(きむら・ともひろ) 1972年4月、神奈川県相模原市生まれ。岡山県立芳泉高校から東京大学理科Ⅰ類へ進学。三井物産時代に福井県鯖江市の地域おこしに携わり、退職後の2015年に株式会社フェアトレードプロモーションを設立。複数の企業顧問や役員を務めると同時に宗派の企画諮問会議委員などの要職にも就く。「未来の住職塾NEXT」で講師を務める傍ら、福井県の吉崎別院の再生にも携わる。趣味は素潜りとピアノ演奏。

人類は忘れていただけだった

 《多くの有識者がコロナ禍終息後の展望を語る中、木村氏は「ウィズ・パンデミック」という考えに軸足を置く。感染症の世界的な大流行を指すパンデミックと共に、という意味だ。ビジネスマン出身の僧侶として、危機の中での人々のありようを問い続けてきた》

──コロナ後ではなく、ウイルスと共に生きることを訴えています。

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