声明文、外務副大臣へ 核禁条約発効で意見交換
※文化時報2021年2月1日号の掲載記事です。
世界宗教者平和会議(WCRP)日本委員会は1月26日、核兵器禁止条約発効を受けて発表した声明文を鷲尾英一郎外務副大臣に手渡した。藤末健三参議院議員が同席し、理事らが趣旨を説明。国会議員や宗教者のネットワークを活用し、今後も核兵器廃絶に向けて政府と連携したいとの意向を伝えた。
鷲尾副大臣は「核兵器のない世界を目指した取り組みを進めていく上で、宗教者の皆さまの役割は重要であり、声明文の内容については、しっかりと受け止めさせていただく」と回答。意見交換に応じた。
WCRP日本委はこの後、参議院議員会館で記者会見。神谷昌道・アジア宗教者平和会議(ACRP)シニアアドバイザーが声明について説明し、核廃絶に向けた宗教者の行動は1970年のWCRP創設以来続いており、第1回世界大会(京都)で表明した平和への責任に背いたことへの深い反省に立脚していると指摘した。
日本が条約に加わっていないことについて、徳増公明理事(日本ムスリム協会会長)は「署名も批准もしていないのは残念。私たちは命を全うするまで、神から与えられた命を守る義務がある」と述べた。
矢萩新一・日本聖公会管区事務所総主事は「核抑止力に代わって、一人一人の良心と信仰が抑止力になるのではないか」。石川清章・妙法慈石会登陵山清川寺法嗣は「信徒や宗教者が一丸となって活動すれば、健全なる最高善や道徳の源泉になり得ると強く感じた」と、条約発効を喜んだ。
WCRP日本委の声明文は1月22日の条約発効に合わせて発表。日本政府に対し、条約締約国となることや、核保有国との橋渡し役になること、核兵器に依存しない平和と安全を構築する政策について検討を始めることなどを求めている。
鷲尾外務副大臣に声明を手渡す宗教者ら(WCRP/RfP日本委員会提供)
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