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宇宙寺院で特許取得

※文化時報2022年2月8日号の掲載記事です。

 宇宙寺院「劫蘊寺(ごううんじ)」の建立を目指す真言宗醍醐派総本山醍醐寺(仲田順和座主、京都市伏見区)は1月30日、霊宝館で今年初の宇宙法要を営んだ。共同開発に当たるテラスペース株式会社(北川貞大社長、同市左京区)は、宇宙寺院の基本システムに関する特許を取得。来年4月に試作機を打ち上げる方向で準備を進めている。

 特許は、発明者を総本山醍醐寺の仲田順英執行と北川社長とし、昨年12月8日付で登録された。人工衛星を利用して、複数のユーザーにサービスを提供するコンピューターシステムに関する発明だとしている。

 具体的には、祈願や供養のデータを光に変換し、星や星座に向けて照射することを想定している。人工衛星がなくなっても、光になったデータは消えることなく宇宙空間を飛び続けるため、地球からいつまでも祈ることができる。

 人工衛星はテラスペース社が組み立て作業を進めており、来年4月に技術実証衛星として打ち上げた後、大日如来などを安置した同じ形式の機体を、宇宙寺院として同年末までに飛ばす計画だ。

 醍醐寺は昨年2月から毎月、宇宙法要を営んでおり、祈願などのデータはこれまでに約350件が寄せられている。今年3月をめどに供養の受け付けも始めるほか、春ごろには宇宙寺院の位置情報が分かるスマートフォンアプリをリリースする。醍醐派や他宗派の寺院にも参加を呼び掛けていく。

 1月30日の宇宙法要は、壁瀬宥雅執行長の導師で営まれ、僧侶10人が出仕。参列者15人と共に、世界の安寧と新型コロナウイルスの終息を祈願し、国境なき祈りをささげた。

 北川社長は「Wi-Fiなどの目に見えないものを、今の人々は受け入れている。そこに魂が宿ると考えてもらえれば」。仲田執行は「データは現代の『空(くう)』と位置付けることができる。信仰離れが指摘される若い方々に、供養や祈願について知ってもらう機会にしたい」と話している。

220208模型と北川社長

人工衛星の実物大模型について説明する北川社長
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