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聖徳太子像を全方向拝観 1400回忌で本山佛光寺

※文化時報2021年4月8日号の掲載記事です。

 真宗佛光寺派は1、2日に本山佛光寺(京都市下京区)で春法要を営み、2日の日中に渋谷真覚門主の導師で聖徳太子1400回忌法要を大師堂で勤めた。両日とも寝殿ホールで聖徳太子にまつわる記念展示を行い、中興・了源上人ゆかりの聖徳太子立像(重要文化財)や、先頃発見された法隆寺由来の1300年前の裂(きれ)などを公開。親鸞聖人が「和国の教主」と表した聖徳太子の遺徳をしのんだ。

 記念展示は寝殿ホール中央に祭壇を設け、阿弥陀堂から聖徳太子立像を動座。360度の拝観を実現し、約550人が訪れた。

 聖徳太子立像は第7代の中興・了源上人の時代に作られた高さ約97㌢の木像で、胎内から第4代了海上人の遺骨が見つかっている。

 法隆寺由来の裂は、飛鳥時代の蜀江錦(しょっこうきん)の一部とみられ、昨年11月に発見された。お守りのように用いられ、法隆寺への寄進に対して納められたとみられる。

 法要後の記念講演は、蒲池勢至同朋大学特任教授が「親鸞聖人の聖徳太子信仰」の講題で行った。

 親鸞聖人が29歳の時に六角堂で聖徳太子の夢告を受けたことなど、三つの転機があったことを話し、関東から京都に戻った後、聖徳太子の和讃を数多く記した点を指摘。「親鸞聖人は和讃の中で聖徳太子を『和国の教主』と表した。三国伝来の念仏が今届いたという、信仰が信心へと結実した表現ではないか」と語った。

 真覚門主は聖徳太子画像を掛けて臨んだ法要の表白で「ともに太子を憶念し、ともに聴聞して、法味愛楽(ほうみあいぎょう)に励まん」との姿勢を表明。法要後の御親言では、「聖徳太子を大切な先人とたたえながら、私たちもまた仏様の教えをよりどころとして、毎日を生きることが大切」と述べた。

佛光寺聖徳太子1

御親言を伝える渋谷真覚門主

慶讃法会へ本格化

 佛光寺派は2023年に営む慶讃法会(宗祖親鸞聖人御誕生850年、立教開宗800年、第33代真覚門主伝灯奉告、聖徳太子1400回忌)に向け、伝灯奉告法要以外の法要を毎年の春法要で順番に勤める。今年の聖徳太子法要は、その振り出しに当たる。

 真覚門主は御親言で、慶讃法会のテーマ「大悲に生きる人とあう 願いに生きる人となる」に触れ、「来年、再来年と続く慶讃法会を通し、かけがえのないご縁を頂戴しよう」と呼び掛けた。

 記念展示を行った寝殿ホールは慶讃法会の関連事業として昨年落成。展示の準備や運営は、慶讃法会執行本部の本部委員らが行った。

 春法要の初日には、宗祖親鸞聖人御誕生法要を営んだ。今月24、25日には、新型コロナウイルスの影響で遅れていた真覚門主の全国御巡教が福井教区から始まる。慶讃法会に向けた本格的な道のりが始まった。

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