【能登半島地震】子どもの元気が力 大学生、被災地へ続々
※文化時報2024年6月25日号の掲載記事です。
間もなく発生から半年となる能登半島地震で、学生らが続々と被災地に入り、ボランティア活動を活発に行っている。大阪大学大学院の学生は石川県七尾市の日蓮宗妙圀寺(鈴木和憲住職)、佛教大学の学生は同県珠洲市内の支援拠点で、それぞれ子どもたちと交流するイベントを開いた。地元からは「子どもたちが元気だと、地域に活力が戻る」と歓迎する声が上がる。(大橋学修)
境内を遊び場に
宗教施設の防災に詳しい大阪大学大学院の稲場圭信教授(宗教社会学・共生学)とゼミ生6人は8日、妙圀寺で「遊ぼう会」を開き、地域の子どもたち22人と交流した。
3月に続き2回目の開催。屋内では、段ボールでつくった〝積み木〟を崩れないよう順番に引き抜く「段ボールジェンガ」などで遊び、屋外ではドッジボールを行うなどして走り回った。
6月3日に最大震度5強の地震が起き、怖がって学校を休んだ子どももいたことから、鈴木住職は「思い切り遊んでくれてよかった」と安堵(あんど)の表情を見せた。
夏休み期間中も、稲場ゼミの協力でイベントを計画。今後も地域がつながる場づくりを続けようと、本堂の修繕費やイベント経費を集める募金も始めた。鈴木住職は「地域全体に希望と活力がもたらされるようにしたい」と話している。
珠洲市で「パン祭り」
佛教大学の学生有志9人は8日、支援拠点となっている銭湯「海浜あみだ湯」(石川県珠洲市)でパンを無料で配る「パン祭り」を行った。県内から仕入れたキャラクターパンなど13種400個を教職員5人と共に配布。30分ほどで在庫が底をつく人気ぶりだった。
子どもたちを対象にした工作教室も開催。海辺に漂着したプラスチックなどの海洋ごみを材料に、キーホルダーを作って楽しんだ。
佛教大学はこれまで、学生による街頭募金やチャリティー講座の開催を通じ、義援金を被災地に送ってきた。学生ボランティアが被災地入りしたのは今回が初めてだったという。
珠洲市出身で佛教大学総合研究所・法然仏教学研究センターの米林寿美さんは「ずっと寄り添っていくという思いを地元の方々に伝えられるよう、何ができるのか考えを巡らせたい」と話した。
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