【能登半島地震】想像と現実の落差知る 龍谷大学でボランティア報告会
※文化時報2024年5月14日号の掲載記事です。
龍谷大学ボランティア・NPO活動センター(石原凌河センター長)は4月24日、「能登半島地震災害支援ボランティア報告会」を開いた。学生15人が被災地で行った現地活動を通して得た学びを共有し、興味関心を喚起するのが目的。深草学舎(京都市伏見区)と瀬田学舎(大津市)をオンラインでつなぎ、学生や教職員ら計約50人が聴講した。
報告会ではまず、学生らが4月19~21日に石川県で行った活動内容を写真とともに紹介。七尾市の能登島で被災家屋の清掃や震災ごみの撤去、輪島市で朝市通りの視察などを行ったことを説明した。
続いて、活動に参加した学生らが一人ずつ、現地で感じた思いを述べた。多くは共通して、支援の遅れや現地に向かうボランティアの少なさを伝え、積極的な情報収集や周知も重要だと語った。
このうち酒井爽汰さんは、被災地に足を踏み入れた際、豊かな自然と静寂の中に響くウグイスの音が美しいと感じたが、後に自分の意識の低さに気付き、恥じ入ったという。「本来なら聞こえるはずの重機の音やボランティアの声がしなかった。支援が行き届いていないという現実があった」と述べた。
報告後、入澤祟学長は自らも数回被災地を訪問したとして「救いの手が入らず、放置された能登の現状を見て、怒りを覚えている」と語った。
その上で「想像と現実の落差を目の当たりにした学生たちの学び、生の声は、われわれの財産となった。支援はこれから。龍谷大学は一過性のボランティアでは終わらせない」と力を込めた。
石原センター長は「現場に足を運ぶたび、支援の遅れに無念さを感じたが、きょうは希望を得た。学生らの思いと行動が、能登の復興につながると信じている」と語った。
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