見出し画像

コロナを越えて⑩景気下降 受け身から脱却を

浄土真宗本願寺派・築地本願寺宗務長 安永雄玄氏

※文化時報2020年12月19日号の記事を再構成しました。

 浄土真宗本願寺派築地本願寺で合同墓や会員システムなど新たな取り組みを仕掛ける安永雄玄氏は、銀行や外資系企業での経験から、新型コロナウイルスの感染拡大を「景気下降局面のとば口」と予想する。今後は経済環境が世界的に厳しさを増すとして、寺院は現状分析と確実な将来設計が必要だと提唱。これまでの寺院運営にあった受け身からの脱却を呼び掛け、自身も佃島分院での高齢者介護施設の運営などを構想する。

 安永雄玄(やすなが・ゆうげん) 1954年生まれ。慶應義塾大学卒。ケンブリッジ大学大学院博士課程修了(経営学専攻)。79年から2000年まで三和銀行(現・三菱UFJ銀行)勤務。JR東日本への出向やITを活用した消費者金融会社の設立に携わった後に退職し、外資系企業などを経て04年に島本パートナーズ入社。06年に同社社長就任。15年7月に現職。近著に『築地本願寺の経営学 ビジネスマン僧侶にまなぶ常識を超えるマーケティング』(安永雄彦名義、東洋経済新報社)。

倒産や失業者が増える

 《新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、7~9月期の国内総生産(GDP)は前期比5.3%増、年率換算で22.9%増となり、日経平均株価はバブル期以来の高水準に達した。一方で飲食業などを中心に厳しい現況が続き、足元の景況感との乖離が目立つ》

――今後の景況感をどう見ますか。

ここから先は

2,350字 / 2画像

¥ 300

サポートをいただければ、より充実した新聞記事をお届けできます。よろしくお願いいたします<m(__)m>