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高まる「あの世観」

「死後は異界」48%に倍増

※文化時報2021年9月30日号の掲載記事を再構成しました。

 自分は死後に極楽浄土などの何らかの異界に行くと考える人が5年前から倍増し、約48%を占めていることが、一般社団法人お寺の未来総合研究所(井出悦郎代表理事)の調査で分かった。仏事を不要と考える風潮が強まり、寺院と一般生活者の関係性が希薄化する一方、新型コロナウイルスの影響で「あの世観」が高まっているとみられる。

 調査は2016年に次いで2回目。21年6月、20~79歳の男女1万人を対象に、インターネットで聞き取りを行った。檀家意識の有無や寺社への参詣頻度などを尋ねた上で、年間の参拝回数が1回を超える2千人を選び出し、宗教者との接触頻度やオンライン化への見解などについて質問を重ねた。

 その結果、自分の死後の「行き先」に関し、極楽浄土や天国、あの世などの「異界へ行く」と答えた割合は、前回調査時の約2倍に当たる48%に上った。

 一方で、悩みを聞いてほしい相手はどんな専門職かを尋ねたところ、「聞いてほしいとは思わない」との回答が約7割を占めた。他者に話す場合も、科学的根拠に基づく安心感を理由に心理カウンセラーを選んだ割合が12%と最も多く、僧侶は9%、神職は4%にとどまった。

 井出代表理事は、こう分析している。

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