【能登半島地震】進まぬ片付け、支援呼び掛け 発生半年で本願寺派会見
※文化時報2024年7月2日号の掲載記事です。
浄土真宗本願寺派は6月21日、能登半島地震の発生半年に合わせて宗派の被災状況や活動状況を発表した。同14日現在で延べ1268人が現地でボランティア活動に当たったことを明らかにした上で、家屋の片付けに依然として人手が必要だと訴えた。
本願寺派は、石川教区98カ寺のうち94カ寺が何らかの被害を受け、うち本堂全壊3カ寺、半壊2カ寺だった。判明しているだけで門徒4人が死亡し、1人が重傷となった。
宗派は1月8日、本願寺金沢別院(金沢市)に能登半島地震支援センターを開設し、寺院への物資搬送や炊き出しの後方支援を行ってきた。現在は家屋の片付けを行うボランティアのマッチングが主な活動となっている。
センター長の川井周裕氏は、公費解体が決まった家屋に行政がボランティアを派遣していない実態があると強調。5月の大型連休以降、ボランティアが減少傾向にあることにも危機感を示し、「夏休みなどを使って被災地に来てほしい」と呼び掛けた。また、これまでは緊急支援に軸足を置いていたが、今後は孤立防止や心のケアに取り組む方針。川井氏は「ビハーラ活動=用語解説=に携わる僧侶や真宗大谷派とも連携し、各地を訪問できるようにしたい」と語った。
【用語解説】ビハーラ活動(浄土真宗本願寺派など)
医療・福祉と協働し、人々の苦悩を和らげる仏教徒の活動。生老病死の苦しみや悲しみに寄り添い、全人的なケアを目指す。仏教ホスピスに代わる用語として提唱されたビハーラを基に、1987(昭和62)年に始まった。ビハーラはサンスクリット語で「僧院」「身心の安らぎ」「休息の場所」などの意味。
サポートをいただければ、より充実した新聞記事をお届けできます。よろしくお願いいたします<m(__)m>