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「宗教なき信仰」語る

※文化時報2021年11月11日号の掲載記事です。

 公益財団法人仏教伝道協会(桂紹隆理事長)は6日、東京都港区の仏教伝道センタービルで、第26回BDKシンポジウム「宗教の未来を話そう~ポストコロナの宗教のゆくえ」をオンライン併用で開いた。NPO法人抱樸(ほうぼく)理事長で東八幡キリスト教会牧師の奥田知志氏、社会慈業委員会「ひとさじの会」事務局長で浄土宗光照院住職の吉水岳彦氏、作家の田口ランディ氏が、新型コロナウイルス感染拡大を受けた社会情勢を踏まえ、宗教と信仰の在り方について語り合った。

 奥田氏は「新型コロナは宗教や信仰の本質を問い、人間が独りでは生きていけないと教えてくれた」と指摘。神仏を頼らざるを得ないと悟った宗教者にとって、「助けて」と言っていいと人々に伝えることが、今日の伝道であると語った。

 その上で、「キリスト教会は全てのいのちを対象としてきたのか」と、自戒を込めた問いを投げ掛け、信者だけを相手にすることや、信者だけが救われるとの理屈を批判した。

 吉水氏は「コロナ下の社会で取り沙汰された多くの問題は、コロナ前から存在していた」と強調。

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