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医療通訳者って就職できるの?

2023年、あけましておめでとうございます。
今回は、2022年を振り返りつつ、台湾から帰国した後の就職活動や医療通訳の現状、今後について整理してみます。

筆者のプロフィールと、これまでの経緯はこちらです。

3月帰国~就職活動

帰国後、故郷の北海道に戻り、早速、就職活動を開始しました。
2022年の観光地・札幌は、中華圏からの観光客が激減し、少なくともハローワークやオンライン求人などでは中国語の通訳、翻訳を専門とするお仕事は「無」でした。
  
「日本語母語話者は海外で就職したほうが人材価値が高い。」という言葉をしみじみと思い知らされます。医療に限らず、ビジネスに関する中日翻譯、通訳の求人は見つからず、翻訳会社にも登録してみましたが、返信すらありませんでした。
  
そこで、中国人向け健診サービスで有名な市内の病院に、看護協会を経由してお尋ねしたところ…「医療通訳業務については、当院で10年以上の看護師経験を積み重ねてから、ご相談しましょう。」というご回答でした。
  
看護師として働くしかないのか…。ということで、看護師の求人に応募してみますが、40歳を過ぎたペーパーナースなど、働けるところがあるわけもなく、履歴書は律儀に返送され、手元へ戻ってきました。
 
まさに、八方ふさがりです。

試される大地、北海道。

実習決定~現在

そこで、2020年に実習させていただいた大学病院の国際医療部へご相談しました。こちらでもコロナ後は中国語話者の受診が激減し、医療インバウンドが完全に停止状態。通訳者を雇い入れる予算は無いけれど、無給でも良いなら実習の受入れは可能です。というお返事を頂きました。
 
後に、2022年7月から大学側の事務員として期限付きでアルバイト雇用していただけることになり、2023年1月現在、私は中日医療通訳として病院内で実習中です。2023年4月には「医療通訳士」として学会の認定をいただける予定です。

医療通訳の認定試験とは?

2023年1月現在、医療通訳に関する認定試験は、以下の3種類があります。
1)医療通訳協会の「医療通訳技能検定試験
2)医療教育財団の「医療通訳専門技能者」認定試験
3)国際臨床医学会の「医療通訳士®」認定試験
 
1)協会、2)財団、3)学会の3者が、厚生労働省の『医療通訳育成カリキュラム基準』に基づいて、医療通訳の質の向上を目指して認定試験を実施しています。それぞれ、国家資格ではありません。

私が申請したのは3番目の「医療通訳士®」の「実務者認定」です。
将来、医療通訳を目指したい!と思っている方は、なんだかモヤっとしませんか?3つの資格試験?それぞれ何が違うの?取得したらどうなるの?

日本の医療通訳は制度整備が始まったばかりです。試験合格のためのスクールや教材などの宣伝により「医療通訳」の知名度は上がりつつあると思いますが、実際の状況としてはまだ黎明期にあり、当事者の方々も暗中模索状態です。未開拓の分野で新しいことに挑戦したい方は、参戦してください!

北海道の陽光は青色。

今後について…

2023年5月末に実習終了を予定しています。 
さて、今後、私は医療通訳のお仕事が探せるでしょうか?

選択肢はいくつかあります。
1)台湾で就職する
2)東京、大阪、その他の都市で就職する
3)医療通訳でない職種に就職する

2022年12月末現在、北海道内では医療通訳者としても、中日翻訳・通訳者としても就職先は見つかりません。また、現在、大学病院の国際医療部で実習中ですが、他大学の国際医療部の求人もありません。
 
首都圏で医療インバウンドの支援企業に就職する。というのは一つの方法だと思います。もしくは、フリーランスの医療通訳者として仕事を請け負っていくことも可能でしょうか?
  
2022年末、中国がゼロコロナからウィズコロナへ政策転換しました。今後はインバウンドが再興して、順調にお仕事が見つかるかもしれません。
 
果たして、どうなりますかしら。また追って、ご報告してまいります。
今日はこの辺で、拜拜~。

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