紙コミックスが本当に欲しいんだ。
当方、引っ越し人間なので荷物は減らしたい。それでも紙媒体で手元に置きたい漫画もあり。
しばらく前に、少年ジャンプ+アプリにてインディーズ連載されていた月曜枠「ミス・リトルグレイ」が終了し、月曜の楽しみが赤猫だけになってしまった‥‥(腹腹先生も好きですが)と嘆いておりました。
そして今週、金曜枠の「やり直し姫は夫と恋したい」がとうとう完結してしまいました。
終盤の怒涛の展開に、感情が追いついていませんでしたが、無事完結を迎えてよかったと思いつつ。
金曜、また読むものが無くなってしまった‥‥曜日を判断するのに、朝からジャンプラ読んでいるんですが。
悲しい。
そんな感じで、作者さまのTwitterをチラ見(アプリインストールしてないからちゃんと見れない)したんですが、作品の振り返りラジオをなされておりました。
一週間ほど録音も聴けるそうなので、作品が好きな方はぜひ!
未読の方は全31話が無料なので、アプリインストールして読んでみてください。面白いですよ。
自分がpixivもやってなくて、Twitterのリンクから飛んだら作者さまの日記が読めました。
そこで、最終話の8年が、姫が一番最初にやり直すまで、一人でアゼル様を想い続けた時間と同じだったことを知り。
うぉぉーーーーーえぇぇぇ!!!!
(ぼくらの。のOPではありません)
と、衝撃を受けました。また、朝からラジオ流しながら、一緒に作品の振り返りしてみたら。
「タシオン様、第一話から登場していらっしゃる!!」
と、また衝撃。回想ではあるけど。
iPhoneのちっちゃい画面だと、どうもざっくり読んでしまうのです‥‥。しばらく前に読み返した時もまったく気付かず。
改めて一話から振り返ってたら、世界観の面白さと魅力はもちろん、改めて登場人物の魅力がすごいなぁと思いました。
その中でも、生い立ちが元凶でメンヘラ化してしまったアゼル様の死にたがり病が、純粋で真っ直ぐな姫の存在をきっかけにどんどん変化していく様は。
本当に素敵だと思いました。
母を想えば自害も許されず、ただ母に恥じぬ『名誉ある死』だけを望み続けた青年。
自身の出自を否定された人間って、一生涯を生き方がわからないまま彷徨う亡霊みたいになるんだろうなって。
根底にあれだけトラウマがあって、どんな周囲の言葉も心に届くことが無かった人が、ただ一人の一身な愛情を受けて心が解けていく様子は感慨深かったです。
客観的に見ると、共依存とか執着とか色々受け取りようもあるとは思いますが。
そもそも恋って、病気ですから。
ちょっと前のアゼル様なら、目を覚さない姫相手に8年も待てなかったような気が。
作者さまのラジオで「両腕アゼルまでやり直ししていたら?」の時間軸に対するお話があって、その場合はアゼルのスフィアへの恋心が育ちきらず、鳥(神)にスフィアを奪われても呆然として終わってた。
とのことだったので、姫の恋心が最適解を産み出したんだなぁと。諦めないって大事です。
一人ひとりの登場人物に作者さまの想い入れが反映するように、皆んながあの世界を生きているのだな、と思える物語でした。
トレティア様とかすごくかっこいいのに、物語の進行の都合で後半はほぼ活躍の舞台がなく‥‥。彼女視点で物語を綴っても面白そう。
皇帝の哀れなところは、運命の裏側を知らなければ、悲劇を悲劇としていつかは前を向いて生きられたかもしれないのに。
シァルがその真実を記して残したことで「七つ首討伐を成功させるための駒の一つ」として自分と愛する人、その人との子どもの存在そのものが犠牲になったと知らされたこと。
そして、この残酷な世界が、存在することがなかった愛子の意志と望みであること。
さらに、二度とその犠牲となった可能性は取り戻せないということ。
幾億以上のやり直しを経て、壊れたシァルは勿論ですが、その残酷な闇の部分に一番巻き込まれたのは皇帝だったのでしょうね。
初登場時は、いきなり姫を撃つわ、狂人の如し振る舞いで読者のヘイトを集めたと思われる皇帝スクラですが。
冷静に考えたら、知らなくていいこと知らされて、シァルの狂気に怒りと憤りを感じながらも、それがその腕に抱く機会を奪われた愛子の願いと押し付けられて、存在し得ない相手に確認もできず。
シァル亡き今、どうしようもない、どうでもいい世界で感情をぶつける相手がスフィアしかいなかったんだよな、と。
まぁ、スフィアが自身の娘でもあることが、余計に絶望感を増しそう。すべてはシァルの手のひらの上。けれど黒幕は存在もしない、愛する人との娘。
シァルに造られたこんな世界など滅んでしまえ、とも考えたでしょうけど、それがこの世界に存在しない娘の望みという、情を人質にとられたようなものかと考えると。
スクラも生きてるのが地獄状態だったなと思えてきます。
なんでか急に、スクラさんに想いを馳せてみましたが。
やり直し姫の最大の魅力は。私的には、
『タシオン様、超カッケェ』でした。
何度でも言おう。
「じいさまがかっこいい物語は間違いない!!」
まぁ、連載中度々出てきてはいたのですが、ただかっこいいだけでなく、お茶目で天然なとこのギャップが、闘いの時のかっこよさを引き立てていたのでは?とも。
最終話のアゼル様の「この祖父の突飛なところが苦手だった」という心情で「あぁ、“突飛”!」と、最後にすごーく納得。
身分隠して姫に武器渡してたり、トレティア様の従者のふりしてやってきてたり、サウナ入ってきたり、駆け落ち同行したり、真実を知っても前だけを向き。
その行動の原動全てに、孫のアゼルへの想いが込められているのだなぁと考えると。すんっ、ておすまししているのに一番愛情深い人なんじゃないかと思いました。
タシオン様に仕えたい。近くにいたらお茶目行動に困惑しそうだけれど。
ジャンプラと言えば、ここ最近不死鳥の如く連載終了から2年後に、アニメ化のお知らせとともに凱旋帰還された「ロマンティック☆キラー」があるわけなのですよ。
縦読みが本当に苦手で当時読まずにいて、最終回近くにたまたま推薦コメント読んで、読んでみたら「めちゃくちゃ面白いじゃないか!」となったものの、後の祭り。
紙コミックス欲しかったけど、1巻だけ刊行されてて2〜4巻は電子のみだったので諦めていました。
しかし、今回のアニメ化で10/4に2〜4巻も紙で刊行とのこと!!ってことで1巻購入&予約しました。
この、大人の都合にて打ち切りのように終了した作品でも、どこかで光が当たれば再度日の目を見れる現象。
これからも起きてくるんじゃないかと思っています。だって、面白い作品ゴロゴロ転がってるじゃないですか。
というわけでNetflixさん、「やり直し姫は夫と恋したい」もアニメ化しちゃいましょう!!
という妄言を吐いておきます。
正直な個人的願望としては、神話の作り込みや壮大な世界観から、作者さまの思惑のラブコメからは大きく外れちゃうんですが。
PSソフト幻想水滸伝の初代スタッフさん達の手によって“大河浪漫RPG”みたいに再編成されたら、めっちゃ面白いだろうなと。妄想。
やり直し姫と同じ世界観で、別時間枠のパラレルワールドとして、それぞれの神の力を継承した登場人物たちが大蛇討伐に繰り出したり、神話に関する物語を展開したり。
初代幻水を何十回とプレイした身からすると、あの時の飽きないワクワク感を、やり直し姫の世界からも感じたので、いつか大きく羽ばたく日が来て欲しいなと。
なんの権力もない一般市民(ただの微妙なオタク)が呟いてみますよっと。
幻水はマッシュ・シルバーバーグとルックが好きすぎて、一応ナンバリングと外伝も一通りクリアはしたんですが‥‥ノーナンバーが神作で最上だと思っています。あの癖のあるキャラデザが大っ好きだったので、2のデザイン変更で心が折れた記憶が‥‥。
と、脱線しましたが。
「やり直し姫は夫と恋したい」完結までリアタイで読むことができて、大変しあわせにございました。ありがとうございます。
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