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ビーチコーミング小事典で、海の漂着物がわかる!

海辺を歩いていて、貝殻や美しい色合いのビーチグラスを拾ったことがある方は多いと思います。では、クジラの骨はどうでしょう? サメの歯の化石は? 江戸時代の陶器、異国のライター、謎のガラス浮きは?
今挙げたのはほんの一例ですが、海で見られる漂着物は多岐にわたり、時空や国境を超えて海辺にたどり着いています。

そんな漂着物をなんと300種類も集め、来歴や何の仲間かを調べることのできる『ビーチコーミング小事典』が2024年7月に発売となりました! そこで、この記事では『ビーチコーミング小事典』をもとに今日からできるビーチコーミングの楽しみ方をお伝えしようと思います。
(文:文一総合出版 今井悠)

『ビーチコーミング小事典』表紙とページ例。176ページのボリュームながら、カバンに入るサイズ(四六判)なので海にも持っていけます!

そもそも、ビーチコーミングって?

「ビーチコーミング」とは、「浜辺を歩いて打ち上げられた漂着物を集めたり、観察する」こと。もとは英語で、「浜辺」のbeach(ビーチ)と「櫛(くし)けずる」のcombing(コーミング)を合わせたもので、「浜辺を櫛けずるようにていねいに見ていく」というところから名づけられたものです。

冒頭ページでは、ビーチコーミングそのものや持ち物、おすすめの時間帯・珍しいものをコツについても詳しく解説!

いつ、どんなふうに楽しむの?

●おすすめシーズンと場所
季節を問わず楽しむことができますが、最初は春や秋といった風の穏やかな季節がおすすめです。そして、ビーチコーミングに適しているのは砂浜。磯が近くにある砂浜では貝殻が多く見つかり、長い砂浜でも、港や突堤の近くには漂着物が集まりやすい場所があります。砂浜に行く時期といえば夏の海水浴シーズンなので、これからの時期、日中の暑さには十分注意して、ちょっと浜辺にも目を向けてみてください。(著者の林さんによると、夏場におすすめの時間帯は日の出から8時、もしくは夕方から日没までとのこと!)

砂浜に出かけたら、満潮のときに漂着物が打ち上げられた高潮線(こうちょうせん)を見てみるのがおすすめ。新鮮な漂着物が多い場所です。

どんなものが拾えるの?

●自然物
『ビーチコーミング小事典』では、貝殻やホネ・魚・クラゲなどの動物はもちろん、海辺の植物や鉱物、化石まで紹介しています。

青くて美しいけれど、危険な毒をもつカツオノエボシとギンカクラゲ
「ハンバーガー豆」や「どら焼き豆」、「ピンクモダマ」などの愛称で親しまれている、南国のマメ科植物の種である「海豆(うみまめ」。ツヤツヤで丸くてかわいい海豆はビーチコーマが特に愛好する漂着物のひとつ。
拾ったものの保管方法も載っているので、クラフトづくりの前準備として参考にもなります

一番種類の多い動物の種類を調べるコツとしては、まず何の仲間か把握すること! 貝殻は誰が見ても貝の仲間だとわかりやすいのですが、エボシガイやゴカイ、ヤギやホヤなど、見たことも聞いたこともないような海の生物が漂着しているときには、「そもそもこれは生物?」と思う方も多いはず。
まずはページをぱらぱらとめくって似た仲間を探し、参考文献などを元に詳しく種類を調べていくことをおすすめします。

●人工物
美しい色でコレクターの多いビーチグラスやガラス瓶はもちろん、古墳時代から続く陶片、ガラス玉(浮き)・漁具やおもちゃ、海ごみまで。人間社会が垣間見える人工物のページは、地域の歴史を知る手がかりともなります。

ビーチグラスのページ。意外にも色によって来歴が異なり、赤色はレア!
浮き・漁具のページ。叙情を感じるガラス浮きは、他にもいろいろな種類や国ごとの違いがあり、続きのページで詳しく解説している。
海辺でのビーチクリーン活動にも役立つ危険物のページ。漂着物の中にはゴミや鋭利なものなども打ち上がるので、危なそうなものはうっかり素手で触らないようにしたい。

このように『ビーチコーミング小事典』には多種多彩な約300種類の漂着物が載っていますが、それでも氷山の一角。

じつは私(担当編集)も過去には熱心なビーチコーマーの一人だったのですが、千葉県の房総半島ではイルカの頭骨やサメや巨大ヤドカリ(生きていました)、なんとオサガメも漂着しているのを見たことがあります。北海道ではメノウや化石を発見し、沖縄ではサンゴのかけらで南国感を感じ、和歌山県では巨大な貝浜に心躍らせ、山口県の浜では滅多に見ることのできないカブトガニの甲羅を見つけたことも……。

まだ見たことのない未知の漂着物を自分で発見するのが、ビーチコーミングの醍醐味! みなさんも、全国各地の海で自分だけのお宝を発見してみませんか?

ビーチコーミング小事典 拾って楽しむ海の漂着物

林 重雄 著 / 四六判 / 176ページ
ISBN 978-4-8299-7253-3
定価2,200円(本体2,000円+10%税)

各種書店で発売中!電子版・オンライン書店のリンクもこちらから


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