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"Don't get all PC on me." 語学気まぐれ日記 J eigo J〈8/29/2021〉

Welcome to J eigo J! 今日は、昨日の記事でご紹介した、Orange Is the New Black (省略してOITNB)のシーズン1、エピソード1より、私が面白いと思うセリフを取り上げたいと思います。

お嬢様育ちのパイパーは、10年前にやってしまった罪(ドラッグ密売のための大金を運んだ)のため、ニューヨーク州の北の方にある、リッチフィールド刑務所に出頭します。そこで、同じ日から入所した仲間2人と、刑務官と、先輩の受刑者が運転するバンに乗り宿舎に向かいます。

バンの運転をする先輩受刑者は、ローナ・モレロ(Lorna Morello)という、ダークヘアで、派手な赤い口紅をした、やや小柄な白人女性。彼女は、宿舎の中で、パイパーら新入りを案内します。「あんた達もすぐ慣れるから、大丈夫よ」って感じで。

宿舎の中では、カーキ色の制服を着た受刑者たちが、皆それぞれ与えられた仕事をしています。新入りは、最初の数日だけオレンジ色の服を着せられています。

ローナが、パイパーの部屋に案内して、ティシュと歯ブラシを特別に彼女にあげます。パイパーがお礼を言うと、ローナは、

"No, no, it's no problem. We look out for our own."(いいのよ。同族だもの)*(  )内の和訳はNetflixによる。

と言います。つまり、「私達同じ白人でしょ?助け合わないとね。」ってことです。パイパーが、"Our own?"(同族?)とちょっとびっくりして言います。パイパーは、リベラルな教育を受けているので、人種に基づいた発言には、「えっ?」って思ってしまうのです。

そこで、明らかにパイパーほどの教育を受けていないローナが、

"Don't get all PC on me. It's tribal, not racist."(ここは部族社会だからね、差別じゃないよ。)

と言うのです。Netflixは、Don't get all PC on me. の 訳を省いています。tribal が『部族の』、racist が『人種差別的な』。

PC は、politically correct (公正である、差別的でない)の省略です。特に、性差別や人種差別など、偏見を含まない、と言う意味で使うことが多いです。

だから、この文の意味は、『わたしのこと、差別的だって責めたりしないでよ。』って感じです。

ここで、ローナは、「私は人種差別しているわけじゃないからね。ここでは仕方ないんだよ。」って言いたかったんじゃないかな、と思います。

ちなみに、ジェフにこの発言について解釈を聞いたら、「でも、刑務所の中では、人種差別がまかり通っているよ。tribal じゃなくて、racist だよ。」って言っていました。ローナは、ただ下手な言い訳しているだけだって。私も同感。

少なくとも、この番組内では、受刑者たちの中で、アフリカ系と白人とヒスパニックで、はっきりグループが分かれています。使うシャワールームも違います!(これには、私もびっくり!設定はほぼ現在なのに!)

ま、考えてみたら、私の留学中も、人種の垣根を超えた友人や恋人をもっている人はあんまりいなかったなぁ。ま、1993-94年のボストン近郊の話ですが。

理想と現実のギャップは簡単には埋まらないんですね。

ということで、あまりネタバレしないように、今回はここまで!Thank you for reading! See you soon!

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