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今の時代に、ひとつの雑誌を編集し、刊行する難しさを想う。「T Japan」について…。

毎月朝日新聞に付いてくる雑誌T Japanを見ている、読んでいるが、なんとも形容しがたい違和感を感じている。うーーーん、難しいのだ。感情移入できないのである。

バックグラウンドが朝日新聞とニューヨークタイムズと集英社なのだけれど、なまじ大部数の読者を対象に考えなければならない編集方針のため、結果的に面白くなくなってしまっているのだ。(私の独断と偏見でいうならばだが)お気の毒さま、としか言いようがない。

編集長は女性だし、取り上げる方々もそれなりの方々だし、文化人も、料理も、インテリアも、ファッションも、ジャポニズムも、それなりにすごいのだろう。でも、感じないのだ。いたずら心を、遊び心を、独断と偏見を押し通す趣味性とバカみたいな自主独立性を。

RCサクセションの曲で「君、かわいいね。でも、それだけだね」という歌詞をなぜか思い出してしまう。

それと妙な事大主義みたいなのもあって、いろんな言葉で飾り立てているが、見ていて、読んでいて、くくく、く、くるしい・・・。

広告は、世界に名だたるビッグブランドが目白押し。部数を稼ぐために、朝日新聞に添付するという戦略を取ったのは、まことに正解である。マーケティング的には大成功しているはずだ。広告収入は文句なく多いだろう。でも、編集内容がマーケティングのオマケみたいな内容だと(たとえそれが、世界中から集めてきた記事や内容であったとしても)、雑誌の原稿を書いたり編集していたりするプロから見ると、あああーーああ、と思ってしまう。

内容がぶっ飛んでいると、上からのOKが出ないんだなー、大変だなー、とつくずく思う。

みんなの好き嫌いがはっきりし、価値観がバランバランになっている現在、雑誌を作るのは非常に困難なのだろう。この雑誌のバックナンバーをわざわざ探して、面白い記事を探す、という機能もたぶんない。

富裕層向けモード&ライフスタイル誌ということですが、NY郊外のハンプトンで出ている「Hamptons magazine」ぽいのかなー、とも思う。

見れば見るほど、読めば読むほど、雑誌を作っている私はいろんなことを考えてしまう、そんな雑誌なのであります。


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