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eスポーツを追いかけて26年「だからVALORANTは面白い」

ここ数年、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、コンサートや劇場では、収容人数を減らしたり、スタンディングを禁止したりとさまざまな対策が講じられてきました。

eスポーツのイベントも同様です。オンライン大会や無観客のオフライン大会が主流でしたが、2023年に入り、オフライン大会が少しずつ復活しつつあります。

今年はVALORANTの国際大会がなんと日本で開催されることが発表されています。

今回、推し活インタビューをしたのはOFFさんです。OFFさんは中学生の頃にパソコンでゲームを始め、eスポーツ観戦にドハマリしたのは大学生の頃、実に20年ほど前。

日本のeスポーツシーンを初期から追いかけてきたOFFさんに、eスポーツとの出会いと魅力、そしてVALORANTのオフライン大会の面白さについてお話を伺いました。

OFFさん:大手メーカーで研究開発を行っているアラフォー会社員。FPS歴26年。FPSを観るのもプレイするのも好き。最近はVALORANTに夢中。好きなエージェントはヴァイパー。得意なマップは、ヘイブンとアセントとde_dust2とde_inferno。4dNが永遠の推し。

今の仕事を選んだきっかけがeスポーツだった

――OFFさんはいつ頃からeスポーツを観戦されているんですか。

OFFさん(以下、OFF):僕が一番eスポーツにドハマりしていたのは、大学生の頃ですね。20年くらい前です。就職活動をしていた頃ですね、一番eスポーツ関連のイベントに出かけていたのは。

今メーカーでカメラの部品に関連する研究をしているんですけれど、今の仕事をしたいと思ったきっかけがeスポーツなんですよ。

――え!?ぜひくわしく聞かせてください。

OFF:大学生の頃に、eスポーツのイベントに行って写真を撮っていたんです。ガラケーで。あるとき、デジカメを貸してもらって写真を撮ったら、できあがった写真の仕上がりが全然違ったんです。「めっちゃキレイに写るやん!」って。スマホとデジカメでカタログスペック(*メーカーが公表している仕様や性能)に差はそんなになかったんですけどね。

それで、「カメラの部品でこんなにも仕上がりが違うんだ!」ってびっくりしてカメラの部品に興味をもったのがきっかけです。こんな仕事をしたい!と思って、今の会社に就職を決めました。

――とっても素敵なお話ですね!それが20年くらい前…と。

OFF:2005年かな。当時は、就活の面接でよくeスポーツの話をしました。「僕はeスポーツが好きで…」と切り出しても、eスポーツのことを知っている面接官なんて当時はひとりもいませんでした。だから自分が主体的に話せるわけです。面接は余裕でしたね。(笑)

中学生の頃からパソコンでゲームをしていた

――eスポーツさまさまですね。OFFさんが初めてパソコンでゲームをしたのはいつ頃ですか?

OFF:中学生の14歳くらいの頃です。家族の影響で家にパソコンがありました。(*当時パソコンが家にある家庭はかなり少なかった)パーツを入れ替えてゲームをプレイしていました。

――中学生の頃からパソコンでゲームをされていたんですね!?

OFF:はい。もちろんファミコンとかスーファミとか一通りやりましたけれど、ずっとパソコンでゲームしていましたね。

――どのようなタイトルをプレイされていたのでしょうか?

OFF:えーっと、最初に触ったゲームが、QuakeというFPS(*ファーストパーソンシューターというゲームのジャンルの一種)とか。あとは、Wolfenstein(ウルフェンシュタイン)シリーズとかですね。

当時は、インターネット回線が今のように整備されていなかったので、シングルでプレイしていました。

オンラインでプレイするようになったゲームが、Return to Castle Wolfensteinです。チームで戦う楽しさを知って、ドハマリしましたね。

――ではゲームのプレイを観るようになったのはいつ頃ですか?

2003年頃ですかね、Return to Castle Wolfensteinを一緒にプレイをしていたチームメイトが、CS1.6の大会がオンラインで中継されているよ、と教えてくれたんですよ。

当時Twitchとか配信サイトがまだなかったので、Windows Media Playerで観ました。今観たら本当にもう低画質ですけど。選手がまるでスポーツみたいに声を張り上げてプレイしているのを観て、これはぜひ生で観たいなと思ったのがはじまりです。

日本で初めてeスポーツ選手のサインをもらった男

――当時好きだったチームや選手はいらっしゃいますか?

OFF:(少し大きな声で)それはもう4dimensioN(4dN)ですね。日本最初のプロeスポーツ選手たちのチームで、日本で初めて結成されたプロeスポーツチームでもあります。サインも持ってますよ!

KeNNyさんのサイン(OFFさん提供)
ENZAさんのサイン(OFFさん提供)
Pen’Zさんのサイン(OFFさん提供)
XrayNさんのサイン(OFFさん提供)
paranoiac*さんのサイン(OFFさん提供)
Keiさんのサイン(OFFさん提供)

OFF:このサインをもらったのは2004年頃なので、日本で初めてeスポーツプロ選手のサインをもらったのは、おそらく僕でしょうね。(笑)

OFFさんが書かれている当時のイベントレポートはこちら。OFFさんの楽しそうな姿が手に取るように伝わってきます。上記のサインをもらったときの4dNのみなさんの様子も書かれていますので、ぜひに。

――現役のチームではどのチームが好きですか?

OFF:ZETA DIVISIONです。4dNのKeNNyさんがVALORANT部門ヘッドコーチをされているREJECTと、同じく4dNのnoppoさんがVALORANT部門のヘッドコーチをしているJadeiteも格別の思いで応援させていただいています。

OFF:当時からeスポーツ業界でプロ選手として活躍していた方々が、今はコーチなど少し変わった形でeスポーツ業界に残ってくださっていることがファンとしては、本当にありがたいことで…。だから、僕もできるかぎりeスポーツをサポートしていきたいなと思っています。

REJECTのフーディー(OFFさん提供)

eスポーツのオフラインイベントの魅力

――先日、VALORANTのオフラインイベントにも行かれていましたね。

OFF:そうですね。最近のVALORANT関連のオフラインイベントだと、RAGE VALORANTとRiot Games ONEに行きました。

ZETAのグッズを身につけて(OFFさん提供)

――オフラインイベントとオンラインイベントの違いはどんなところにありますか?

OFF:オフラインイベントの一番の魅力は、人と会えるということですね。ゲームをプレイしている人と、一緒にプレイについてあーだこーだと話せる楽しさはオンラインではなかなか味わえません。お祭り感といいますか。ワンチャン、プロ選手とすれ違うかもしれませんしね。

それと、選手たちが戦っている声が聞こえてきますし。配信で観ているだけでは伝わらない大会独特の白熱した雰囲気を味わえます。やっぱり生の声がすばらしいですよ。

――生の声というのは、たとえばどのような声ですか?

OFF:オフライン大会だと選手の「っしゃー!」などの声がうっすらと聞こえてくるんです。そういう声が聞こえてくると、やっぱりそのチームに感情移入しちゃって、応援したくなるんですよ。

――昔のオフライン大会と比べて今のオフライン大会はどうですか?

OFF:今から20年近く前のオフラインイベントと比べたらVALORANTのオフラインイベントの規模が全く違いますね。

OFF:昔は選手の声がすべて聞こえましたよ。生のVC(*ボイスチャット、試合中はチームメイトと声でチャットしながら戦う)です。

――VC、いいですよね。eスポーツならではだと思います。

OFF:そうですよね!APEXやPUBGの大会では選手のVCが聞けますよね。VALORANTはおそらく戦略がばれてしまうなどの問題があるためだと思うんですけれど、大会中はVCを聞くことはできません。ZETA DIVISIONが大会が終わった後に一部のVCを公開していることはありますが。

VCを聞きながら試合を観ていると、選手の気持ちを感じながら試合を観られるじゃないですか。他のいわゆる一般的なスポーツではなかなか体験できないことだと思うんですよね。サッカーにしても、野球にしても。だから、僕はVCつきの試合のクリップを観るのが好きですね。

――あの…ちょっと聞いてもいいですか。VALORANTって試合時間がとても長いじゃないですか。オフラインで観るのは大変ではないですか?

OFF:VALORANTはねー、ちょっと1試合が長いですよね。でもオフライン大会では、大会中ずーーっと座席に座っていないといけないわけではないですよ。インターバルとかに席を離れて、トイレに行ったり休んだりすることもできます。

――じゃあ、割と音楽ライブのフェスに近いイメージでしょうか?

OFF:そうですね!フェスに近いですね。好きなアーティストのステージを観に行ったり、グッズを買いに行ったり。

僕の場合は、グッズを買いに物販の列に並ぶときに、近くにいる人に話しかけたりもしますね。だって、VALORANTを好きな人が集まっているわけですから。好きなものを話せるのって楽しいですよ。

だからオフラインイベントに行くときは、SNSとかで当日会いたい人とあらかじめコンタクトをとっておくと当日の楽しみが増えていいかもしれませんね。

――じゃあ、eスポーツを観戦したことのない方には、フェスやお祭りのようなものだと思って観てほしい、と。

OFF:とにかく1度観てほしいですね。VALORANTはスコアや勝ち負けがわかりやすいと思います。初見の人でも対戦しているチームのどちらが強いのかがわかりやすいのが、5 vs 5(*VALORANTのような5人チームの対戦)の良さの一つですから。実際にプレイをしていない人も楽しみやすいと思います。

サッカーや野球で特定のチームを応援している人って大きく分けて2パターンあると思うんです。そのチームが強いから応援する人たちと、そのチームが強いわけではないけれどそのチームを応援する人たちと。

だから、まずは日本国内でもこれまでの大会で結果を残してきたZETA DIVISIONを応援してみてはいかがでしょうか。

――そうですね。まもなく開催されるVALORANTの世界大会には、日本からはZETA DIVISIONとDetonation Gaming FocusMeの2チームが出場しますしね。

世界的には、日本はFPSタイトルが弱いと言われ続けてきました。でも、昨年ZETAの大活躍で、その印象が変わってきていると感じています。

普段サッカーを観ていない人でもサッカーのワールドカップだけは観るという人は多いですよね。ぜひ、VALORANTの世界大会でも日本チームを応援してほしいです。





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