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文章表現が広がる「比喩(ひゆ)」の活用法

文章術の100冊の中で、「比喩(ひゆ)」の大切さに触れていた本は23冊ありました。
比喩とは、「ほかのものにたとえて表現すること」です。

比喩は、筆者の主張や大切なことを読者に印象付ける役割を担っています。
おもな効果は、以下の4つです。

1.ショートカットできる
説明文の総量を減らしても文意を伝えることができる。

2.難解な内容、複雑な内容、未知の内容をわかりやすく伝える
「Aは、あなたがすでに知っているBと同じ」と説明することで、内容が伝わりやすくなる。

3.読者がイメージしやすくなる
「大きさは、縦15cm、横10cmです」と表現するより、「大きさは、ハガキ大です」と表現したほうがサイズをイメージしやすくなる。

4.意味を強調できる
「明るい女性」より、「太陽のように明るい女性」と表現したほうが、明るさや健全さが強調される。

以上のように、比喩を使うと、理解しにくい物事がわかりやすくなったり、イメージしやすくなったりします。

※文章術の名著100冊からノウハウを40項目まとめ上げた本書の概要はこちらです!
※こちらのページは、本書の第6位「比喩・たとえ話を積極的に使う」から一部をまとめています。

1.使いやすいのは「直喩」「隠喩」「擬人法」の3つ

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使いやすい比喩表現は、3つあります。
「直喩(ちょくゆ)」と「隠喩(いんゆ)」と「擬人法(ぎじんほう)」です。それぞれの特徴をまとめると、以下のようになります。

直喩……「まるで〇〇〇〇のような」「〇〇〇〇みたいな」と説明付きでたとえる。

<例文・直喩>
彼女は明るい人だ。
→彼女はひまわりのように明るい人だ。

●隠喩……「のような」「みたいな」を使わずにたとえる。直接の表現が隠れている。

<例文・隠喩>
あの人は繊細だ。
→あの人はガラスの心を持っている。

●擬人法……生物やものなど、人間でないものを人間の言動にたとえる。現象を生き生きと描写できる。

<例文・擬人法>
とても強い風が吹いている。
唸るような強い風が吹いている。

より強い印象を与えたいときは「隠喩」

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隠喩は、直喩よりも断定的な印象を与えます。
直喩では「AはBのような」と表現しますが、隠喩では「AはBである」と断定するため、鋭く強いイメージになります。

<例文>
あの人は怖い人だ。
●直喩……あの人は悪魔のような人だ。
●隠喩……あの人は悪魔だ

隠喩は、受け手によってさまざまな意味にとらえられる可能性があります。
多摩大学名誉教授で小論文指導の第一人者といわれる樋口裕一さんは、比喩を使いこなしたいなら、「まず直喩から」と述べています。
直喩を使いこなせるようになったら、「まるで……のようだ」を省略しても不自然ではないかを考え、不自然でなければ「隠喩」を使って表現に力強さを加えてみましょう。

まとめ

文章術の大事なポイント第6位「比喩・たとえ話を積極的に使う」についてご紹介しました。
比喩表現を使うと、わかりやすく読みやすい文章になる上に、少ない説明で受け手に文意を伝えることができます。

今回紹介したほかにも、本書では多くの比喩表現例や、たとえ話の使い方について詳述しています。より深く理解したい方は、ぜひチェックしてみてくださいね!

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著者プロフィール

(構成:弘岡知子/富女子会ライター部)




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