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読みやすさを格段に上げる「わかりやすい言葉」の使い方

サクサク読み進められない説明書や専門書……。
内容を理解するのに、何度も読み返した経験はありませんか?

文とは、単語と単語の組み合わせ。
文の中にひとつでも難しい言葉(読めない漢字、意味がわからない漢字)があると、読み心地が損なわれてしまうのです。

名文家としても知られている福沢諭吉の文章には、意外なことに難しい言葉はあまり使われていません。
現代の文章のプロたちも、「難しい言葉はなるべく使わない方が良い」と口を揃えます。

やさしく、読みやすく、リズムの良い文章は、心地よく読み進められる大事なポイント。

とはいえ、実は、多くの人が無意識に難しい言葉を使ってしまいがちです。

文章力を上げたいなら、「わかりやすい言葉の選び方」「専門用語の使い方」は、ぜひとも身に付けたいテクニックのひとつ。
ここでは、わかりやすい言葉の使い方についてご紹介していきます!

※文章術の名著100冊からノウハウを40項目まとめ上げた本書の概要はこちらです!
※こちらのページは、本書の第5位「『わかりやすい言葉』を選ぶ」から一部をまとめています。

1.「難しい言葉」を「簡単な言葉」に置き換える

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わかりやすい言葉は、以下の3つの基準で選んでみましょう。

①中学生でもわかる言葉
②日常的に使われている言葉
③耳慣れた言葉

例えば、新聞の世界では「中学生でもわかるように書く」ことが目標とされています。
理由は、中学校までは義務教育であり、ほとんどの人が理解できると想定されているからです。

同じく、自分が普段から使っている言葉も大切です。
文の中に、自分が使ったことのない難しい言葉を入れてしまうと、「全体のリズムが崩れる」のです。

専門用語や難しい言葉を「簡単な言葉」に置き換えると、読みやすく、リズムのある文章に仕上げることができます。

<例文>
●難しい言葉を使った例
問題解決は喫緊の課題であり、可及的速やかに諸藩の対策を講じる所存です。

●一般的な言葉に置き換えた例
急いで問題を解決する必要があるので、できるだけ早くさまざまな対策を行いたいと思います。

簡単な言葉に置き換えるときには「類語辞典」が役に立ちます。
類語辞典とは、「同じような意味を持つ言葉をまとめた辞典」です。語彙力のアップにも役立ちますので、ぜひ活用してみましょう。

2.専門用語を使うときは、解説を加える

専門用語は、一般的に使用される用語ではありませんが、同じ分野の人同士での意思疎通がスムーズになります。

例えば、出版業界で使われる「閉じる」と「開く」という言葉があります。
●「閉じる」……漢字で書く
●「開く」……ひらがなで書く

<例文1>
文章を書くときは、どの言葉を開いて、どの言葉を閉じるかを決めておきましょう。

ライターや編集者に向けた文章に使われるのであれば、意味は通じるでしょう。しかし、一般的ではないため、わからない方も多いと思います。

<例文2>
出版業界では、漢字で書くことを「閉じる」、ひらがなで書くことを「開く」といいます。
文章を書くときは、どの言葉を開いて、どの言葉を閉じるかを決めておきましょう。

例文2では、「解説」を専門用語の前に加えています。これで、専門用語を知らない人にも意味がわかる文章になりました。

<例文3>
文章を書くときは、ひらがなで書く言葉と、漢字で書く言葉を決めておきましょう。

例文3では、専門用語をなくし、一般的な用語に置き換えてみました。一番シンプルで、誰にとってもわかりやすい文章になったと思います。

専門用語を使う場合のポイントは、「解説」です。
例文2のように、誰もが知っているとは限らない前提に立ち「解説」を付け加えるようにすると、読みやすい文章に変わります。

まとめ

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大事な文章術のコツ第5位「わかりやすい言葉を選ぶ」についてご紹介しました。わかりやすい言葉を使うことで、より多くの人に伝わりやすい文章を書くことができます。
本書では、ほかにも説明の噛み砕き方や、言葉の曖昧さをなくす方法を紹介しています。さらに深く学びたい方は、ぜひチェックしてみてくださいね!

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著者プロフィール

(構成:馬目萌加/富女子会ライター部)


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