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『職場における多様性〜働きがいの追求〜』(後編)

こんにちは!
慶應義塾大学 商学部 牛島利明研究会 プロジェクトz 3年のしのです。


さて、前回に引き続き、今回は第二弾『職場における多様性~働きがいの追求~』後編をお届けしたいと思います。第二弾のテーマは「ダイバーシティ×ディーセント・ワーク」、すなわち「多様性と働きがい」です。ディーセントワーク・ラボの代表理事である中尾さんをゲストに迎えています!最後までお楽しみください!
前編をまだご覧になっていない方はこちら

〇人紹介
めい(インタビューアー)
慶應義塾大学牛島利明研究会のプロジェクトZのメンバー。好奇心旺盛で、色んな話を聞いたり色んなことに挑戦したりするのが大好きな大学3年生。就職活動が終わったら、資産運用に挑戦したいと考えている。

中尾文香さん(インタビュイー)
NPO法人ディーセントワーク・ラボの代表理事。
障がいのある方が働く施設や企業に対して、社員さんと一緒に働く環境の支援・改善をしていくお仕事など、幅広く活躍している。また、5年ほど前より、慶應義塾大学商学部牛島利明研究会の学生や美大生とともにプロジェクトzを主導している。


ー個々の違いを受容し、強みにする

めい:
前回に引き続き、「働きがい」をテーマにインタビューを進めていきます!それでは、多様性と働きがいには何か関係があると思いますか?

中尾さん:
そうですね、働きがいのある仕事は人によってそれぞれ違うと思います。
人の笑顔を見たい人もいるし、それに共感もするけれど、私の場合は、笑顔を見れる環境を作ることに働きがいを感じるんですね。そういう環境が出来るといいなって思っていて、環境作りに取り組んでいるときにアドレナリンがすごく出ているから、働きがいって人によって違うんですね。
このことから派生させると、ライフステージも各々違うと思うんですよね。大体この時期に結婚して子どもがほしいと考える人もいればそうでない人もいて。もちろんライフステージだけじゃなく好きなことや能力は人それぞれ異なると思うので、どのように働くのかは人によって様々で、個々によって働きがいも異なります。だから、ダイバーシティというのは、個々の違いを認めつつ、違いを強みにして、組織の目標に対して各々が出来ることを行い、良い成果を出していこうとするものだと思います。
個々の働きがいや強みに着目して仕事の設計をしていくという点に関しては、多様性と働きがいは似ているのではないかなと思います。

めい:
働きがいがひとりずつ違うからこそ、多様性を認める文化を創っていくことが、ひとりひとりがモチベーションに繋がり、企業側も従業員側にも利点があるという感じですか?

中尾さん:
そうですね。やはり企業は生産活動をしなくてはならないので、成果を出すことが必要となってきます。その中で、各々異なる能力を強みに、より良い仕事をしていくというのはすごく生産的だし、新しい働き方ではないかと思います。全員で足並み揃えて取り組むというのが、今までの仕事では多くの部分を占めていたと思うので。

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ー障がいのある方は“メッセンジャー”

めい:
確かにそうですね。実際、ダイバーシティを推進していこうとしても、社内・現場の人の理解を得られないこともあるのかなと思うのですが、そのハードルを乗り越えていくためにどんなことが必要だと思いますか?

中尾さん:
私は今まで障がいのある方の働く場を一緒につくってきたので、障がいのある方の場合に絞ってお話させてもらいます。障がいのある方と働くとなると今まで出会ったことのない人たちと働いていくという可能性も高いので、今まで知らないという人を受け入れることが最初の大難関ですよね。色々な人と一緒に働いていこうというのはわかるけど、「実際難しくない?」という思いがあると思います。「普通こうじゃない?」という当たり前が、当たり前でないことが多いです。
でも、私は障がいがあるということは凸凹があることであり、障がいがある方はメッセンジャーだと思っています。例えば、特に日本人は、ひとりひとり個性的であるにも関わらず、平均して様々な能力を持つ人が求められがちなんですね。けど障がい者は、障がいがあるが故に、出来るところと出来ないところの差が激しいから隠せないわけで。障がいのない人が無理をしてやっていることが、障がいのある人は出来ないですよってなったときに、それをどういう風に直していけばいいのかっていうのを教えてくれる人であって、そこを上手く改善していくと障がいのある方も他の人も働きやすくなる職場になると思う。そういう意味でのダイバーシティ推進っていうのはみんなが働きやすくなるっていうのはそういうことがあるんじゃないかなって思います。

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ー障がいについて多くの人に知ってもらい、一緒に働き、生きていく。

めい:
マイノリティの人の意見をくみ取ることが結果としてマジョリティのメリットにも繋がるということですね。今までもダイバーシティ、障がい者の方の働きがいに向き合い活動されてきたと思いますが、今後力を入れたいことはありますか?

中尾さん:
そうですね、今お話したようなことって、めいちゃん今聞いてみてどう思いましたか?前から知っていましたか?あ~なるほどなって思いました?

めい:
私はゼミの活動の一貫で、インクルーシブデザインを学んで、その際に、社会的弱者を企業に取り込むことが結果的に多くの方のプラスになるっていう考え方を学んだこともあって、中尾さんのお話を聞いて、多様性って大事だな、ひとりひとりにとってプラスだよなって改めて感じました。

中尾さん:
やっぱりそうやって知らない限りはこの考えには至らないと思うんですね。日本は小さい頃から分離教育をされていて、障がいのある子たちと出会わないことが多いわけですよ。そしたら、関わり方も知る機会なく、大人になってしまうんですね。知れば、共通点や違う点をお互いに見つけられて、障がいの有無に関わらず一緒にやっていこうよってある程度折り合いを付けてやっていけるのであって。
けど、そういうプロセスを通ったことがないから、それをする前に諦めるのはもったいないと思うんですよね。なので、やっぱり「知ってもらう」ってことはすごく大切で、「こういう人たちがいて、こういうお仕事をしていて」というのを伝えるっていうのが、私たちの活動の中でも重要なのかなって思います。なので、伝える、知ってもらうというのを今後も深めていきたいですね。

めい:
たしかに新しいものに出会ったときの抵抗感は誰にでもあると思いますが、そこを少しでも解消していくことが中尾さんが今後も取り組まれていくことなのですね!中尾さん、素敵なお話をありがとうございました!

以上、第二部をお届けしました。
中尾さん、ありがとうございました!

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プロジェクトZ
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