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幸福論はあちこちに転がっている。

ようやく免許センターが再開されたので、先月下旬に免許更新へ行った。いつ行ってもセンターは混雑していて嫌だなと思っていた。しかし今は、3密を避けるために週ごとの更新可能者を限定、場合によっては免許の有効期限を3ヵ月先まで延長できるとあって人は少なめ。待ち時間もほとんどない。講習の際には、自分の座席の後ろも横も人がおらず、圧迫感ゼロ。公共の施設として考えれば、利用する側は快適だ。

ただ、外出自粛で美容院はお預け状態。『ステキな金縛り』の落ち武者幽霊ばりの髪で写真を撮影せざるを得なかったことが悔やまれる。

なにしろ落ち武者なのだ。写真撮影の際にはちょっとでも髪を整える時間がほしいと思っていたところ、マスク着用に慣れすぎていてその存在を完全に忘れていた。暗い空間の中で係の女性に「いいですか? 撮りますけどマスク、取らないんですか?」と言われ、アタフタ。私が髪を整える隙を与えずに「ハイ、この赤いところを見てください。ハイ、撮ります!」と強めに言うので、また慌てる、慌てる。毎回ここで急かされるのは分かっているのに、やってしまった。いやいや、この日この時間は更新者が少なかったけど、なぜ急かす必要が!?

そんな恨みつらみもぶっ飛ぶぐらい、新しい免許証の写真は落ち武者度がUPしていて白目になった。

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「もう我慢できない」と、一昨日ようやく美容院へ行った。本当は3月に行く予定だったのに、あれよあれよと外出自粛生活へ突入。感染者ゼロが続いても、行っていいものやらどうなんだろうかと悩んでいたら6月になってしまった。

行きつけの美容院は夫婦で切り盛りする店。「朝起きて、ブローも何もせずにそのまま仕事に行ける髪型にしてほしい」とオーダーして以来、20数年のお付き合いだ。この数ヵ月の話を聞いたら、客足は特に変わらないそうだ。3月は行事が多いのでお客さんが多く、そのぶん新年度に入ると客足が鈍るのは毎年のこと。もともとソーシャルディスタンスな店内。今までと異なる仕様といえば、客が入れ替わる際の除菌、手指の消毒&マスクがお互い必須になったことだ。

一番変わったことは、お客さんがいつもに増して「ああ、スッキリした! ありがとう!!」と晴れやかに言って破顔することだという。「こっちの気持ちは普段通りなんですけどね。お客さんが目に見えてガッツリ喜んでいるのを目の当りにしたら、この仕事やってて良かった!!と思った」と、奥さん。「うれしい」「ありがとう」は、ガッツリの方がやはり伝わるんだな。

ちょっとした気分転換と必要に迫られて出かける美容院。改めて生活の中の幸福感に気づいた人が多いのだろう。技師が自分の職業に再び自信を持った喜びも然り。

さて、私も“落ち武者幽霊”から、髪型だけは“みくりさん”になった。「2ヵ月に一度は来てほしいですけどねえ」と帰り際に毎回笑い飛ばされながら3ヵ月に一度、忙しいと4ヵ月に一度になり、お金が無いと半年に一度になる。しかし、外出自粛でまさかの7ヵ月ぶりの来院となった。はー、すっきりした。

普通のことのなんと幸せよ!! 

ついでに、その帰りに「チョコモナカジャンボ」を衝動買い。サラリーマン時代、ひとりで営業に出て仕事が取れたらご褒美に食べていたやつ。仕事ないけど食べてしまった(笑)。

もう元の生活には戻れないのだから、ひとつひとつ、生活の喜びを積み重ねて噛みしめて、前へ進むほかない。6月は、まだまだ肩慣らしになりそうだ。


※全然関係ないけど、チョコモナカジャンボの文具って充実しすぎていやしませんか?(笑) マスキングテープが意外とかわいい。


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