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SDGsと子育て支援 勉強会@宮崎

日向市での学習会に続き、宮崎市で「誰一人取り残さない社会を目指して」というタイトルでSDGsと子育て支援について、内閣府の子どもの貧困対策担当の方のお話を聞きました。共有します。


<概要メモ>

子どもの貧困についての大綱に向けた会議では、「子育てを家庭のみの責任とせず~社会全体で課題を解決」することが基本方針としてあげられている。家族形態の変化や地域における繋がりの希薄化など、子育ての孤立化が社会的な現象として認識されつつある。

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子どもの貧困は、実態が見えにくく支援が届きにくいという特性があるため、貧困の定義を狭めすぎず、制度ごとに支援の定義を定めいろいろな指標を見ながら支援をしている。また各自治体によるアウトリーチによって、徐々に実態が把握され、それを元に指標が作られている現状である。

見えにくく、孤立しやすく、複合的な困難を抱えるケースが多いため、行政と民間、地域が連携して取り組むことが重要。支援として多い、子どもの居場所づくりは、効果測定がしづらく行政が取り組みにくいが、保険や会場費、会場の提供、学習支援事業など、行政が関わる事例も増えている。

貧困の子どもたちに必要な支援を届けるためには、すべての子どもや広い対象(老人、外国人含め)を設定する必要がある。また、学齢期以降の実態は把握されつつあるが、妊娠期から出産期にかけて、高校中退に関しては実態把握が不十分である。

「子供の未来応援国民運動」では、民間企業や個人からの寄付を、全国の支援団体に基金として届けている。現在第4期約100団体が決定したところ(1期支援額平均2-4億)。バリューブックスを筆頭に、企業による特性を生かした協力体制が、企業ジャンルを超えてCSRとして広まりつつある。

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内閣府と子ども食堂支援センターなどのNPOで作る「マッチングネットワーク推進協議会」では、全国で子ども支援している団体と支援活動をしたい企業や個人を結び付けている。これまでに、学習教材や食品、出前授業などのマッチング事例がある。

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「地域の子供の未来応援交付金」は、地域での支援事業の立ち上げ期の支援や、地域での貧困対策事業の波及を推進するために、令和2年は1.5億円の予算がとられている。令和元年度は、実態調査や資源量の把握、支援体制の計画や研修事業などにあてられている。これまでに35の都道府県で利用されており、宮崎では5つの市町村が交付金を利用している。


<感想~貧困支援が当たり前、な社会がすぐそこに?>

政府における貧困対策の歴史は浅いものの、ここ5年で劇的に進んできていることがわかりました。子育てを家庭のみの責任とせず、社会全体で解決していく、ということが明言され、いよいよ子どもの貧困や課題について、すべての人が自分事としてとらえていく時代になりつつあるのだと感じます。

実際の支援について、本当に支援が必要な人に届けるには、全ての人を対象とした活動が必要、ということが印象に残っています。「貧困の人だけに支援します」というのは本質的な解決ではないということですね。とても非効率的かつ時間・手間がかかる活動形態ですが、「誰一人取り残さない」社会への変革というSDGsの実現そのものであり、また個としての人生を見ても「どんな状態の(わたし・あなた)であっても、取り残されない」という切れ目のない支援が可能になるのだと思います。

「子供の未来応援基金」については、政治的な側面から見たときにいろいろな声があり、「いいね!」と気軽に言い難いのですが、現場の支援団体が助かっているのは事実ではないでしょうか。また、企業によるCSRが加わり、一般の人にも子どもの貧困への理解が効果的かつ前向きに進むのではないかと思います。現場で活動しているのは、どちらかというと草の根的に活動している個人が多く、基金があれば、より広く多様な支援が実現できると思います。

私は、やはり妊娠期~学齢期前までの母子の状況把握が大切だと感じます。時間がたてばたつほど問題は複雑化し、子どもへの影響力も大きくなります。早いうちに支援の手が入ることで、母親も子ども助けられながら「よい状態」への力を獲得でき、貧困の連鎖を少しでも弱めることができるからです。

<個の想いが社会を作る時代へ>

子どもの貧困対策を放置することは「社会への損失」であり、貧困対策の推進が「未来への投資」である、という井関参事官補佐。もともと交番のお巡りさんとして、自分の手で知り合いの子を捕まえたという経験が、今のお仕事につながっているそうです。

こうやって個の想いが社会を動かしていく時代にいよいよなっているのだと思うと嬉しくなります。自分もできることをできるだけ、少しですがやっていきます。

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