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『法華衆の芸術』刊行のおしらせ

 BUNBOUのメンバーである高橋伸城(美術史家/美術ライター)のはじめての著作となる『法華衆の芸術』が12月10日に発売されます。

 天下人に仕えた狩野永徳。水墨画から金屏風まで多彩に技をふるった長谷川等伯。能書として名を馳せた本阿弥光悦。〝天下一〟の茶碗屋である樂家。「琳派」の先駆けであり大成者である俵屋宗達や尾形光琳。そして、江戸後期の浮世絵師のなかでも著名な葛飾北斎や歌川国芳。

 西洋のコレクターたちを熱狂させ西洋美術にまで影響を与えた日本美術の巨匠たち。美学的にはとても一括りにできない彼らに共通していたのは、日蓮の教えを信奉する法華衆だったことです。

 日本文化と言えば「禅」というイメージがしばしば語られがちですが、実際に世界の注目を集めてきた日本美術の多くは「法華」の手になるものでした。そのことが日本人にさえほとんど意識されてこなかったのは、彼らの作品が外形的に宗教性や宗派性を見せないからなのです。

 彼らが黙して語らなかった造詣と信仰のかかわりについて、気鋭の本阿弥光悦研究者であり美術ライターである著者が丁寧な筆致で迫っていった珠玉の一冊。現代美術家・宮島達男氏との対談、美術史家・河野元昭氏(静嘉堂文庫美術館館長)へのインタビュー、関連年表も収録。
 装丁は矢萩多聞さんです。

 日蓮(1222-1282)生誕から800年。まったく新しい視点で見る日本美術史。ぜひご高覧ください。

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目次
第1章 法華衆とその作品
    本阿弥光悦
    俵屋宗達
    狩野永徳
    長谷川等伯
    樂道入
    狩野探幽
    尾形光琳
    尾形乾山
    葛飾北斎
    歌川国芳
    河鍋暁斎
    神坂雪佳
    速水御舟
第2章 西洋との出会い
    西洋に広がった法華芸術
    「北斎」から「HOKUSAI」へ
第3章 「法華衆の芸術」をめぐって
 対談 宮島達男(現代美術家)
    河野元昭(東京大学名誉教授)
法華衆関連年表
著者略歴

高橋伸城(たかはし・のぶしろ)
1982年、東京生まれ。ライター・美術史家・翻訳家
創価大学を卒業後、英国エディンバラ大学大学院で芸術理論、ロンドン大学大学院で美術史学の修士号を取得。帰国後、立命館大学大学院で本阿弥光悦について研究し、博士課程満期退学。2019年より、東京でBUNBOUの一員として活動中。
出版社 ‏ : ‎ 第三文明社
発売日 ‏ : ‎ 2021/12/10
言語 ‏ : ‎ 日本語
単行本 ‏ : ‎ 192ページ
ISBN-10 ‏ : ‎ 4476034020
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4476034028
寸法 ‏ : ‎ 15.3 x 1.5 x 21.6 cm

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