カラサキ・アユミ 連載「本を包む」 第4回 「満ち足りているのに物足りない?」
夜になると本を開きたくなる、と感じる人は多いのではないだろうか。
私もまさにそう。それも寒い日の夜更けなど特に。
1日の終わり、眠りにつく前のささやかな余白時間。本を手に布団に横たわり毛布にくるまり枕元の電気スタンドのスイッチをカチンと押す。照らされる灯りは私と本との豊かな沈黙の時間を見守る暖かな焚き火のよう。
このブックカバーを見つけた時の第一印象は、まさにそんな風景だった。
2枚のデザイン違い、それも裁断前のブックカバーというのもなんだか珍しくマジマジとあら