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連載「本を包む」カラサキ・アユミ

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ブックカバーのことを、古い言葉で「書皮」と言う。書籍を包むから「書」に「皮」で「書皮」。普通はすぐに捨てられてしまう書皮だが、世の中にはそれを蒐集する人たちがいる。  連載「本を… もっと読む
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記事一覧

カラサキ・アユミ 連載「本を包む」 第24回=完 「モダンガールの寄り道」

 着物姿の女性がソファに腰掛け本を読んでいるシルエット。なんと優雅でお洒落なデザインだろ…

BUNBOU WEB
8か月前
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カラサキ・アユミ 連載「本を包む」 第23回 「夏読書のすすめ」

「夏休み」という言葉を聞いて人は何を思うだろうか。どんな記憶を浮かべるだろうか。  それ…

BUNBOU WEB
9か月前
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カラサキ・アユミ 連載「本を包む」 第22回 「リーブルなにわの落書きコーナー」

 恐らく、このブックカバーを目にした人の大多数が真っ先に思い浮かべるであろうコメントは私…

BUNBOU WEB
9か月前
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カラサキ・アユミ 連載「本を包む」 第21回 「哀愁漂うブックカバー」

 ブックカバーのことを、古い言葉で「書皮」と言う。書籍を包むから「書」に「皮」で「書皮」…

BUNBOU WEB
10か月前
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カラサキ・アユミ 連載「本を包む」 第20回 「本読みの止まり木」

 ブックカバーのことを、古い言葉で「書皮」と言う。書籍を包むから「書」に「皮」で「書皮」…

BUNBOU WEB
10か月前
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カラサキ・アユミ 連載「本を包む」 第19回 「〝変わらない〟ことの魅力」

 早速だが今回紹介するブックカバー、まずは見返し部分の一文に注目してもらいたい。  購読…

BUNBOU WEB
11か月前
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カラサキ・アユミ 連載「本を包む」 第14回 「改造社が起こした波」

 青い鳥と言えばTwitter、白い犬と言えばソフトバンク、緑と青の組み合わせと言えばファミリーマート………。何かを見たらすぐに何かを連想してしまう。誰しもがそんな経験をしたことがあるだろう。  このブックカバーを手にして以来、波模様を見かけると私は瞬時に改造社を連想する人間になってしまった。  一度見たら忘れられないこの強烈なブックカバーとの出会いは10年以上前。都内にあるブックオフのレジ脇にあった「ご自由にお持ち帰りくださいコーナー」(様々な栞や書店のブックカバーが詰

カラサキ・アユミ 連載「本を包む」 第18回 「あゝ明屋書店」

「明屋書店」を「はるやしょてん」と初見で読める人はどれぐらいいるだろうか。  私は小学校…

BUNBOU WEB
11か月前
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カラサキ・アユミ 連載「本を包む」 第17回 「魂も空腹も満たしてくれたスタンダー…

〝A room without books is like a body without a soul〟 「本のない部屋というのは、魂のな…

BUNBOU WEB
1年前
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カラサキ・アユミ 連載「本を包む」 第16回 「バリケードか、ブックカバーか」

 大学生といえば「煌めき、若さ、自由」というのほほんとしたイメージが浮かぶが(この一文に…

BUNBOU WEB
1年前
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カラサキ・アユミ 連載「本を包む」 第15回 「心まで包んでしまう天牛書店の技」

 ブックカバーというよりは包装紙と呼ぶほうがふさわしいかもしれない。  海外の作家や学者…

BUNBOU WEB
1年前
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カラサキ・アユミ 連載「本を包む」 第13回 「あの金榮堂でシェイクとハンバーガー…

「置いてる本も素晴らしかったけど、何よりブックカバー欲しさに当時通っていたのもありました…

BUNBOU WEB
1年前
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カラサキ・アユミ 連載「本を包む」 第12回 「スターフライヤーに、してやられた!…

〝スターフライヤー〟と聞いてピンとくる人は果たしてどれぐらいいるのだろうか。  数年前、…

BUNBOU WEB
1年前
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カラサキ・アユミ 連載「本を包む」 第11回 「謎の〝寸止め〟」

〝10年に一度の大寒波が到来!〟というニュースが流れているテレビを消して私は空港に向かうべく家を出た。  手にした旅行カバンには今回紹介するブックカバーも一緒に詰め込んでいた。  生まれて初めての東北訪問に浮き足立ち、飛行機のなかでは小学生のように窓に張り付いて眼下に広がる雪に包まれた地上をずっと眺めていた。  たどり着いた仙台はさすが東北随一の大都市。巨大なビル群そして大勢の行き交う車や人々の多さ。のっけから圧倒された。  駅からほど近い場所にある商店街のメインスト