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好きだった人たち

いくら優しい時間を分け合っても
寂しい時間は私だけがいつも多かったような

ここを握り潰すように
ギリギリまで膨らませて破裂させるように
どうしてそんな痛いことばっかり

それでも

好きだったの
本当に


好きだったの?
本当に?


同じ場所で
同じ光を眺め
同じ鈴の音に耳を澄まし
同じ温もりを抱いてるはずなのに

私が見ていたものと
あなたが見ていたものは
まるで違う

ずっと悲しい

交わらない 続かない 鼓動に

ずっと怯えている


それでも

好きだったの


そうしてなきゃいけない気がして
好きでいたの

たぶん 本当に

たぶん 本当は

脈打つ鼓動を握り潰して鎮めてほしくて

何でもいいから 好きになりたかったの

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