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映画「鬼滅の刃 無限列車編」感想(ネタバレ)

「アニメも漫画も読んでないけど、楽しめた」「永遠にみたい夢だけ見るっていう話でアナタにぴったりだよ!」という尊敬している仕事のパートナー(ボス)からの複雑な気持ちになる助言もあり、ずっと気にはなっていたものの「とはいえシリーズものだしな・・・」というハードルを超えられずにここまできたが、ようやく観賞。

島田珠代

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私にとっての鬼滅は関西ローカルのバラエティ番組「小籔千豊には怒られたくない」のプレゼン企画で島田珠代姐さんによる迫真プレゼンのイメージが強すぎて、むしろ、このプレゼンが好きすぎて3回ぐらい繰り返しみてもはや鬼滅見る前に満足してたという背景がありますので、このプレゼンの内容がどこでどう出てくるんや?という視点ありつつの鑑賞になりました。(これ見たの2020年6月て、思ったより月日が経っているな・・・)

そのプレゼンの印象と違うってなったのは、ぜんいつで、「弱いんだ弱いんだ」って珠代が言ってたので、くよくよメソメソしてるか細い感じかと思ってたら、普通にビビリではあるけど、なよなよ感はなかったし、思ったよりハジけた感じのキャラクターだったのと、伊之助については珠代が「細マッチョで〜〜!も〜〜ギャン!んんにゃオン!って感じなんですぅ(照)」ていってたので、かっこいいキャラなんかな?って思ってたらそうでもなくて騒がしい奴で、幽白の桑原っぽいガサツでナルシストだけど男気があるよ系の奴だった。無数にある目をしばき倒した時は「かっこいい!!ありがとう!!」となった。

そして、炭治郎は珠代プレゼンに限らず、各所で「真面目でピュアでいい子だ」とか「長男だから我慢できた」みたいなキャラクター造形が世間一般からのネタバレみたいなのでもう知っていたので、その前提で見たけど、確かにそうだった。いい子だったわ。本当にね。伊之助のよくわからないノリにも「ありがとう!」って懇切丁寧にコミュニケーションとってたり、「俺が死んだらあの人が殺人者になってしまう!」とか本気で言ったりするのに、その真面目さがネタにされるわけではなく、普通にそう言う子なんだ、みたいになってて想像以上に真面目なんだなと思った。

無限列車的な自分

毎日ずっと眠くて、寝ても寝てもなかなか朝起きられなかったり、日中でもボーッとしてたりよくするので、それに対してボスには常々「自分自身が目覚めたいと思ってないから起きれないんやで」となかなか厳しいことを言われ続けているし、それを指して「あんたみたいな人がいっぱい出てくるよ」と揶揄されるなど、表面上は「ですよね〜」的なリアクションをしている自分だけど、内心は「えっ、ひどい」と思いつつ、図星なので「何か答えあるのだろうか」と思いながら見ました。結論を言うと、夢を見ることはやっぱだダメっぽいです。「いい夢ならいいんじゃね」(死んでしまった家族との幸せな時間とか特にね)と思ってたけど、ダメっぽいです!!!ちゃんと過去と決別することが今を大切にすることと繋がるって言う回答でしたが、そこは葛藤はあったけど、理由はなく、炭治郎の直感?そもそもの価値観?なのか、後ろ髪惹かれる思いはあるけど、価値観的な揺らぎはなかったので、当たり前として突きつけられたので、「「まあ、そうだよね」」と言う一般的な真理、というかんじでした。

これってただ夢を見る、って言う話じゃなくて夢の周りに無意識領域があって、さらにその無意識領域の中に「核」があって、その核を潰したら人間性が崩壊するって言う設定が「なんか深い!」と思いさすが社会現象を起こすだけあると思いました。炭治郎の無意識領域に侵入するだけで心が癒され、心を入れ替えた結核の少年、よかったね。そんなことなら全員炭治郎の無意識領域に連れてきたらHappyになるなん!などと思いましたし、さすがヒーローだ!!かっこいい!!と思いました。

心に炎をともして

とにかくこの煉獄さんと言う人が死ぬんだ、と言うのは、別に知りたくもないけど、自然と世間にネタバレされてたから「この人が死んでしまうんだ・・・」と最初から構えて見る羽目になったため、物語が進むほどに「ここまで心構えしてたら泣けないのでは」と不安になってきてた部分もあるけど、なんかすごい声と絵力とセリフの内容など様々な圧が押し寄せてきて「おおおおおーーーーっ!』となりなんか泣けてくる感じは味わえたのでよかった。もうすでに何回もLiSAやカバーするアーティストによって聞かされていた「心にほむらをともして〜」と言うフレーズがそもそもの壮大なネタバレていうか、肝心なセリフそのものなので、結構感動したけど「あ、このフレーズ曲のやつや!」となった。だけど確か、煉獄さんの瞳の中に炭治郎がうつっててそれでメッセージされてんよね。その時はだいぶ「おおお!」となってたはずだよ私の気持ちはね。もう自分的には、去年あたりに心がぽっきり折れてからは、全く心に気合が入らなくなって、それって心に炎がともってない状況やなってわかっているので、その力強い言葉聞いただけで、「私にはないんだ」と思えて泣けたシーンだったわ。もっとも印象的だったセリフはここかもしれんな。

LiSA

主題歌の歌詞の全てがこの映画の物語に捧げられてるから、この一連の映画が集めたパワーが全部LiSAにも乗ってきてすごいことになってるんやな、と思った。

映像

鬼滅は漫画というよりアニメになって火がついたという論調を聞いたことがあったので、映像を注目して見てたけど、その評判通りよかった。なんか黒の縁取りがあえて強調されてて「和」という感じだったし、最後の煉獄さんの炎の塊が鬼にガーーーーーといくところなど非常に見応えのあるシーンで、「すごいぞ・・」と感じた。毎回、何何の型・・・・とか言い始めると「シュパパパパ!!!みたいなやつが見れる!」とワクワクするものがあった。

珠代プレゼンで「結局は鬼に感動してまう」という部分がピークに感情が爆発してたから、その鬼の悲しさみたいなのに非常に期待してた部分あったけど、それについてはあまり見所がなかった。ただの猟奇的殺人者というか・・・快楽を求めて「ヒャーッヒャッヒャッ!苦しむ顔見るの楽しーーーっ!」みたいな古き良き悪者という感じだったので、「あれ??」という感じでした。


最後の哲学対決みたいなやつ

結果的に言葉の力は迫真の演技みたいなの圧倒されて、気にならなかったけど、途中までは「???」だった最後のバトル。だって!!!無限列車と融合してたあの夢みさせ鬼倒したやん!その後に突如として、階級が高いっぽいおに出てきたけど、鬼倒したら上司出てくる的なシステムなんか?と戸惑いを覚えた・・・。何かしらの設定があるのかもだけど、初見で見た私からすると、列車の鬼は人を食いまくりたいって目的があり、次に出てきた鬼は煉獄さんをスカウトする目的で来たけど、それ今???っていう。なんで今スカウトしに来てん。弱ってるから何?WhyなぜNowきたんよ。と。なんか唐突感があった。しかも珠代姐さんが一人芝居してた「人間とは儚いもの・・・」的な名言も突如と出てきたわけで・・・・「あっ!名言!名言でたよ!」と見逃さぬようこっちは必死よ!急に「人間とは」「鬼とは」っていう大きなテーマでてきたやん。となりしばらくうろたえた。とりあえず煉獄さんが「絶対鬼にはならん!!」という強い気持ちはわかったけど、鬼の条件も良さげでは、と初見の自分からすると思ってしまった。これはシリーズ知ってたらもっと感動できたのかもなぁ。鬼と人間の因縁みたいなものに対する知見がなさすぎてわからない部分だった。煉獄さんの目力とか根性とか周囲の反応やらなんやらバトルの迫力のおかげで問答無用に引き付けられたから、置いてけぼりには全くならなかったけど。

炭治郎ありがたい

最後、煉獄さんが死にかけで、鬼が逃げていくところで「鬼ーー!逃げるなーーー!卑怯者ーーーー!煉獄さんは負けてないぞーーー!」っていうところ、「えっ、非常に優しい!」となった。炭治郎が常にそばにいて肯定し続けてくれたら自己肯定感が高まりそうだ。最後のバトルシーン「これは煉獄さんが主役か?」となったけれど、炭治郎のありがたみが非常に印象に残りました。いい子だね。

まとめ

映像に迫力あり、キャラクターもみんな魅力的だし、物語もすごい引き込む力があるし、素敵な作品を見れた!という気持ちになった。これだけ流行ってる作品だけあって、初見でも見応えあるし、置いてけぼりにならない(ただし、「これちゃんと見てたらもっと感動できるんだろうな、感情移入できるんだろうな・・」と思うポイントは多々ある)。でも、私には自分を投影できるキャラクターがいなかったので、刺さりまくって胸が痛いし号泣してもうたわ!的にはなりませんでした。なんだかんだ、みんな信念がある。泣いたり迷ったり葛藤したりはあるけど、ベースに信じられるものやピュアに進みたい道があるから、根本的に気の迷いがないので私に入る余地がないぞ!!という感じでした。

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