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映画「ドクター・デスの遺産」感想(ネタバレ)

珍しく朝7時ぐらいに起きて、8時半には神戸で仕事をするなどで「働いたぞ」という感じになったのに、昼過ぎからはモチベを完全に失い、夕方にようやく諦めて「何かしたい」と考え、癒しを求めて梅田ブルク7に行った。ミステリー?サスペンス?的な感じなので、いろんな展開が畳み掛けられ、物語に引き込まれつつ、どこか人間について考えさせられる的な感じと、映画を見てる時間は現実逃避できるという期待感を持って鑑賞した。

「安楽死」を題材にするだけあって、深い何かしらを求めてたけど、なんか「おもてたんと違う」感で終わったので悲しい。なぜおもてたんと違うってなったかを、書こうと思う。

まず綾野剛が演じる犬養が、常に感情的でガサツで「あああああっ!」って叫びながら物に当たったり人に当たったりして、まず「えっ、、」と思った。「女の子にモテないぞ」とか焼肉屋で酒をあおる北川景子に「お前マジでおっさんだな」と言ったりしてなんか「登場人物」感がすごくて人間味を感じられなかった。記号以外の何者でもないというか、、。娘がパパを好きなのはいいけど、特にエピソードもないのでその親子感の感じも感情移入しづらかった。

特に、ガサツで感情的なのが嫌というのもあるけど、北川景子演じる高千穂に「この事件に被害者っているんですかね?」って聞かれて「人が死んでいるから犯人捕まえるのが仕事」ってそのまんますぎて「薄・・・」となった。木村佳乃演じる雛森や、柄本明演じる寺町の方がよっぽど人間らしくて、どんな顔を見せてくれるんやろ??と思ったけど、その先はなくて犬養劇場のまま終わってしまった。

特に、安楽死を望んだ遺族の言葉は悲痛で、それを怒鳴り散らしたりして必死に犯人探している犬養がなんらかの正義に突き動かされて動いている感じだけど、正義が薄すぎて「もっと人の気持ちわかったれよ・・・」と悲しい気持ちになった。最後のドクターデスも特に哲学がないサイコな自己中野郎みたいな描かれしてたけど、なんか寂しいよね。そういう話だったんだ・・・。という感じで。

デスが犯行に及ぶ際に、犬飼の娘の気持ちをうまく汲み取って、オセロの男の子と仲良かったから、彼がなくなって寂しいよね、っていう言葉かけてあげたり、カウンセラーとして自然に病室に忍び込んで演じて信じ込ませる巧みさだったり、そういう細かい「技」みたいなのに神が宿るというか、そこに心の動きがあるし、そこがデスのすごいとこちゃうんかな?と思うので他のケースではどうやって寂しい心や家族を思う気持ち、それに対して申し訳ない気持ちみたいなのを炙り出して、「あっ、自分ってこう思っているんや」って心理を操っていったのかが気になるなと思った。あのハーブティーって催眠をかけやすくするための何かの薬が使われているの???急に不安定になって「こわっ・・・」となった。

安楽死を求める人に対して、それは本人が望んでいても、本当に実行しちゃったら殺人だよ、っていうのは簡単だけど最初の大地くんのお母さんが言ってたように「そうするしかなかったんです、精神的にももう限界で(意訳)」と言ってなのが全てで、その気持ちが消化される物語かと思ったから最後まで回収されないからなんか腹立った。「ダメなものはダメ、殺人だもん」で終了。最後の犬養娘は「生きたい」って思ったから助かってよかったし、みんなで力を合わせて助けてよかったけど、それってなんか話変わってないか???と思った。ドクター・デスは安らかな死人の顔を「美しい」と感じるわけで、「生きたい」と思った犬養娘を殺す理由がなさすぎて、ただ最後に「犬養が犬養娘を助けました、めでたしめでたし。命は大切に、ちゃんちゃん」ってまとめただけで終わって悲しい。犬養娘が「生きたい」って願う演技は切実ですごく迫力があって「すごい」って感じたのでそこはよかった。

最後のオチ「お父さんより素敵な人を見つけてお父さんより好きになるんだもん」っていうのが「幸せってこうだよね」っていう更なる念押しで「しつこい」と思った。

そのほか、細かいところで思ったこと

・・・柄本明が全速力で走った時に心の中のノブが「心臓が張り裂けて死ぬど!」と叫んだ。自分ならあれだけフル速度で走ったら張り裂けてしまう。30半ばなのにもう階段登っただけで息切れする。もう柄本明もおじいさんなのに体力あってすごい。

デスが「あなた、私のこと蛆虫みたいで薄汚いって言ったね」てキレてたけど、蛆虫やゴキブリも生きているし、人間の体やゴミ屑を分解する役割を持っているんやからそこはなんか、深い感じでくると勝手に思ったけどただの暴言として処理された木村佳乃も柄本明もヤバめの役柄でゾクゾクしたけどやばい感じが一瞬で終わって、あとはありきたりな悪役みたいな感じで終わったから「もっとないん?」って物足りなさを感じた。久しぶりに映画見たから思い出したけど、癖のある人が出ているのを徹底的に探せば面白い映画に辿り着くかもしれない?

北川景子の足細くて長くて、「パンツスーツはいて、パンツスーツがこんな方にななる人おるん??」と思いながら、ひたすらパンツスーツのパンツ部分に目がいった。腰の細さも尋常じゃなかったけど・・・。後は声がキレイ。発生が女優って感じでかっこいい喋り方。北川景子も木村佳乃も声がキレイで「きれい」って思いながら映画館に来てそれを堪能できることがいいことだと思った。

めっちゃ細かいことやけど、電話してた音声をスマホで録音してて後で鑑識的なものが分析するシーンあるけど、スマホで通話した声って録音できないよね?前に一度、結婚式のビデオを作った際にメッセージを集めてて動画が無理な人は音声にしようってなった時電話の声を直接録音できずに、スピーカーにしてレコーダーで撮ったの思い出した。盗聴など犯罪防止のためLINEやアイフォんの通話って録音できない仕様だよ!って強く感じた。

後、みょうに病人の描写がリアルなのが腹立った。自分の家族の臨終のことを思い出すので・・・物語に必要な描写だとは思うけど、なんか大袈裟だし、、。これ見てて思ったけど大袈裟じゃない映画が見たいなと思った。それから「殺すのはダメだからダメ」みたいな正義がシンプルじゃないやつが見たい。「永い言い訳」みたいなやつがまた見たいな・・・。クズみたいな自分だけど、クズじゃないよって、優しくされたいよ・・。「ルールはルールだから」って言われたら辛さしかないよね・・・。

映画作る人にも事情があると思うけど、時間に制限があったり話をまとめきれないとか起承転結のちゃんとしたストーリーがないと話が成立しないから、現実がどうとかメッセージ性がどうとかぶつぶつ文句言うのもなんか、自分の文句屋な感じが嫌な気分になるけど、それでも形にして発信ししたら誰かからの反応があって、ポジティブでもネガティブでもどちらにしても誰かが感想を述べたりできるし、それができる人は羨ましいしかない。大都会東京で企画書書いたりキャスティングしたりスケジュール通りに動いたり誰かから横槍入れられながらも、作品にしてかたしにしていく、形にし続けられる根気とモチベがあるだけですごいとしか言いようがない・・・。とか言うと自分が悲しくなるけど、ネガな部分を心の中に置いていると発狂しそうになるので、感想という形で色々まとめてみた。しばらく続けてアウトプットに慣れていきたい。

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