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革の色チェック



日々デザインの仕事をしておりますが、革(レザー)を素材として扱う時があります。
毎回、さまざまな革素材や色をオーダーして、製品化の前に質感のチェックや色のチェックを行っています。
これが単純作業に見えて、意外に大変なのです。

毎回、継続的にオーダーしても同じように上がらないのが、風合いと色味。


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大雑把に見れば、大体一緒だねってところまではもちろん出来上がってきますが、よくよく見ると違うのです。

素材の段階では違和感なくても、形にすると違和感があったりする時があるので慎重に行なっています。
素材を裁断して、製品が組み上がってしますともう手遅れなので。。

「特にナチュラルな風合いの革は大変です。
一枚の革でも色の濃淡がありますし、20枚ほど重なって仕上がって納品された革は微妙な色味の濃淡を出してきます。
人工物でも極端に言うと、正確には揃わない部分ってありますが、天然のものはより難しいです。
どう言えば、良いのでしょうか。
品質良い高級スキンケアグッズだとしても誰にでもあうわけではないですよね?
それは肌の特性がそれぞれみんな違うからだと思います。

それは牛や羊、山羊もみんなそれと同じことなんじゃないでしょうか。
ですから、大きく牛で分けても生まれも育ちも違いますから、染まり方も出来上がりも違います。と思っています。

でないと、毎回なぜ色が違うんだよ!って気持ちになります。
ちゃんと調合したの?ちゃんと色合わせしたの?ってキリキリします。

ただですね、どちらの気持ちも大事な部分なので、革屋さんに嫌がられても、厳しく色調整をしてもらったり、風合いの調整をしてもらったりします。
逆に全くの人工物ではないのでそこの理解もしっかりとした上で、いつも努力していただいている革屋さんに敬意を払ってコミュニケーションしています。


そして、日々こんな感じで革の色チェックと風合いチェックしています


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これは中央の色が色見本です。周りが今回上がってきた革のあらゆる部位をランダムにカットして貼り付けたものです。そうすることで許容値を確認します。
革のしぼの感じや色の濃淡など、バランスをとります。

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悲しいくらいに商品が出来上がったら、全くそんな葛藤や試行錯誤は見えないし、わからないですが、そこを怠ると商品にその気持ちが乗り移って、お客さんへ伝わる魅力が半減すると思って、日々立ち向かっています。


ですから、良い商品は良い商品なはずですよ。理由があるはずです。

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