両親へご挨拶(彼の家編)
彼と私は遠距離恋愛。彼が東京で私が大阪である。
実家はお互い大阪。
彼の実家は北摂だが、大阪市の中心部にオフィス用マンションを借りているらしく、ご挨拶はそこでとなった。
今までもご両親と顔を合わせたことはある。が、ちゃんと紹介してもらうのは初めてだった。
男の子と親の関係というのはよくわからない。
親は息子の女事情や付き合っている彼女についてあまり知りたくないものなのだろうか。で、息子は親に知られたくないものなのかな。
数年前彼の舞台を観に行った先で、ご両親と鉢合わせたことがある。
私はてっきり紹介してもらえると思い、舞台終わりのロビーで、彼や彼のご両親や親族が集まる団体のすぐ隣にくっついていた。
「もしかして、彼女?あんた、紹介しなさいよ」
「紹介するよ。こちら、彼女のぶるさん」
いつそんな会話が出るだろう。と、なんとなく輪に入っているような入っていないような、微妙な距離と笑顔で突っ立っていた。
しかし、そんな会話は一向に訪れず、お母様に怪訝な顔をされて終わった。
そりゃ怪訝な顔もされるわ。
切ない記憶だな。
(でも、今日は違う。)
この日が来たことが心底嬉しかった。
近所のアウトレットで買ったアイボリー色のワンピース
薄いキャメルのハンドバッグ
いつもがっつり跳ね上げるアイラインは、気持ち細めの短めにしておいた。
マンションに着くと、ご両親は笑顔で迎えてくださった。
千鳥屋の手土産も喜んでくれた。
お父様は穏やかでやさしそうなかんじ
お母様はハキハキしててしっかりしたかんじ
(失礼のないように、かんじの良い人間だと思われなければ。)
結婚の許しをいただき、お母様お手製の中華料理をご馳走になった。(我が家ではまずお目にかかれない高級そうなシャンパンまでご用意してもらった!)
お母様はよくしゃべる。
・・彼もめちゃくちゃよくしゃべる。よく似ている。
『昔から家での会話はオカンと僕との話題の取り合いだった』
彼がよく話してたなぁ。
私は元来大人しめな性格で(たぶん)
超高速のバトミントンみたいな会話のラリーに横でへらへらするしかなかった。(だが酒は遠慮なくいただいた)
宴もたけなわ、お暇しようと玄関に向かった時
「ライン交換しよう」
お母様が言った。お父様も言った。
私はご両親それぞれとライン交換することになった。
「月一でやってる、私のお料理教室にもおいでよ!」
失礼のないように、かんじの良い人間だと思われること
が目標だったのだが、
どうやら月一で楽しく仲良く時間を過ごさねばならないらしい。
(気負わないでおこう。フレンドリーなご両親だし、無理のない範囲で参加させてもらおう。)
ありがたい話だし!
どちらにしろ職業上家からなかなか出ない身だし、たまにはね!
また近々お邪魔することを約束して、彼に駅まで送ってもらった。
彼も満足気で、あぁ、結婚するんだなぁ としみじみ思った。
次回、彼のおばあさま宅、九州旅行編
ありがとうございます。アルコール消毒に使います。