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2023.4.10 ユートピアを実現する 三橋貴明氏

三橋のユートピア 現場で汗水垂らして働く国民が豊かになる日本国【三橋TV 第688回】 2023.04.10

https://youtu.be/HbjHocE5olY

1:20~


「実質賃金は、生産性で決まる」(外部要因2つ・・・「消費税増税」「輸入物価の上昇」)


三橋氏
今日はね、ちょっと「実質賃金」について話したいんだけど、
もちろん「実質賃金」って、基本「生産性で決まりますよ」と繰り返してきましたね。

そこに、「外部から影響を与える要因」「2つ」あって、「消費税増税」「輸入物価の上昇」でした。
これは、「国民経済の、外側の話」だから、どうにも「生産性と関係なし」に、「実質賃金」を「上げたり、下げたり」します。

高家氏
はい。

三橋氏
ここまでいいですよね。

高家氏
はい。

三橋氏
で、「実質賃金」って、「物価の上昇の影響を除いた賃金」なんです。
だから、普通に考えたら「物価が下がってる時」は「実質賃金が上がる」と思うでしょ

高家氏
思います。

三橋氏
思いますでしょ? 違うんですよ。

高家氏
えっ?

日本の「実施賃金の推移」は97年がピーク


これがですね、「日本の実質賃金の推移」(赤)ですね。

まぁ、「97年」をピークに、ひたすら落ちてったわけなんですけど、
こっちね、「実質賃金」計算する際に使う「CPI」「持ち家の帰属家賃を除く総合」(青)

ほら、下がってってるでしょ?

高家氏
はい。 あれ? 上がって?

三橋氏
あ、ここはね「資源高○?」、

ここ、「資源高○?」で上がって、また下がって、

つまり「物価(青)が下がってる」んのに、「実質賃金(赤)」が上がらなくてですよ?

「下がってってる」っていう現象が、「2012年」まであったんです。
これ、何でわかる?

だって、おかしいでしょ? 「物価下がってる」んのに、「実質賃金が下がる」って。

高家氏
何で一緒に下がっちゃうんですか?

小泉政権下の「雇用の流動化」「派遣法」により、「名目賃金」が下がりまくる日本


三橋氏
「物価が下がる」以上のペースで「名目賃金」が落ちていったからです。

高家氏
あ、「名目賃金」も落ちてるんですか?

三橋氏
つまり、ものすごい「給与の削減」が進んだんです、と、この時期ですね、「98年以降」
特に「小泉政権」、その前から、まぁ「その前から」だよね。

高家氏
えっ、どうやって削減してたんですか?

三橋氏
ん? だから「雇用の流動強化」〜

高家氏
ああ〜、なるほど〜。

三橋氏
「派遣法改正」〜、とかですね。

高家氏
う〜ん。

三橋氏
だいたい「デフレ」ですから、企業としては「賃金切り下げる」インセンティブ、働きますよね?
だから、そこに「雇用の流動性強化」とか「労働規制の緩和」とか、色々乗ってきたから、だから「賃金」実際下がってたんですよ。
「物価」下がってんだけど、それ以上のペースで(名目賃金が)落ちてくっていう形で、「実質賃金が下落」してた。

高家氏
なるほど。

三橋氏
地獄ですよね。

高家氏
はい。

さらに「2014年  消費税増税」の追い討ち


三橋氏
で、「2014年」から事情が変わりまして、別によく変わったわけじゃないんだけどね、
「14年4月」に何か「イベント」あったでしょ?

高家氏
「消費税増税」

三橋氏
「消費税増税」。
「消費税増税」以降ですね、この「実質賃金」計算する際の「インフレ率」がですね、「ババババババ〜」って上がっていった。

ここは「輸入物価の上昇(青)」だよね、

ことで「実質賃金が下がる」って事で、我々は「97年」以降の「デフレ期」にですね、「12年」までは「物価下がる」んだけど、「実質賃金」が「それ以上に下がる」というような形で苦しめられて、
「2014年」以降は、「名目賃金増えない」んだけど、「物価が上がる」から、「実質金利が下がる」という形で苦しめられ続けたわけなんですよ。

一番「現場で働く人たち」の給料が、減らされ続けてきた


でね、これはなんか本当に「問題だな」と思うのはですよ、
「現場で働く方々の給料が伸びない」もしくは「下がる」という状況が続いたんです。
すると、どうなるでしょう?と、いうことなんですね。

「若い世代」がですね、「そういう業界に入っていかなくなる」

高家氏
うんうん。

三橋氏
で、最近話題になったんだけど、「大工さん」の数が「激減」してんのね、確か、ピークの「3割」ぐらい。

確かに昔は「持ち家」建てる人多かったから、「大工さん」多かったってのわかるんだけど、「ちょっと減りすぎじゃねぇの?」と。
しかも、めちゃめちゃ「高齢化」してますからね、「30代以下8%」ぐらいしかいないの、これ「家建てられなくなる」んじゃない?論理的に必ずそうなります。

高家氏
技術とかが(受け継がれていかなくなる)?

三橋氏
うん、そう。「人もいない」「技術もない」と。

大工さんや、ドライバーにの方々にこれから起きる危機は、一見「良いこと」だが・・・


あるいは、「運送サービス」に従事する「ドライバーさん」多分来年ですね、その「運送危機が起きる」、知ってます?

高家氏
あぁ、なんか聞いたことあります。

三橋氏
これは、要は「ちゃんと労働時間守りましょう」ということを徹底するんですよ、来年「24年」に。
普通に「人手不足」になるだけですよ。

高家氏
はい。

三橋氏
ただでさえ運転手さん不足でみんな苦しんでるところに「これ以上働かせちゃいけない」と。どうするんじゃ?、と。
いう、おかしな規制ね、もちろんね、何だろうなその「働き手の労働時間を規制しましょう」ってのは、まぁ、まともな話ですよ、一応、「方向的」には。
(ただ)「今やんなよ、お前」と。
多分ね、その「Amazon」とかを筆頭に、ものすごい「ネットの購買」が増えてるんですよ。

高家氏
そうですよね? 私も、すごい使っちゃいますもん。

三橋氏
そう「ドライバーさんの数」は必要なんだけども、それが「増えない」。なんでか?と、「賃金が安いから」です。

どんどん安くなっていく?


で、その「じゃあなんで安いんですか?」と、
やっぱりね、その「大手の元請けと下請けの関係」ってのがあって、「下請けの運送会社」とかが「運賃上げられない」

最低「燃料が上がった」「サーチャージだろ」って話だけど、これ別に「法的に決まってるわけじゃない」んで、それも「上げられない」んで、飲んじゃう、と。
普通に「赤字」になりますよね、「仕事を請け負ってる」方が。

「じゃあ、値上げしろ」って話なんだけど、

高家氏
「値交渉」もしにくいし?

三橋氏
そう、(値交渉もしにくいし、)「聞いてくれない」し、と。
「どうしても値上げじゃないとダメです」って言われたら、「切られる」っていう怖さもあるからできない、と。
やらなくちゃだめだよ、やんなくちゃダメなんだけどもね、せめて「燃料代分」は乗っけなくちゃいけないでしょ、常識的に、って話なんだけど、
それができないで、中堅の運送会社とかが困ってる、苦しんでるのね、現実に。

そこに「人を働かせる時間を制限しよう」と。「廃業」が続出するんじゃないかな、と。

高家氏
確かに。

「ヤマト急便」の「値上げ」


三橋氏
「儲からない上に、仕事を受けられない」という、変なことになるんですよ、だって「人がいない」ということになっちゃうから。どうすんの?これ、と。

でもね、最近うちにもレターきたんだけど、これが前から、偉いんだけど、「ヤマト急便」が「値上げ」しました。
その「お願い」だから、「下の方」にも回してあげたいんよ。

高家氏
そうですね〜。

三橋氏
やっぱり「もう耐えられないんだ」と、「お詫びの手紙」とともに「こんなに上げますよ」って来たんだけど、
それ「上げる」のは全然いいんだけどね、しょうがないから、
はい、それが「ちゃんと業界全体に行き渡る」ようにね、「最大手」なんですから、やっていただきたいな、と。
でもね、やっぱね、「ヤマト」さんが上げると、他のとこが「上げやすい」と、

高家氏
ああ、そうですね。

三橋氏
それは本当にそうなんです。
ということで、「今回も立派だな」と、前回も同じような話だったんです。(そう)思ってるんですけどね。

現場で働いてくれている方々に恩恵ある社会を


で、私のこの「理想の日本」ってのは、それこそ「運送業」で働く「若者」とか「大工さん」として働く「若者」あるいは「介護」とか、いろんな分野ありますけどもね。
その「現場で働いている方々」がですね、「安定的に所得を増やして」いけて、それで「結婚」できて、「子供」を産めて、で、「家電」や「車」をローンなんて余裕で買える、ローンで買えて、ローンで知ってる?そもそも。

高家氏
一応私、知ってます。

三橋氏
でも、やったことないでしょ?

高家氏
ないです。

三橋氏
ないでしょ?

で、そして「家を建てる」ことができる社会です。
別に、ご夫婦働きたかったら、両方働いてもいいんだけど、どっちか片方でもいいですよ。
どっちか「片方の稼ぎだけで、それが実現できる」その「国民経済」ってのが「私のユートピア」です。
私だって完全に「ユートピアニズム」から無縁なわけじゃないんだよ、

ということでございまして、ブログでございますけども、つまり「3月24日」エントリー「真面目に働けば所得が安定的に増えていく国を目指しましょう」よ、ということで書きました。

高家氏
はい。

「少子化」は、「正社員」でないと安心して産めない?


三橋氏
で、これ「少子化問題」って、多分「ターニングポイント」になるかもしれないなと思って、
だって、これがドドドっていろんなメディアで始めたじゃん。

その「男性の従業上の地位雇用形態別有配合率」、つまり「正規社員は、34歳だと60%近い」んだけど、

「パートアルバイト・非正規は、2割ぐらい」で、ちょっとそんなんだけど、これ「階級です」、と。
私は、ずっと昔から言ってきましたけど、最近この問題がちゃんとクローズ アップされるようになった。

まあ言っても言っても、「誰も聞いてくれない」(前は)

高家氏
​​ええ〜。

三橋氏
多分、「危機感」なかったんだと思う。

高家氏
「何に影響してるのかも(わからない)?」みたいな。
​​
三橋氏
「あぁ、少子化?大変だね〜」(みたいな感じ)。 でも、その「減り方」が半端ないから、今。
だから「変わってきてんだろうなぁ」と思うんですね。

日本は「97年」以降「名目GDP」が増えていない(こんな国日本だけ?)


で、「日本」って「本当に愚かだなぁ」と思うのは「97年以降」に「名目GDPが全然増えてないです」。
「名目GDP」って何かというと「所得全体の合計」ですね、「金額で見た」。

高家氏
​​うんうん。

三橋氏
それ(名目GDP)が「増えない中」で、「構造改革です」「雇用の流動性強化です」、あるいは「運送サービスの規制緩和です」って、本当にやったんだけど。
ってことをやってたら、「競争激化する」じゃないですか。

高家氏
​​はい。

三橋氏
すると「パイの奪い合い〜」っていうのになっていくわけ。
高家さんだって、嫌でしょう? なんかうちの会社はいいとして、そのレースクイーンの業界に、なんか「倍」ぐらいの(数の)女性が入ってくる、

高家氏
ああ、大変になりますよね。

三橋氏
それはもう「競争」がとんでもないことになって「価格」が「下がる」

高家氏
下がりますよね?

三橋氏
当然、下がります。
「高家さん、別の人に頼むからいいや、次回は、」。

高家氏
う〜ん、わかります。

三橋氏
みたいな感じになるでしょ? 

現場で働く人には「安定した賃金」を


「運送会社」もそうなっちゃったんですよ。

高家氏
うんうん。

三橋氏
「6万社」とか確か潰れたのかな?
そうなるとですね、その「働き手」が非常に「侮蔑」されるような環境になってきます、「現場で働く人」が。

それは「大工さん」とかですよ、「運送業」とかに「若者」行かないよね?
何をやってるのか?仮に、何やってるのか?知らないんだけど。

そうじゃないよね、そうじゃない。
そういうとこで働いた人がですよ、ちゃんと「安定的」に、「実施賃金が伸びていく」って環境を作れるんだから、
単に「デフレから脱却すればいい」だけなんですよ、ということです。

高家氏
はい。

三橋氏
だから、もうね、これね、あのさすがにこの「賃上げの浸透」に向けて「非正規社員の処遇改善」が重要になったということ で、それで日本は多分「4月」にですねその「賃金引き上げる」と思います、「多くの企業」が。
でも「大企業」だけだからね、「上場企業」だけで、「中小(企業)」はあまり上がらないと思う。

「中小(企業)」が「7割の雇用」を引き受けてるんだけどね。

日本に「パートタイム従業員」比率が増えるほど「平均賃金」は下落する(当たり前)


で、この増える「非正規」日本統出云々のですね、この図がですね、結構「衝撃的」だったんだよね。

「平均賃金上昇率」

「パートタイム労働者比率の上昇幅」、「絶対数」じゃなくて「上昇幅」

いや、見事なもんですよ。
つまり「パートタイム労働者」の「比率」が増えればですね、「平均賃金上がらない」
これ「95年から20年」

高家氏
はい。

三橋氏
まさに「日本のデフレ」の時期なんですけど、こうなるに決まったんだろうと、
多分、これね「ギリシャ」だと思うんだよね、だと思うんだけど。

「アメリカ」なんかは「パートタイム労働者」全然増えてないんですよね。
はい、一応言っておきますけど、「アメリカ」は「正規社員」でも「簡単に切れる」という事情もありますよ、確かに。
でも、少なくとも「平均賃金上昇率」はですね、「50%」を超えている。

「イギリス」「パートタイム労働者比率」は、英国マイナスか、ゼロですね、ここは米国マイナスですね、
米国ゼロで、「60%賃金が上昇している」と。

これ「名目(GDP)」で見てると思うから、実質的に「本当にそこまで豊かになったかどうか」ちょっと話別なんですけども、少なくともこういうデータがですね、ちゃんと示されるようになったってのはですね、なかなか感慨深いものがありますよ。

経団連、新聞は「スルー」、それは我々に「安い賃金」で働いてもらいたいから?


で、なんで今までその「経団連」とかね「日経新聞」とか、これ「日経」でしょ?とかがこういう図をちゃんと出して「問題意識をみんなに持たせようとしなかったのかな」というのはですね、
それはまあ「安い賃金」を望んでるからですよ、「経団連」が。

高家氏
ああ〜、まぁ、そうですよね。

三橋氏
「中小企業」って、「経団連」みたいのが「ない」ので、「事実上ない」んですよ、なので「政治的な声あげられない」


続きはYouTubeで確認🐈

https://youtu.be/HbjHocE5olY

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