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2022.12.19 今の「税金の在り方」は「国民のため」になってます? 三橋貴明氏

「立法措置が必要でハードルが高い」というレトリックに騙されるな!【三橋TV 第640回】 2022.12.19

https://youtu.be/vYJ_vvL-xQ8

1:33~


「税金」のイメージ?

三橋氏
さあ、「税金」!
高家さん、私とずっとこの仕事やってるから、「税金のあり方」について、自分の意見っていうのもが固まってきてません?

高家氏
ん〜、まだぼんやり‥。

三橋氏
「税制」でもいいですけどね。

高家氏
ん〜、やっぱり‥「バランスを取るための税金」‥。

三橋氏
何のバランス?

高家氏
なんていうんですか、「世の中のバランス」‥。

三橋氏
たとえば「格差が縮小していく世の中がいいですね」「拡大していく社会がいいですね」でもいいんですけども‥。そっちの方向に向かって「税金」っていうのは、本来「あり方」を決めるべき、なんですよね。

「フラット税」とは「一律」のことだよ

「日本の『税金』」ってやっぱ色々おかしくって、「住民税」ってあれ「フラット税」なの。

高家氏
「フラット税」って?

三橋氏
「パーセントが同じ」ってこと。「10%」でしょ?「昨年の年収」の。全員が。
だからあれは「格差の拡大」の方向です。

で、「所得税の累進課税」っていうのは、これは確かに「格差の縮小」の方向にもってきますけれどね、「フラットじゃない」でしょ? こう上がっていくでしょ?

高家氏
ああ、「フラット」はずっとこうだから。

三橋氏
そう、「全員10%」。

高家氏
すっごい稼いでも‥?

三橋氏
「10%」。

「所得税」は「一律じゃない」よ


「所得税」は、「最高45%」。

でも、「住民税」は自由だからね、「55%」なんですけれどね。
これ、昔、「80(%)」近かったような気がするけどね。

だから日本は、「格差を拡大」する方向に「所得税の累進課税を緩和」してきたわけ‥なんですよね。

で、「最悪の税金」、「消費税」もそうなんだけど、「個人の生活にとって最悪の税金」って実は何なのかわかりますか?

高家氏
個人の生活にとって?

三橋氏
「フラット課税」どころじゃないんだよね、これ。

高家氏
え〜、「消費税」じゃないんですか?

三橋氏
まあ「消費税」もそうなんだけど、消費税は実際は「事業者の付加価値」にかかってるからね。

個人の生活にとって最悪の税金は「社会保険料」だよ、意外でしょ?

「社会保険料」です。

高家氏
「社会保険料」?

三橋氏
はい。
「社会保険料」って、月額標準の価格が、確か「60万円」ぐらいで「MAX」なんですよ。

だから、どれだけ稼いでもですね、「月額標準報酬」の社会保険料しか払わないの、お金持ちっていうか、所得多い人は。
だから「「逆」累進課税」なんです。
だから「人頭税」なんです。

「人頭税」って「フラット課税」よりひどくって、「1人いくら」ですよね。
「1人10万円」、例えば、「年収1億円の人も「10万円」」、「年収200万円の人も「10万円」」。
これが一番残酷で、この税金を入れようとすると、だいたい政権が倒れたりとか、国が滅ぶんですよ、この税金っていうのは。
「必ず格差拡大する」から。 で、「貧困層は這い上がれない」です。

フラット税ってね、貧困者が「這い上がれないようにする」ものなの

で、「消費税」も「消費によって、そのまま転嫁される」「消費税増税分が価格に転嫁される」ってなると、「「逆」累進課税」ですよね、当然。
低所得の方が、「消費傾向が高くなっちゃう(収入比)」から。

‥ということをこうちゃんと考えて「どういうふうに国を持っていくんですか?」ってものがちゃんんとあって、で「税制どうするんですか?」というのを考えるべきなんですけれども‥。

だから、逆に言うとあれですよ、日本もう「消費税は導入する」し、さらには「社会保険料は上限の報酬変えてない」し、「累進課税は緩和」するし、「法人税は引き下げる」し、ということで、「格差を拡大しよう」という国家目標があったわけですね。

「分離課税」もそうですね。
「どれだけお金もらっても、上場企業からの配当金だったら20%ですよ」と。
そういうことを全部やってきたから、まさに「国民の格差を拡大しましょう〜」っていう国家目標があったってことなんです。

高家氏
‥「思えば」みたいな?

三橋氏
思えば‥(笑)

これ、どうなんだろう? 多分「そういう形のがいいんでしょう」という空気は確かにあった。

高家氏
え? あったんですか?

「みんな同じじゃダメだ〜」と声高々に張り上げていた時代

三橋氏
なぜかというと「1億総中流」といわれた「高度成長期」、バブルを経てですね、日本人がなんか「均質的なのがダメだ」みたいな‥。

高家氏
均質的?

三橋氏
つまり、「中間層」がやたら分厚いんですよ、日本って。

高家氏
いいんじゃないんですか?

三橋氏
いいんですよ、それはいいんだよ。いいんだけど、「お金欲しい」「頑張って働く人はもっと稼げるようにしないとダメなんだ」‥みたいな感じですね。

だから「累進課税」、とくに「累進課税」なんだけど、「ものすご〜く所得稼いだ人が、こんなに税金取られるんじゃやる気を無くす」みたいなそういうレトリックあったよ。

高家氏
へえ〜。

三橋氏
実際そんなことなんだけどね。そういう言われ方がして「みんなが同じ水準であるのがいけないんだ」みたいな。

高家氏
何がダメだったんですか? みんなが同じ水準だと。

三橋氏
ノリ。

高家氏
ノリ?

三橋氏
なんだろう、「均質的なものはよくないんだ」みたいな。だから「伸びる人はもっと伸ばすべきだ」みたいな真っ当な言い方もできるんだけど、でもそうじゃなくて、日本人は「非個性的である」であるとかね‥。

高家氏
ああ。

三橋氏
わかりません?

高家氏
‥なんとな〜く。

そんな自由なイメージに上手くだまされた国民?

三橋氏
「個性的」なのがいいんです。
あ、これ、話の延長に「フリーランス」の欄がある。
「みんなが会社に勤めて」終身雇用だったから「ずっとそこで働いて」と。
実はそんなことなんだけど、「イメージ」なんだけどね。
そういう「決められた道しか進めない日本人がダメなんだ」みたいな。

だからまず「フリーター」「アルバイター」がきたんです。
「もう会社に就職するなんてダサいんですよ」と。
「フリーアルバイター」の略だと思うんだけど、語源がわかんなくなってきちゃった。
「フリーターになってそれで自由に働くほうがいいでしょう?」と。

でも考えてみたらこれ「雇用の流動化の始まり」だったんだよ。
で、そのうち「フリーランス」きたでしょ?

だから「フリーター」にしても「フリーランス」にしても「不安定」ですよね。
「若者が不安定ですよ」「結婚ができませんよ」、特に男性がそういうことやってると‥。
そうすると「少子化になりますよ〜」という感じの道を「キレー」に走ってきてるんです。
まあ、このままだと日本人消滅なんだけどね、まじで。

このままだと日本人消滅?

なんとかしないといけないから、それを転換しないといけないんですけど、だから、あれですよ、
まあたとえば私が「日本の総理大臣」です、と。 で「一個だけ決めさせて」と。
「国家の目標」、「どういう国家がいいですか?」って言ったら「とりあえず、人口が増える国家を目指そうぜ」と言いますね。「移民抜きで」ね、移民抜きで。
すると、「それに応じた税制」にすればいいんですよ。

「結婚(減)税」とかね、まじで言ってます。
結婚減税‥、「結婚したら5年間、所得税ゼロ」‥すげぇ増えると思うよ、オレ。
「子供生んで」でもいいですよ。

ということも今は言えるけども、昔言うとね、昔って私が20代 30代の頃なんだけど、言うと、「産めよ、増やせよ、ですか?!」「大日本帝国ですか!?」と言われちゃう、まじですよ。
それもダメだったんです。

確かに「大日本帝国時代」っていうのは、それこそ兵隊さんがほしいから「多産化」を推奨したのね。
多分、税制とかもそっちの方向でやってたと思うよ。 もし私が当時の政治家だったらやりますよ。
「多産化」っていう目標があるんだったら、それに合わせた税制やりますよ。

それで「産めよ、増やせよ」ってことで、大東亜戦争を戦って負けました、と。すると「子供をたくさん生むことがダメだ」となっちゃった。 すぐ「軍隊」と結びつけるんです。
んなことやってたらこんな「少子化」になっちゃった。

‥ということで結構「税金」って重要なんですけどね。

日本は「税金」は、「法律でしか徴収」できない

でも、日本の場合は「税金」っていうのが、「法律でしか徴収されません」という決まりになっております。

ブログは2022年12月5日「税金と立法措置」ということなんですけど、結構みんな知らないんだよね、これ。

はい、「日本国憲法」に「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ」とあるんですよ。
だから「法律」がないといけないんですね。
私が「「防衛納税」絶対ムリだろ」って思ってるのがこれが理由のひとつ、「法律が必要だから」。

高家氏
「増税」するときに?

三橋氏
「増税」も「新税導入」も全部、法律が必要です。

ちなみに「復興増税」ね、悪名高き「復興増税」もあれも一応法律です。
「つなぎ国債」だったんだけど、法律で。
「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法」
‥言えた、言えた、言えた。長っげぇ名前! 長っげぇ名前の法律を通して「復興増税」で、我々、今も所得税に「+ちょっと乗ってる」んですよ、って形なんですよ。

だからね、意外と「増税」って、ハードル高いんですよ。

法律関わる ハードル高い「増税」に挑む岸田内閣&財務省

高家氏
ふぅ〜ん。

三橋氏
とくに今の「防衛費」のように、「喫緊の支出拡大が必要だ」って言った場合‥。

高家氏
あ、時間かかちゃうんですね?

三橋氏
それはかかりますよ、かかります。 で、簡単なのが「国債発行」なんです。

なぜかというと、日本って「財政法 4条」で、「特例口座」、通称「赤字国債の発行」禁じられてますけれども、「特例公債法」っていうのを今、通してあるから、
単に「予算組み」して、国会議員が可決したら終わり。

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財政法 第四条
国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない。 但し、公共事業費、出資金及び貸付金の財源については、国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行し又は借入金をなすことができる。

特例公債法
財政法で原則禁じられた赤字国債の発行を特別に認めるための法案。 赤字国債は年金・医療など社会保障費の膨張を背景に1994年度以降は毎年発行されています。 法案は国会に提出されますが、政治情勢などで成立が遅れれば、予算執行を抑制しても財源は年後半にはほぼ枯渇することになります。

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それに対して、「増税」ってなると、法律をゼロから作らないといけなくなるから、相当ハードル高いんだろうな〜、それでも財務省やろうとしますけどね。

高家氏
ちなみに「減税」も?

三橋氏
同じ。

ただ「消費税」の場合は、要は「軽減税率」っていう法律が入ってるわけですよ、条文が。
だから、実は簡単な方法があって、消費税を廃止する方法っていうのが。
「軽減税率に全部0%をかければいい」んですよ。

高家氏
ああ、そしたらゼロ?

三橋氏
「ゼロ%」です。 それできます。 法律を作らなくても。

高家氏
ふぅ〜ん。

三橋氏
だって、そう書いてあるもん。 っていうことなんですよね。

「インボイス」停止させるためには

で、そこで「インボイス」なんですよ。
「インボイス」を停止するためには、これは確かに「消費税法」をいじらなくちゃダメです。

高家氏
ふぅ〜ん。

三橋氏
なぜかというと「2019年の増税」と「軽減税率」と「インボイス」っていうのが法律で可決されてるから。

なんでその時に騒がなかったんだって言われるんだけど、それはごめんなさい。申し訳ないんだけど、私も万能の神じゃないんで、こんな大変なことになると思わなかった、あの時点では。
「消費税の増税」自体に反対してたから、私は。

あと「軽減税率」も訳のわからない理論をやめろ、と。「全部「5%」(の)軽減税率にしろ」とかですね、そういう戦い(を)やってたから「インボイス」まで気が回らなかったわけです。
それで、実は「大変なことになる」と気付いて真面目に(インボイス反対も)やってるわけなんだけれども、
だから「法律」いじらなきゃいけない。

このときに注意しなければならないのはですね、要は「緊縮財政派」とか「構造改革派」とかもそうなんだけど、「立法措置が必要なので、ハードルが高いんです」っていうレトリック使うんです。

高家氏
立法措置?

三橋氏
「立法措置」って「法律作る」ことなの。
だから「インボイスを現時点で停止する」ためには「立法措置が必要になるので」まぁ、それはそうなんだけど、法律変えなくちゃいけないからね? だから「ハードルが高いです」って言って諦めさせようとするんです。

高家氏
あ、その2019年にやったのをまた戻さなきゃいけないからですか?

三橋氏
変えないといけないからですね。

変えないんだよ?変えない。

利権のための構造改革はマッハ、国民のための構造改革はカメの歩み?

この話のポイントっていうのは、
1つ目は、「日本」っていうのは「増税」とか、あるいは「構造改革」といった「よこしまな連中が思い描く法律」って「スススッ」って通るんですよ、意外と。ものすごいスピードだよ。

高家氏
2019年もそれみたいな感じですか?

三橋氏
あと「農協法改正」とか、「種苗法」とか「種子法の改正」とかですね、「種法」なくなっちゃったんですけど。すごい勢いで進んでいくんです。

高家氏
すごいスピードですね。早い‥。

三橋氏
早いんですよ。
それで私さっきから「立法措置は大変ですよ」って言ってるんだけど、それは「国債発行」と比べて大変だって言ってるの。
だから、やろうと思ったらできるし、それが「国会議員の仕事」‥なんですよね。

あとはですね、その、前ちょっと話しましたけれども「インボイスの対象者」ですね、要は「課税売上1,000万円」の方々に対して、今「軽減措置」みたいなの考えてるじゃないですか。
あれ、法律いらないですからね。

ということは、ということはですよ、「課税売上高の2割」って今言ってますよね?
「0割」にすればインボイス、なくなるわけですよ。
とかですね「逃げ道」はいくらでもあるわけですよ。
でもそういうのって「官僚」とか熟知してます、とくに「財務官僚」とかは。だけど言うわけがないよね。

政治家はちゃんと条文を読むように!

だから政治家がちゃんと条文とかを読んで官僚とかと話してですね、そういう本当の「国民のためになる」ような、その優遇措置ですよね、あるいは「げんめい措置」でもいいんだけど、そういうのは別に立法措置がいらないわけですよね?

その2つですよね、その2つで戦わないといけない。


13:33〜


続きはYouTube で確認😺

https://youtu.be/vYJ_vvL-xQ8


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