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フランスで研究者ビザ、滞在許可証を取得、更新するまでの流れ。

こんにちは。島袋です。日付変わって8月になりました。

海外で研究者を始める場合、日本と異なり年度の始まりが9月ということで海外で研究者を始める準備に追われている方もいるかと思います。残念ながら今年はコロナウィルスの影響で、手続きが難しくなっているみたいですが・・・

海外移動の際の手続きで面倒くさいのが、ビザを取得して現地にて滞在許可証を取得すること!

そこで今回は、私の最初のポスドク先であるフランス・パリで研究者ビザ、滞在許可証を取得、更新について簡単にまとめてみようと思います。パリで研究者を始める人のちょっとでも助けになればと思います。

フランスで研究者ビザ、滞在許可証を取得するまでの流れ。

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1. フランスでポスドクとして研究を行う場合は、渡航前に研究者ビザを取得する必要があります。この研究者ビザの取得については在日フランス大使館のページ(ambafrance-jp.org)に詳しく載っています。

2. 研究者ビザを取得する上で必要書類の一つとしてコンバンション・ダキュイ(Convention d’accueil)があります。これは、フランスで所属する機関に頼んで日本に送ってもらわないといけませんが、届くまでに数週間から数ヶ月かかる(私の場合は約3週間)ので早めにお願いするのが大事です。

3. 研究者ビザを取得したらそれで終わりかと言うとそうではありません。次は、フランスに到着後3か月以内に滞在許可証を取得しなければなりません。滞在許可証を取得するためには警察署<prefecture de police>に申請に行かなければなりません。しかし、私の場合、最初に警察署に行ったら移民局に行けと言われて追い返されました。(ちなみに警察署の人は英語を話せないので、予め伝えたいことをフランス語で調べてから行くと良いです。)

4. 警察署にて移民局に行くよう言われたので、最初の滞在許可証申請には移民局<OFII>に行きました。特に予約することもなく、アポなしで行きました。ちなみに、日本でビザ申請の時に移民局提出用書類をもらうのですが、この書類は移民局にて提出するので大切に保管しておきましょう。申請から3日くらいでOFIIから呼び出しがかかりました。ネットの情報では、移民局からの呼び出しには数週間から長くて数ヶ月待つと書かれていましたが、私の場合、5月だったこともありオフシーズンだったため迅速な呼び出しでした。留学生がやってくる入学シーズンの9月付近は呼び出しに時間がかかるらしいです。

5. 召喚状に必要書類が書かれているので、それらの書類と240€くらいの印紙を持ってOFIIに行く必要があります。この印紙はTABACOでも買えますが、私はオンラインで購入しました。印紙についても召喚状に説明が書いてあるので、それを参考にすれば良いです。必要書類の中で注意が必要なのは戸籍謄本。これをフランス語訳したものが必要になりますので(原本の写しも必要だったかも)、日本にいる間に戸籍謄本のフランス語訳を準備しておくのが良いです。。

6. 幸い、私の場合日本語の戸籍謄本をパリ天文台に送ったら、フランス語訳された戸籍謄本も準備してくれました(とはいえ、日本にいる際に戸籍謄本のフランス語訳は自分でも準備していました。家族人数によりますが翻訳には大体1万前後かかります)。あと住居証明も必要です。

7. 私はパリのcite universitaireという世界中からの留学生が多く住んでいるところに住んでいましたが、住んでいる館の館長さんに一筆書いてもらい、その書類と他の必要書類を持って、召喚された日にOFIIに行ったらその場ですぐに滞在許可証がもらえました。ここまでがパリについてすぐの話。

8. 滞在許可証の有効期限は1年のため、毎年更新しないといけません。ちなみに、滞在許可証は期限が切れる2か月前には予約を取る必要があります。オンラインで予約(Prefecture de Policeのページで予約を取ることができる)を取ろうとしましたが、identifierできないとエラーが発生し困りました。

9. 埒が明かないので警察署に行ってみましたが「所属機関で予約を取れ」と追い返されたので、パリ天文台にて手続きをお願いしました。必要な書類は1年目に必要と言われた書類が揃っていれば特に困りません。私はパリ天文台に学位証明書を提出したので、その写しが残っていましたが、更新の際にも学位証明書が必要なので大切に保管しておきましょう。

10. 尚、パリ天文台の担当者に手続きの申請をお願いしてきた際に必要と言われた書類は、パスポート、戸籍謄本(フランス語)、学位証明書、住居証明書、コンベンション・ダキューイです。

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滞在許可証更新

無事に滞在許可証を取得しても1年後には期限が切れるため、更新をする必要があります。私の場合、更新に必要な書類を3月下旬に提出して、4月の中旬くらいにprefectureが必要書類を受け取ったという配達通知が天文台の方に届きました。

5月下旬に仮滞在許可証(レセピセ)が届いたのでシテ島にあるパリ警察署まで取りに来いとのメールが天文台を通して送られてきました。念のためそのメールを印刷して、パスポートを持って警察署へ。特に問題なくレセピセを受け取ることができました。このときに携帯電話番号を聞かれます。これは何故かと言うと、正式な滞在許可証が届いたときの通知はSMSを通じて届くためであり、パリで使える携帯電話を準備しておいたほうが良いです。

そして、6月下旬に滞在許可証を警察署に取りに来いとの連絡がSMSで届きました。受け取り時に必要なのは、パスポート、レセピセ、そしていちばん重要なのがTIMBREという印紙。研究者ビザの場合、269ユーロ分のTIMBREが必要で、これはパリの街中に点在しているTABACで購入することが可能です。ただし、お店によっては売り切れている場所もあるため注意が必要。私は3件くらいはしごしました。

パスポート、レセピセ、TIMBREを持って、パリ警察署に行くと滞在許可証自体はすぐにもらえます。ここでちょっと注意が必要で、レセピセを受け取ったりする場所と滞在許可証を受け取るセクションは違うということ。滞在許可証を受け取るのはレセピセを受け取ったり他の手続で訪れる1514号室ではなく、レセピセを受け取った建物のすぐ隣のグラウンドフロアにあり、看板もあるのですぐに分かると思います。

色々面倒くさかったですが、とにもかくにも滞在許可証を更新することができました。

余談ですが、私は、滞在許可証が切れている状態で研究会のため日本に一時帰国する必要がありました。最終的にはパリを出る直前ギリギリでレセピセが届いたので問題がなかったのですが、レセピセが届いていない状態でフランスを出る場合は、上述の書類を受け取ったという配達通知のコピーとコンベンションダキューイを持っていくと良いらしいです。

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フランスの手続きで一番面倒くさいのは、おそらく滞在許可証の申請、更新ではないかと思います。

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